ジョナサン・ハマー個展『OPERATION OCTOPUS』
Operation Octopus, 2020
ジョナサン・ハマーの個展が、京都東山の〈現代美術 ⾋居〉にて9月11日(土)まで開催されている。国内では2度⽬、本会場では初めての展⽰となる。
1960年にシカゴに生まれたハマーは、代表作である動物たちの⽪と金箔を繋ぎ合わせた装飾パネルをはじめ、ドローイングや写真、版画など多数の表現方法で創作してきた。多彩でエキゾチックな作風は世界的に評価され、さまざまな国で45回以上の展示を行ってきた。
今回の展示では、マケトリー(⽊象嵌)、陶作品などに加え、世界的な移民問題とハマー自身の家系がたどってきた歴史に触発された作品を発表する。本展示の表題作『OPERATION OCTOPUS』で描かれるタコは、ユダヤ人難民の巻毛の髪や、ユダヤ教の経典であるトーラの巻物へと姿をどんどんと変えていく。⾏き場を失い離散した⼈びとに起こる⾃⼰性の変容と崩壊、断⽚化されたアイデンティティのパズルというべきものを精緻に映し出しているのだ。
また京都市役所北の⾋居アネックスでは、丸川コレクション展「巻物と触⼿」も同時開催中なので足を運びたい。両会場ともに、訪問時には事前予約が必要とのことなのでお忘れなく。
ジョナサン・ハマー / Jonathan Hammer
1960 年シカゴ⽣まれ。現在スペインに在住し制作。これまでに45 回以上の個展を様々な国にて⾏う。30 年に渡りドローイングや写真、書籍、彫刻、陶、版画などに加え、代名詞でもある珍しい動物たちの⽪を繋ぎ合わせた装飾パネルを作成。これまでドイツ、スイス、ノルウェー、フランス、イギリス、アメリカ、メキシコ、そして⽇本にて幅広く展⽰を⾏っている。ニューヨークでは10 回の個展を開催(そのうち5 回はマシュー・マークス・ギャラリーにて)。美術館での数多くのグループ展に加え、ジュネーヴ現代美術センター(ジュネーヴ・スイス)やバークレー美術館(バークレー・カリフォルニア・アメリカ)、ダーフナー美術館(ブロンクス・ニューヨーク・アメリカ)にて個展を⾏っている。コレクションには、ニューヨーク近代美術館(ニューヨーク・アメリカ)、サンフランシスコ近代美術館(サンフランシスコ・カリフォルニア・アメリカ)、ロサンゼルス現代美術館(ロサンゼルス・カリフォルニア・アメリカ)、アーマンド・ハマー美術館(ロサンゼルス・カリフォルニア・アメリカ)、バークレー美術館(バークレー・カリフォルニア・アメリカ)、ホイットニー美術館(ニューヨーク・アメリカ)、ジュメックス・コレクション(メキシコ)などがある。出版物には『球と⾦槌(BALL AND HAMMER)』(エール⼤学出版、2002 年)があり、チューリッヒ・ダダに関する批評を執筆している。⼊賞歴には、アート・マターズ・ニューヨーク、プロ・ヘルヴェチア(スイス・アート・カウンシル)、ニューヨーク・ユダヤ⽂化記念財団、ポロック・クラスナー財団、ピュー慈善信託などがある。また、スペインのアーティスト・レジデンス「ヴィラ・ベルジュリー」の創設者である。
INFORMATION
日時 | 2021年7月30日(金)~ 2021年9月11日(土)
新型コロナウイルス感染拡⼤の状況に鑑み、当⾯の間アポイントメント制とさせていただきます。ご予約はHP、メールまたはお電話にて承ります。ご希望⽇時、⽒名、ご連絡可能な電話番号、メールアドレス、ご来廊の⼈数をご来廊前⽇までにお知らせください。 |
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会場 | 現代美術 ⾋居 |
出展作家 | |
イベントページ | |
お問い合わせ | 現代美術 ⾋居 |
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地域に根ざした世界中のインディペンデントな「人・もの・こと・場所」をおもしろがり、文化が持つ可能性を模索するためのメディアANTENNAです。
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