新宅加奈子 個展『stratum』
新宅加奈子の個展『stratum』が、7月31日(火)から、京都東山の〈KUNST ARZT〉にて開催される。
新宅加奈子は自身の身体に、絵の具を纏うアーティストだ。椅子に座ったまま数時間かけて行われるパフォーマンスでは、頭のてっぺんから、つま先まで、全身にゆっくりと絵の具を纏っていく。時間の経過と体温によって硬化し、混ざり合っていく絵の具は、鮮やかで美しい地層のようだ。彼女の言葉には、「全身に絵の具を纏う行為は、私の生きるために必要なアプローチです。」とある。表現というよりも、儀式のように見えるパフォーマンスは、彼女にとって「生きていること」を確認させ、開放感を得ることのできる行為なのだろう。昨年はヨコハマトリエンナーレという大きな舞台にも参加、個展とパフォーマンスもコンスタントに行い、精力的な活動を続けている。
KUNST ARZTでは、2年ぶり3度目となる今回の個展。初の公開パフォーマンスを行った
2018年の個展と同様に、パフォーマンスと身体を軸に作られた作品群からの構成が予定されている。
アーティスト・ステイトメント
時々私は裸になって絵の具を全身に纏います。
皮膚の上で混ざり合う絵の具は、
私が私であることを超え、
人間という身体を持った存在であることも忘れさせます。
それは単なる欲求や衝動ではなく、
自分が自分として生きていくために
必要な行いとして始まりました。
むしろ、儀式のようなものだったのかも知れません。
私の日常のなかで現実感が希薄になり、
放っておくと、「今ここにいる」という実感が
徐々に失われていき、その恐怖で、
私の心身は硬直してしまうことがあります。
その為、私はこの儀式を繰り返す事により、
そのような恐怖を取り除き、
そして確かに生きている事を確認しているのです。
INFORMATION
日時 | 2021年7月31日(土)〜2021年8月8日(日) |
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会場 | KUNST ARZT(クンスト・アルツト) |
出展作家 | |
KUNST ARZT 新宅 加奈子ページ | |
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