
しなやかに世界へ呼応する術を養う 「野良の学校」開講
亀岡市の並河にある旧・山本住宅を舞台に始まった空き家改修と、これからの都市生活との距離感を考えるプロジェクト・A HAMLET。この場所に出入りして感じることは、長らく住まう住民と、新しく参加した私たちが渾然一体となって過ごすことのできる包容力の高さです。
「ぼんやり過ごしていても心地よい」「土を触ったり、インクを使ったり、作業場としてのキャパシティをも持つ」場所は、京都市内にはなかなかありません。改めて、そんな場所だからこそできる「つくる」を考えていくことができないかと思い、この場所に「野良の学校」というサマースクールを立ち上げることにしました。
野良の学校とは?
「野良の学校」は、A HAMLEに関わるEat, Play, Sleep inc.の編集者・堤大樹、フォトグラファー・岡安いつ美、株式会社川端組の不動産屋・川端寛之、Lunch! Architectsの建築家・和田寛司と、元住民の縫製家・きむらけいこ(poko a poko)が実施する、“他ジャンル、同時開講”のサマースクールです。
それぞれのコースに参加する受講生は、希望するコースで実践の中で技術や知識を学びながら、他のコースに参加するまったく別のバックグラウンドを持った受講生と夜な夜なA HAMLETの焚き火を囲み交流します。
また、このサマースクールでは編集や、写真、建築や縫製などの体系化された技術の獲得だけでなく、「野良として生きていくためのしなやかな心と身体づくり」をしていきたいと考えています。日々荒々しさが増していくこの社会の中で、自らの心と身体を世界に呼応させながら、「特定の業界や企業、プラットフォームに依存せずに生き抜いていく術」の獲得を目指します。
選べる5つのコース
野良の学校では、9/13-15(土日月)にかけて、それぞれ5つのコースでサマースクールを実施します。
- ✍️編集コース
- 📷写真コース
- 🪡縫製コース
- 🛖建築コース
- 🏗️不動産リノベーション企画コース
全体スケジュール
🌳9/13(土)
10:00〜:1日ワークショップ(写真、縫製のみ)
21:00:完全クローズ
🌳9/14(日)
10:00〜:開校式
10:30〜17:30:各講座
17:30〜18:00:交流会準備
18:00〜20:00:交流会
各講座の受講生が一同に集う交流会を実施いたします。参加費無料です。(ドリンクキャッシュオン制、軽食あり)
9/13の受講生もご参加いただけます。
21:00:完全クローズ
🌳9/15(月祝)
10:00〜17:00:各講座
17:00〜17:30:修了式
19:00:完全クローズ
1. ✍️編集コース
編集のコースでは、リソグラフを活用して2日間で簡易的なZINEをつくる予定です。
編集とはなんだっけ?という基礎的なお話から始まり、発信をしたいものごとを自らの内面から見つけ、具体的なコンテンツとして企画するまでを力をいれて掘り下げます。
講座内容
✋️Day1_9/14(日)
【午前:編集を知る】
- 自己紹介
- アイスブレイク/価値の編集(ワーク)
- 編集ってなんだろう?(座学)
【午後:編集されたものを分解してみる】
- 編集されたものを分解してみる/コンセプト探し(ワーク)
- 自分がつくるZINEのコンセプトの情報を集める(ワーク)
✋️Day2_9/15(月)
【午前:企画を考える(谷川さん)】
- 自分が人生で向き合ってきた衝動を見つける(座学/ワーク)
【午後:プロダクトをつくる】
- ZINEの型をつくる(ワーク)
- リソグラフを使って印刷をしてみる(ワーク)
※コースの内容は予告なく変更が起きる場合はありますこと、ご理解・ご了承ください
| 日時 | 2025年9月14日(日)、15日(月) 10:00-17:30 |
|---|---|
| 費用 | ¥33,000(税込) |
| 定員 | 5名 |
講師プロフィール
堤大樹(Eat, Play, Sleep inc.)
自我が芽生えてはや12歳。広島生まれ。一度台北に浮気をするが、大学進学以降は京都に居着く。呉服問屋の営業時代に「関西にこんなメディアがあればいいのに」という想いで2013年にインディペンデント・カルチャーマガジンANTENNAをスタート。一念発起しクリエイティブ・ディレクターとして転職するも仕事のできなさに七転八倒する。後に、何でも屋的なポジションを構築。個人の仕事が増加したことを受け2020年に企画・編集・デザインプロダクションEat, Play, Sleep inc.を設立。「Webは残したいことが長く残せん」と感じて2021年に『OUT OF SIGHT!!!』を創刊。
ゲスト講師プロフィール
谷川嘉浩
1990年生まれ。京都市在住の哲学者。博士(人間・環境学)。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。現在、京都市立芸術大学美術学部デザイン科デザインB専攻講師。著書に、『増補改訂版 スマホ時代の哲学』(ディスカヴァー携書)、『人生のレールを外れる衝動のみつけかた』(ちくまプリマー新書)、『信仰と想像力の哲学』(勁草書房)など。社会時評やカルチャー評論、エッセイなどで活動するほか、企業との協働多数。
2.📷️写真コース
写真を「もっと楽しく、もっと深く」学びたい方に向けて、実践形式の写真コースを開講します。カメラ初心者の方から、レタッチにこれから挑戦したい方まで、幅広くご参加いただける内容です。
9月13日(土):レタッチ入門講座
レタッチをこれから始めたい方に向けて、写真の仕上げ方を基礎から学びます。
9月14日(日)、15日(月祝):カメラ初心者向け講座
カメラの基本的な使い方を学びながら、撮影実習を行います。
撮影後は、写真表現を体感するワークショップも実施します。
3日間を通して、撮影から仕上げまでの一連の流れを実践的に学べるコースです。
写真をこれからしっかり取り組みたいと考えている方は、ぜひご参加ください。
【1日コース】超実践!今日からはじめるレタッチ講座
今回の講座では、ふだん私がどのようにレタッチをしているかを、BridgeやLightroom Classic、Photoshopを使いながらご紹介します。作業の流れをお見せしつつ、ちょっとしたTIPSや、現像のときに気をつけているポイントなどもお話しします。
また、実際に仕事で使っているプリセットをひとつ共有し、参加者のみなさんにもレタッチを体験していただく予定です。ぜひ、レタッチしてみたい写真データをご持参ください。
講座内容
✋️1DAY講座_9/13(土)
- 自己紹介
- どんなふうに仕上げたいかを言語化してみる
- レタッチ実践
| 日時 | 2025年9月13日(土) 13:00-15:00 |
|---|---|
| 費用 | ¥11,000(税込) ※プリセット1種付き |
| 定員 | 6名 |
| 持ち物 | Lightroom ClassicがインストールされたPC、レタッチしたい写真データ10枚ほど(RAW推奨、JPGデータでも可) |
【2日コース】超実践!カメラ初心者基礎講座
「カメラは持っているけれどうまく使いこなせない」「イメージ通りの写真が撮れない」そんな方に向けた実践的な基礎講座です。
思い描いた写真を撮るには、状況に合わせたカメラの設定やレンズ選びなど、体系的にカメラを操作する方法を理解することが欠かせません。本講座1日目では、カメラの基本操作から始めて、構図や光の扱い方など、撮影に必要な基礎を体系的に学びます。
さらに、2日目には自分が「自分が撮りたい写真」を見つけるワークも実施予定です。講師には国内外で活躍するフォトグラファー・吉田亮人さんをお迎えする予定です(※スケジュールの都合上、直前の天候によっては参加が難しくなる可能性がございます。ご了承ください)。
写真をもっと楽しみたい方、独学に限界を感じている方へ。学びと実践を通じて、自信を持って撮れる2日間をぜひご一緒に。
講座内容
✋️Day1_9/14(日)
【カメラの使い方を知る】
- 自己紹介
- カメラ操作基礎講座
✋️Day2_9/15(月)
【写真表現を深めるワーク – 自分が撮りたいものを見つめる】
- ワーク
- 講評会
ゲスト講師として写真家の吉田亮人さんをお迎えする予定です。
※スケジュールの都合上、直前の天候によっては参加が難しくなる可能性がございます。ご了承ください。
| 日時 | 2025年9月14日(日)、15日(日) 各日10:00-15:30 |
|---|---|
| 費用 | ¥33,000(税込) |
| 定員 | 6名 |
| 持ち物 | カメラ(一眼レフカメラ、ミラーレスカメラなど。センサーサイズは問いません) |
講師プロフィール
岡安いつ美(Eat,Play,Sleep inc.)
1988年茨城県生まれ、京都市在住のフォトグラファー。大学卒業後に京都市内のライブハウスに就職。2012年より京都のインディペンデントカルチャーメディア・ANTENNAを立ち上げ。後にウェブディレクターとしてさまざまな企業のウェブサイトの制作や保守管理を行う。2019年よりフリーランスフォトグラファーとして独立。雑誌やウェブ媒体の取材をはじめ、結婚式や音楽写真などの人物写真を中心に撮影を行う。
ゲスト講師プロフィール
吉田亮人(9/15ゲスト)
写真家。写真集出版社「Three Books」共同ディレクター
1980年宮崎県生まれ。京都市在住。滋賀大学教育学部卒業後、タイで日本語教師として1年間勤務。帰国後小学校教員として6年間勤務し退職。
2010年より写真家として活動開始。個人的な問題や原体験から出発した作品を多数制作。その作品は国内外で展覧会が開催されるとともに、多くの出版物が刊行されている。
2023年に写真集出版社「Three Books」をヴィジュアルアーティストの鈴木萌と設立し共同ディレクターを務める。
3. 🪡縫製コース
縫製のコースでは、ウエストゴムの「らくらくパンツ」をつくります。
裁断→縫製を行う1日コースと、デザイン→パターン制作→裁断→縫製を一貫して行う2日コースを予定しております。日々食べるごはんをつくるように、身に纏うものをつくってみませんか?
【1日コース】縫ってみよう(裁断→縫製)
講座内容
✋️1DAY講座_9/13(土)
【午前:纏うまでをたどる・裁断】
- 自己紹介
- 纏うまでの道のりをたどる(座学)
- パターンに沿って布を切る(ワーク)
※出来上がり寸法:ウエスト =66〜97cm/ヒップ= 107cm/脇丈=93cm
※こちらで用意したデニム生地とパターンを使います
【午後:縫製】
- ミシンをふむ(ワーク)
- 着用してすごす(ワーク)
※コースの内容は予告なく変更が起きる場合はありますこと、ご理解・ご了承ください
| 日時 | 2025年9月13日(土) 10:00-17:30 |
|---|---|
| 費用 | 16,500円(税込) パターン・つくりかたzine付き |
| 定員 | 2名 |
| 持ち物 | 糸切り鋏、裁ち鋏 ※普段お使いのものがあれば(こちらでご用意もあります) |
【2日コース】イメージを形にしよう(デザイン→パターン制作→裁断→縫製)
講座内容
✋️Day1_9/14(日)
【午前:纏うまでをたどる・デザインを考える】
- 自己紹介
- 纏うまでの道のりをたどる(座学)
- デザインを考える/寸法を決める(ワーク)
【午後:パターン制作(製図)】
- 基本に沿ってパターンを引く(ワーク)
- トワル(仮の布)を組む(ワーク)
✋️Day2_9/15(月)
【午前:裁断】
- パターンに沿って布を切る(ワーク)
※こちらで用意したデニム生地を使います。
【午後:縫製】
- ミシンをふむ(ワーク)
- 着用してすごす(ワーク)
- 時間があまったらパターンを応用してみる(ワーク)
※コースの内容は予告なく変更が起きる場合はありますこと、ご理解・ご了承ください
| 日時 | 2025年9月14日(日)、15日(月) 10:00 – 17:30 |
|---|---|
| 費用 | 23,000円〜(税込) パターン・つくりかたzine付き ※生地の用尺により変動します |
| 定員 | 2名 |
| 持ち物 | 糸切り鋏、裁ち鋏 ※普段お使いのものがあれば(こちらでご用意もあります) |
講師プロフィール
きむらけいこ(poko a poko)
1992年生まれの縫製家。共立女子大学被服学科を卒業後、プレタポルテの縫製工場に就職。2020年京都にて開業。現在は地元である神奈川県小田原市を拠点に、布に関する制作や小ロットの量産を行う。コンセプトは「あなたの “おきにいり” つくります。」
4.🛖建築コース
廃材をリユースしフィットネスのように日干しレンガをつくるスペース。頭が硬くなってしまったら土を触り身体を動かしてみましょう。廃材が何かを教えてくれるはずです。運営はセルフビルドで建築をつくるLUNCH! ARCHITECTS。時間帯により建築レクチャーを実施します。
講座内容(日干しレンガジム)
✋️Day1_9/14(日)
【13:00〜17:00】
- 13:00〜14:00、15:00〜17:00:日干しレンガジム 無料
- 14:00〜15:00:設計施工の実践 1500円(上限5名)
✋️Day2_9/15(月祝)
【午前】
- 10:00〜11:00:日干しレンガジム 無料
- 11:00〜12:00:即興性と計画性 1500円(上限5名)
【午後】
- 14:00〜15:00:他者性のディティール 1500円(上限5名)
- 15:00〜16:00:日干しレンガジム 無料
- 16:00〜17:00:日干しレンガ講評会 無料
※コースの内容は予告なく変更が起きる場合はありますこと、ご理解・ご了承ください。
| 日時 | 2025年9月15日(月) 10:00 – 17:30 |
|---|---|
| 費用 | 1,500円(税込)/ 1レクチャー (日干しレンガジムは無料) |
| 定員 | 5名 |
講師プロフィール
和田寛司(LUNCH! ARCHITECTS)
1986年京都府生まれ/2008年京都建築大学校卒業/2010〜13年アルファヴィル/2013年建築設計事務所ランチ!アーキテクツ設立/建築家として設計活動を行う傍ら、怪談蒐集家としても活動/『MAKE DO WITH NOW』(2022年、cmv and S AM)『Architecture Pass Kyoto 建築が生まれるところ』(2023年、盆地Edition)『BRUTUS』(寄稿、2023年、マガジンハウス)『実話怪談 なにか、いる』(共著、2023年、大洋図書)
https://www.luncharchitects.com/
5. 🏗️不動産リノベーション企画コース
不動産リノベーション企画のコースでは、京都一ファンキーな不動産屋のKAWABATA channelがイチから始める不動産リノベーション企画の基本的な考え方を伝授します。亀岡市東つつじケ丘に実際にある古いアパートをモデルに考えます。
講座内容
✋️Day1_9/14(日)
【午前:レクチャー】
- 自己紹介
- ファンキーな不動産屋目線での事前リサーチ方法(座学)
【午後:ワーク】
- 宝物件探しリサーチ(ワーク)
- 宝物件探しまち歩き、亀岡市東つつじケ丘アパート内覧(ワーク)
- 宝物件プレゼン(ワーク)
✋️Day2_9/15(月祝)
【午前:ワーク】
- 不動産リノベーション企画の基本(座学)
- 不動産リノベーション企画をしてみる(ワーク)
【午後:ワーク】
- 不動産リノベーション企画をしてみる(ワーク)
- 不動産リノベーション企画のプレゼン(ワーク)
- 互いの不動産リノベーション企画を愛でる振り返り(ワーク)
※コースの内容は予告なく変更が起きる場合はありますこと、ご理解・ご了承ください。
| 講師 | 川端寛之(KAWABATA channel) |
|---|---|
| 日時 | 2025年9月14日(日)、15日(月) 10:00〜17:30 |
| 費用 | 11,000円(税込) |
| 定員 | 6名 |
| 持ち物 | ノートPC、カメラ(携帯可) |
講師プロフィール
川端寛之(KAWABATA channel)
1977年京都生まれ京都育ちの二児の父。従来の不動産のイメージにとらわれない物件情報を発信するサイト『KAWABATA channel』の運営、賃貸や売買物件の仲介、不動産活用やリノベーションの企画を行う京都一ファンキーな不動産屋。
「野良の学校」概要
| 日時 | 2025年9月13日、14日、15日 |
|---|---|
| 会場 | A HAMLET 〒621-0013 京都府亀岡市大井町並河1丁目14-17 |
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WRITER

- 編集長
-
26歳で自我が芽生え、とうとう10歳に。「関西にこんなメディアがあればいいのに」でANTENNAをスタート。2021年からはPORTLA/OUT OF SIGHT!!!の編集長を務める。最近ようやく自分が持てる荷物の量を自覚した。自身のバンドAmia CalvaではGt/Voを担当。
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