COLUMN

【2023年7月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト

MUSIC 2023.07.20 Written By 乾 和代

「現在の京都のインディーシーンってどんな感じ?」

「かっこいいバンドはいるの?」

 

「今」の京都の音楽シーンを追う、この連載!今月も今聴いておきたい注目のアーティストを紹介していただきます。

 

紹介者は以下の方々です。(五十音順)

  • 京都GROWLY 店長:安齋智輝
  • livehouse nano 店長:土龍

京都GROWLY 店長:安齋智輝の注目アーティスト

Kaishu Yagi (Funhaus)

今回は音楽を奏でるアーティストではなく、音を形にするクリエイターの紹介をさせてください。

 

Kaishu Yagiは京都で生まれ京都で活動する総合クリエイター。“415issues”の名義で2014年ごろからグラフィックデザインやライブ映像,ミュージックビデオといった数々のインディーミュージシャンの作品を手掛ける。その活動は映像に留まらず、さまざまなカルチャーへの純粋な欲求と探究心を集約したブランド/クリエイティブコレクティブである”experienc(e)”を立ち上げ、ZINの発行や服飾・アイテムを制作しリリース。今年から新たに”Funhaus”名義でこれまでの活動を集約し、音楽業界のみならず飲食店、ファッションブランド等まで幅広くデザインを手掛ける予定です。

 

個人的には主にライブ映像やMV制作で絡む機会が多いのですが、柔軟で斬新な切り口で表現する映像はその分野に疎い僕でもハッとするエンターテイメント性にあふれている。
ちゃんと既視感もありつつ、でもなんと独特な。そして仕事も恐ろしく早い。ユーザー目線とクリエイター目線の両方を併せ持つ、プレイフルなマインドだからこそ響く音楽の可視化世界。彼にしかできない表現は確実にアーティストのイメージに波及力を持たす助けとなっている。そして「その先」の表現舞台まで共に考案し歩んでくれる頼れる存在です。

 

決して驕り高ぶることなく、常に自然体で作品に寄り添ってくれる、隣にいるすごいやつ。たくさんのアーティストが彼と共にキャイキャイ楽しみながら作品を高次元へ昇華させてくれたらな、と思います。

 

※作品集はこちら

 

今まさに関西シーンの広報で一役を担っているKaishu Yagi、気になった方はぜひ気軽に連絡してみてください!

SuperBack - "JADA"(Official Video)

■関西で映像を手掛けたアーティスト
No Fun、ピアノガール、Hues、The Slumbers、F.P、MELTME、SuperBack、blondy、tip top nap、e;in、Tive、ens、MOFO, Ceeestee, igawa taku, BAD END BOYS、モラトリアム、OLIVESなど

 

※今回は特別に、Kaishu Yagiがフライヤーを手掛けたイベントをご紹介します。

Webサイト

https://www.funhaus.jp/

Instagram

@__funhaus

Kaishu Yagi (Funhaus) 関連イベント:No Fun pre. 『不時奏 vol.17』

日時

2023年9月1日 (金)

open 21:00 / start 22:00

会場

京都GROWLY

出演

the engy / the McFaddin / YYBY / e;in / TEMPLE / 村島洋一 / KASHIKOI ULYSSES / Leo Atzori / No Fun

料金

2ドリンク代のみ(予約制)

安齋智輝

京都GROWLYの店長です。

元和菓子職人です。

お菓子も音楽も手間暇と愛が必要、がモットーです。

livehouse nano 店長:土龍の注目アーティスト

高山燦基

通称チャッキー。京都を中心に活動するシンガーソングライターで、元バレーボウイズのギタリスト。イラストレーターであり、バレーボウイズ時代のアートワークやボロフェスタの20周年ZINE始め、京都の音楽シーン中心に作品を多々提供してきた。

 

彼の絵は、カテゴライズするならば抽象画と呼ばれるもので、受け取る人間の想像力に委ねるタイプのもの。が、シンプルなモチーフと淡い色合いなのに妙なインパクトがあり、見た目とは裏腹に作家の意思が確実に感じられる強い魅力と説得力も併せ持つ。

 

そして、彼の歌にも全く同じ魅力があると言え、その登場人物の感情を限定するものではなく聞き手のイマジネーションをくすぐる。が、リバーブで広げるのにはもってこいの透明感のある歌声で綴られる言葉たちやメロディには一度聴くと脳内リピートしてしまうインパクトがあり、気がつけば彼の音楽の虜になっている。

 

チャッキーにとっては、絵を描くことも音楽を作って唄うことも、きっと同じ作業なんだと思う。馴染みのある言葉で唄ってくれる分、音楽はよりキャッチーに彼の作風を知ることができるかもしれない。彼の音楽を知り、その後に彼の絵を見て、また逆に改めて彼の音楽を聴く、また彼の絵を見る、そして彼のアーティストとしての本質に触れてみたくなる、そんな多元的な広がりをもつ作家がチャッキーなんだと思う。

 

「絵も描く」や「歌も唄う」ではない、歌も絵もチャッキーが表現の場所として使用するメディア。どちらもチャッキー。

 

彼のライブで感じられる果てのない奥行きは、きっとそういう彼のスタイル故なんだろうな。かわいい顔してやるもんだね。かっこいいぞ、チャッキー。

高山燦基(Band Set) 「掬ぶ」 レコ発記念ライブ - Full (2023/3/4)

Twitter

@yama_yama819

高山燦基 出演イベント:『ひぐらしの声、夏のアスファルト』

日時

2023年8月3日(木)

open 18:30 / start 19:00

会場

livehouse nano

出演

高山燦基(band) / ゾッキ / 楽しんでいこうや西岡

料金

前売り ¥2,000 / 当日 ¥2,500(共に+1drink¥500)

土龍

1976年京都府生まれ。
二条城の東側にある全国でも稀に見る小ささのライブハウス、livehouse nanoの店長兼音響兼照明兼制作兼雑用。毎年秋には仲間と共にロックフェスティバル「ボロフェスタ」を主催。派手好きの単純思考のパリピの一種。

livehouse nanoではドネーショングッズをオンラインストアにて販売中。新グッズも日々入荷中!

https://livehouse.thebase.in/

Youtubeチャンネルでは無観客ライブも日々開催しています。ぜひチャンネル登録を!

https://www.youtube.com/channel/UCV904VJscUg3jr9guSXf_-w

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