三宅佑紀 個展『はぐれた落ち葉』
個展『ラベンダーの箱』より
三宅佑紀の個展『はぐれた落ち葉』が、7月13日(火)から、京都東山の〈KUNST ARZT〉にて開催される。
岡山県出身、滋賀県にある成安造形大学にて洋画を学んだ三宅佑紀は、記憶の中にある日常的なモチーフを透明感のある油彩で表現するアーティストだ。彼女の制作プロセスにモチーフの模写は一切なく、経験と記憶から「最もそれっぽい姿」(作家の言葉)が絵画として抽出される。
2年ぶり4度目となるKUNST ARZTでの今回の個展は、現実とのズレはあれ、アーティストの記憶の中に確かに存在する祖母の「落ち葉」を彫り出した盆の姿を探る試みとなる。これまでテーマは一貫しつつも、シルクスクリーンを取り入れるなど、表現の幅が広がっている彼女の作品。その目にぜひ焼き付けてほしい。
アーティスト・ステイトメント
あまりにも長い時間が過ぎてしまうと、記憶というものはどれだけ大切にしまっておいても、そのままを留めておくことは難しい。
ちょっとずつ失いながら、同時に日々少しずつ補って積み重ねていく。
今、頭の中に浮かぶ景色は、そうしてできあがったものかもしれない。
記憶が自分のなかでどのように存在しているのかということに興味を持ち、
油絵の具やパステルを用いて個人の記憶やそれにまつわる感覚を他者と共有できる方法を探っている。
展覧会コンセプト
板に写した下絵を彫刻刀で少しずつ彫り出していくと、
初めからそこに埋まっていたかのように落ち葉の層が現れる。
20 年ほど前、祖母がそういうものを作っていたのを覚えているが、
記憶の中では長方形の盆のような木地にイチョウの葉が彫られていたのに、
実際に祖母が遺したものは形も彫られた模様も全く異なっていた。
落ち葉の盆は違う記憶が上書きされたことでできあがった架空のものであるが、
記憶の中には確かに存在している。
落ち葉の盆に関わる記憶を描き出し、その姿を探っていく。
INFORMATION
日時 | 2021年7月13日(火)〜2021年7月18日(日) |
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会場 | KUNST ARZT(クンスト・アルツト) |
出展作家 | 三宅佑紀 |
KUNST ARZT 三宅 佑紀ページ | |
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