透明な山羊
京都を拠点に活動している演劇ユニット・下鴨車窓が『透明な山羊』を、8月7日(土)より〈THEATRE E9 KYOTO〉にて上演する。下鴨車窓としては約2年ぶりとなる田辺剛による新作書き下ろし作品で、3つ目のレパートリー作品だ。
劇作家、演出家の田辺剛を代表に、2004年に設立された下鴨車窓。その活動は関西だけに留まらず、国内各地を巡演、2015年には香港とマカオといったアジアでも公演も重ねてきた。活動当初は俳優やスタッフは常駐せず作品ごとに募集するスタイルであったが、2020年4月に劇団化したところだ。
イントロダクション
朝になったからって
幽霊は消えてなくなる
わけじゃない
逆にどうなんだろうと彼女は考えた。突然じゃない知らせってあるものなのか。いつだって誰かに不意に告げられる、それが「知らせ」だ。中身によるところはある確かに。知らされた中身にわたしが拒否反応を示すとき、その知らせを受け取りたくないというときに「そんなこと突然に言われても」とつい口にしてしまう。嫌だったのだ。その知らせを受け取りたくなかったのだ。けれども知らせは受け取ることを拒めない。知ってしまえばもうどうしようもない。
高速を下りて国道を走る。ここからはほとんど一本道。ずっと後ろについていた車もいつのまにかどこかへ行ってしまった。彼女はバックミラーを少し直してアクセルを踏み込む。まっすぐ行けばあそこに着く。目の前に広がる山の奥。わたしを待つ人はいなくなってしまった。その人がいた場所だけがある。空っぽの、記憶だけの、曇天の。
下鴨車窓
下鴨車窓は現代演劇の作品をつくる団体として2004年に設立、代表は京都を拠点に活動する劇作家、演出家の田辺剛が。演劇作品の創作について、従来は出演者(俳優)やスタッフは常駐しておらず作品ごとに募っていたが2020年4月に劇団化。創作は京都市内にて、公演活動は地元だけにとどまらず、国内各地を巡演、2015年には初めて香港とマカオでの海外公演を果たした。
演劇作品の創作の他に、戯曲を執筆する講座「ことばにつむぐ」や、一年を通じて演劇の基礎から学び公演まで行う演劇講座「fullsize」(ふるさいず)を実施。一般へ向けての演劇の普及事業を行っている。
https://mogamos.link/
INFORMATION
日時 | 2021年8月7日(土)18:00 受付開始は開演の40分前、開場は30分前です。 |
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会場 | |
料金 | [自由席 / 日時指定 / 税込] |
キャスト | 西村貴治、野村明里、岡田菜見、佐々木峻一 |
スタッフ | 照 明|河口琢磨 |
クレジット | 主催・企画製作| 下鴨車窓 |
イベントページ |
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お問い合わせ | 下鴨車窓 |
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地域に根ざした世界中のインディペンデントな「人・もの・こと・場所」をおもしろがり、文化が持つ可能性を模索するためのメディアANTENNAです。
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