見える見えない、写真のゆくえ
写真家・石内都の個展『見える見えない、写真のゆくえ』が、7月25日(日)まで〈西宮市大谷記念美術館〉にて開催されている。
女性写真家として初めて木村伊兵衛写真賞を1979年に受賞、2005年にはヴェネチア・ビエンナーレ日本館代表作家に選出され、2013年には紫綬褒章を受章、いまや日本を代表する写真家となった石内都。自身が幼少期から青春時代まで過ごした横須賀の街を撮った『絶唱、横須賀ストーリー』や、被爆者の遺品を撮影した『ひろしま』など、目には見えない「時間」を写真に写し込む試みを続けてきた。写真に関する専門的な教育を受けず、独学で技術を習得したことが、従来の写真形式に縛られない独自の表現方法につながっているのだろう。
1977年のデビューから現在という、長い時が移ろうなかで、様々な意味を持つようになった自作を前に、石内都は写真の持つ記録性や役割と改めて向き合い、これからの「写真のゆくえ」について想いをめぐらせたという。
本展では、初期作の『連夜の街』(ヴィンテージプリント)をはじめ、代表的なシリーズの『ひろしま』、フリーダ・カーロの遺品を被写体とした『Frida by Ishiuchi』『Frida Love and Pain』を展示。それに加え、これまで発表機会の少なかった薔薇やサボテンを撮ったシリーズ、国内では初公開の『Moving Away』、そして新作『The Drowned』も見ることができる。初期から最新作まで堪能できる貴重な機会となる本展に、ぜひ足を運びたい。
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開催状況などの最新情報は、公式ページにて確認ください。
■ワークショップ「牛乳パックカメラで写真を撮ろう」
牛乳パックで簡易カメラを作り、感光する紙を用いて写真を撮ります。カメラの原理を知り、撮影することで写真に親しむワークショップです。
【実施日】2021年7月4日(日)14:00〜16:00
【講 師】西宮市大谷記念美術館 学芸員
【対 象】小学生以上
【参加費】500円(別途要入館料)
【定 員】10名(応募者多数の場合は抽選)
【申込方法】
往復ハガキまたはメール(20210704ws@otanimuseum.jp)に、参加者全員の氏名・年齢・住所・電話番号を明記。1回の応募で2名まで、重複での申込無効。
6月13日(日)必着。
*新型コロナウイルス感染拡大の状況により、中止や延期になることがあります。
INFORMATION
日時 | 2021年4月3日(土)〜7月25日(日) 休館日:水曜日(ただし、祝日の場合は開館し、翌日休館) |
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会場 | 西宮市大谷記念美術館 |
料金 | 一般 ¥1,000(¥800) |
出展作家 | |
主催 | 公益財団法人 西宮市大谷記念美術館 |
後援 | 西宮市、西宮市教育委員会 |
助成 | 公益財団法人 朝日新聞文化財団、公益財団法人 三菱UFJ信託地域文化財団 |
協賛 | (有)フォトグラファーズ・ラボラトリー |
特別協力 | サードギャラリーAya |
イベントページ | |
お問い合わせ | TEL 0798-33-0164 |
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地域に根ざした世界中のインディペンデントな「人・もの・こと・場所」をおもしろがり、文化が持つ可能性を模索するためのメディアANTENNAです。
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