COLUMN

【2022年5月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト

MUSIC 2022.05.16 Written By 乾 和代

「現在の京都のインディーシーンってどんな感じ?」

「かっこいいバンドはいるの?」

 

「今」の京都の音楽シーンを追う、この連載!今月も今聴いておきたい注目のアーティストを紹介していただきます。

 

紹介者は以下の方々です。(五十音順)

  • 京都GROWLY 店長:安齋智輝
  • Live House nano 店長:土龍

京都GROWLY 店長:安齋智輝の注目アーティスト

the sprawls

the sprawls at GROWLY

滋賀で結成、京都を中心に活動中の4人組オルタナティヴロックバンド。2020年12月号でnanoモグラさんもご紹介されていますが改めて。
 
20代にしてどのバンドよりも90′sオルタナサウンドとマインドを体現していて、僕らのような世代にとっては狂おしくかっこいい。ローファイ且つざらついたギターベースに、ぐにゃりと歪んだタイム感、垣間見えるポップさはまさにpavementやSilver Jewsを彷彿とさせ、不穏の中に底抜けな美しさを内包してるのがSonic Youthのよう。
 
当の本人たちはポップな音楽が好み。各々が出す音自体が奔放でエクスプロージョンしつつも楽しそうに溢れていて、とはいえ隠しきれないキャッチーさに満ちていて。これぞ「バンドマジック」。
 
バックグラウンドに忠実なバンドは好き、でもバックグランドが滲み出ちゃってるバンドはもっと好き。the sprawlsは地下に潜むかっこいいバンドの典型ですよ。
 
世にエクスプロージョンして欲しいなぁと切に思ってます。現在ドラムは正規、サポートに関わらず募集してるのでどなたかぜひに!
Twitter

https://twitter.com/TheSprawls?s=20&t=4y7I7epPwkqD_lqUXDVmuA

the sprawls 出演イベント:心の何処かに、アーバンダディ1st mini album 「I miss you」release party "Daddy Described Eternity"

日時

2022年5月22日(日)

OPEN 17:00 / START 17:30

会場

京都GROWLY

出演

心の何処かに、アーバンダディ / 半袖セミナー / 8月のペトリコール / Red Beans With Rice / the sprawls

料金

前売¥2,000円 / 当日¥2,500円(共に+1drink¥500)

※GROWLYのLINE自動予約でも予約可能です!

安齋智輝

京都GROWLYの店長です。

元和菓子職人です。

お菓子も音楽も手間暇と愛が必要、がモットーです。

Live House nano 店長:土龍の注目アーティスト

POOLS

POOLS”サークル”

京都・大阪を中心に活動する4ピース・ギターロックバンド。ドラマーは現在サポートメンバーだが固定のプレイヤーがおり、見るたびにアンサンブルが強固になっていく若手の成長株。

 

最初に見た時からそのUSのシューゲイザー・ドリームポップをモチーフにしたアプローチに「ぎゃー!でた!おっさん殺し!」と驚いたんだけど、飽くまでそれは作曲とアレンジメントの大枠を主に担当しているGt.cho.のイデノの趣向が強く見られるものだってことに気付くのは少し経ってから。最初に自分がずっと好きで聴いてきたタイプの音楽の種類に喜んだものだからこそ、異様に僕のハードルが上がりそうになったけど、そうはならなかったのが良かった。というのは、イデノのどちらかというとインディーな志向とは裏腹にGt.Vo.ミキとBa.cho.ノダの目指すものがとてもポップなものであったのが大きい。そのポップさに違和感を覚えることから始まったのは事実だけど、このメンバーたちの凄いところはその対局にあるとも言えそうな要素を見事に擦り合わせクロスオーバーさせているところ。それによりインディーものとしてだけ認識されるのでなく、めちゃくちゃカラフルな日本語のポップスでありながら音楽のヘビーユーザーも納得させるアレンジも鳴らすっていうなかなかに渋いことをやってのけてる。今はそこに目がいくようになった。

 

これはきっとメンバーそれぞれがそれぞれのことをリスペクトし合ってるからであって、自分達の好きでやりたい音楽についてたくさんの会話をしているんだろうなと想像できる。そういうマインド的にもバランスがいい。えっと、とても簡単に言うと「仲が良い」笑

 

本人たちがnanoでのライブ中に「ここでライブする度によくなっていくバンドPOOLSです」なんて冗談混じりに言ってくれたことがあるけど、事実そうなんだから頼もしい。間違いなく大事にしたいバンドの一つだ。

 

喧嘩すんなよ?笑

Twitter

https://twitter.com/poolside_motel?s=20&t=wk5nJ3C7MOtRfhdgZ1W2yg

POOLS 出演イベント:『Sweet Sixteen Blues』 *投げ銭制配信あり

日時

2022年5月27日(金)

OPEN 18:30 / START 19:00

会場

Live House nano

出演
enu & the oriental animal machines / POOLS / Set Free / Viewtrade
DJ:ワイニー(Set Free)
料金

前売¥2,000 / 当日¥2,500(共に+1drink¥500)

投げ銭制配信

配信URL
https://www.youtube.com/c/livehousenanosince2004

投げ銭リンク

土龍

1976年京都府生まれ。
二条城の東側にある全国でも稀に見る小ささのライブハウス、livehouse nanoの店長兼音響兼照明兼制作兼雑用。毎年秋には仲間と共にロックフェスティバル「ボロフェスタ」を主催。派手好きの単純思考のパリピの一種。

Live House nanoではドネーショングッズをオンラインストアにて販売中。新グッズも日々入荷中!

https://livehouse.thebase.in/

Youtubeチャンネルでは無観客ライブも日々開催しています。ぜひチャンネル登録を!

https://www.youtube.com/channel/UCV904VJscUg3jr9guSXf_-w

WRITER

RECENT POST

REPORT
Homecomingsのターニングポイントで実現した、くるりとの特別な一日
COLUMN
【2024年2月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
【2024年1月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
REVIEW
Summer Whales “Burden” – 新しい兆しを感じる、スローバラード
COLUMN
【2023年12月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
HOT UP MUSIC 2023 ニューカマーPICK UP
REPORT
2日目の『京都音博』に感じた“らしさ”の理由 -『京都音楽博覧会2023』ライブレポートDay2
REPORT
邂逅の先に芽吹いた、 新しい景色-『京都音楽博覧会2023』ライブレポートDay1
REPORT
ボロフェスタ2023 Day3(11/5)- 違う景色を“DO IT YOURSELF”で描く。それ…
COLUMN
【2023年11月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
【2023年10月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
INTERVIEW
この先もCHAINSとしてバンドを続ける決意の1枚 ー『decades on』インタビュー&全曲解説
COLUMN
【2023年9月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
REPORT
ナノボロ2023 Day1(8/26)‐ 4年振りに体感した熱量、これが『ナノボロ』
INTERVIEW
“捨てる”は、あの場所にかえる動機になる? 集う人と『森、道、市場』をつなぐ…
COLUMN
【2023年8月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
INTERVIEW
ターニングポイントは『るろうに剣心』。映画のまち京都で、時代劇のつくり手と奮闘する映画祭のはなし
COLUMN
【2023年7月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
INTERVIEW
自由な即興と枠組みの楽曲。三者三様の即興アーティストが矛盾を昇華させるバンドkottをはじめた理由と…
COLUMN
【2023年6月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
【2023年5月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
【2023年4月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
REPORT
くるりの原点に戻れる場所〈拾得〉でみせたバンドとしての最新型
COLUMN
【2023年3月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
【2023年2月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
REPORT
3年越し、初の磔磔のワンマンでCuBerryが開いた未来への扉
COLUMN
【2023年1月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
【2022年12月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
【2022年11月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
REPORT
ボロフェスタ2022 Day1(11/3)-帰ってきた、ライブハウスと地続きの“日常”
REPORT
京都音楽博覧会2022 in 梅小路公園 ライブレポート
COLUMN
【2022年10月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
INTERVIEW
人と人をつなぎ価値を創る。『京都音楽博覧会』を起点に拡がる、足立毅が目指すまちづくりとは
COLUMN
【2022年9月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
REPORT
乾和代の見たナノボロ2022 day1
COLUMN
【2022年8月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
【2022年7月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
【2022年6月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
【2022年4月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
【2022年3月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
INTERVIEW
「くるりの25回転」のライブ感を配信でも届けたい!~エンジニア谷川充博の音づくりの舞台裏~
COLUMN
【2022年2月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
INTERVIEW
カタチを変えて巡り合う、CuBerryと音楽のルーツたち
INTERVIEW
よそ者がつなげた京都のシーン ‐ 折坂悠太と重奏 –
REPORT
乾和代が見たボロフェスタ2021 Day5– 2021.11.6
REPORT
京都音楽博覧会2021 at 立命館大学 オンラインライブレポート
REVIEW
くるり – 天才の愛
INTERVIEW
街並みを守っているのは誰?今知りたい、景観のはなし
INTERVIEW
Vol.2 民族楽器 ねじれが生んだ、今“ポップ”なサムピアノとは
REPORT
京都音楽博覧会 2020 in 拾得 オンライン ‟配心”ライブレポート
REVIEW
くるり – thaw
INTERVIEW
『?』から『Hotokeno』へ。オオルタイチ20周年の軌跡
REPORT
京都音楽博覧会 2019 in 梅小路公園 ライブレポート
INTERVIEW
【実は知らないお仕事図鑑 P6:『ギア -GEAR-』プロデューサー】小原啓渡
ART
REPORT
くるり『列島ウォ~リャ~Z』ツアーファイナル @磔磔 ライブレポート
INTERVIEW
私たちがアンテナをやる理由。【副編集長・フォトグラファー岡安編】
INTERVIEW
【実は知らないお仕事図鑑 P5:音響ケーブル職人】タケウチコウボウ / 竹内良太
INTERVIEW
『下鴨ボーイズドントクライ』篠田知典監督インタビュー 彼の作品に映し出される”リアル”を形づくるもの…
REPORT
『音楽ライター講座』特別トーク・イベントレポート レコーディング・エンジニア谷川充博が教えてくれた、…
COLUMN
【くるりメジャーデビュー20周年 特別企画】君は12枚を選べるか?くるりファン3人による くるりアル…
REPORT
京都音楽博覧会2018 in 梅小路公園 ライヴレポート
REVIEW
Laura Gibson – Empire Builder
REVIEW
The Velvet Rope – Janet Jackson

LATEST POSTS

REVIEW
くだらない1日『どいつもこいつも』 – 新章を告げる、高値ダイスケの詩情とバンドの確かな足取り

衝撃を持って受け止められた《WACK》への移籍や、初の海外公演となる『SXSW(サウス・バイ・サウス…

REVIEW
downt『Underlight & Aftertime』- 紆余の中、やりきれない閉塞から燃え立つ焦燥へ

2021年の結成以降、数えきれないほどのライブを精力的に行なってきたdownt。シングル『III』(…

INTERVIEW
孤独な青年の思春期が終わった、 LAIKA DAY DREAMなりのグランジ作品『Shun Ka Shu Tou』

Kazutoshi Lee(Vo / Gt)のライブを初めて観たのは昨年の〈荻窪velvet sun…

REVIEW
寒空の下、まっすぐに前を向く音が鳴る

2019年結成、東京を拠点に活動する3人組Sugar Houseが2024年1月17日(水)、1st…

INTERVIEW
全員が「ヤバい」と思える音楽に向かって – 愛はズボーンが語る、理想とパーソナルがにじみ出た『MIRACLE MILK』

13年間続けてきた末に出た、現時点での「ヤバいもの」。 それが自分なりに『MIRACLE MILK』…