EVENT

KYOTO EXPERIMENT2021

「KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭」ロゴ。 ©小池アイ子

京都の芸術の秋を彩る『KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭』が、10月1日(金)から約1ヶ月かけて開催される。国内外の「EXPERIMENT(エクスペリメント)=実験」的な舞台芸術を創造・発信し、芸術表現と社会を新しい形の対話でつなぐことを目指す本フェスティバル。毎年秋に開催されてきたが、2020年はコロナ感染拡大の影響で延期となり2021年春に開催された。

 

12回目を迎える今秋は、日本人には馴染み深い「もしもし?!」がキーワード。問いかける際に使われるこの言葉から、過去と未来の声、声と身体との関係性、集合的な声と身体の関係性など、さまざまな「声」や「音」に着目した作品がラインナップされている。

今年のプログラムを紹介するYoutube再生リスト

ルリー・シャバラ『ラウン・ジャガッ:極彩色に連なる声』
Photo by Wandirana
フィリップ・ケーヌ
もぐらたち & 上映会「Crash Park: The Life of an Island」
The Moles © Martin Argyroglo / Vivarium Studio

フェスティバルは3つのプログラムで構成される。アーティストが中心となり、地域住民やプロデューサー、研究者と一緒に、京都や関西の文化を継続的にリサーチする「Kansai Studies」。国内外から先鋭的なアーティストを迎え、いま注目すべき舞台芸術作品を上演する「Shows」。そして実験的表現が映し出す社会課題や問題をともに考え、議論し、現代社会に必要な智恵や知識を深める「Super Knowledge for the Future [SKF]」。この3つがゆるやかに交差することにより、参加者が鑑賞するだけに留まらず、考察し、時に行動に変化を起こすことにつながっていくのだ。

ホー・ツーニェン『ヴォイス・オブ・ヴォイド—虚無の声』
VR 映像の一部 / Courtesy of Yamaguchi Center for Arts and Media [YCAM]

期間中は国内外のアーティストによる実験的な展示やパフォーマンス、トークイベント、ワークショップなどが多数開催される。〈山口情報芸術センター[YCAM]〉で展示され注目を集めたホー・ツーニェンの作品『ヴォイス・オブ・ヴォイドー虚無の声』では3DアニメーションとVRテクノロジーにより京都学派のテキストにアプローチする。独自の音空間を構築してきた荒木優光は、参加者と比叡山の頂上までドライブして、カスタムオーディオカーでコンサートをする。中国ミレニアル世代の旗手・チェン・ティエンジュオは、クラブやレイブカルチャーと儀式や宗教の間を探求する新作を発表。多くの振付賞を受賞してきた振付家でありダンサー関かおりが率いる、関かおりPUNCTUMUNによる最新作『むくめく む』では、ゆっくりとうごめくようなダンスと、ひそやかな音の世界を見せてくれる。

ローム・スクエアに展示される巨大な木製ローラーコースター
オスカー・ピータース「The Moving Mountain」
The Savage, 2020
ビートピクニック (みんなで作るフィールドレコーディングワークショップ)

ここで紹介した以外にも演劇、ダンス、音楽、美術、デザイン、建築などジャンルを横断したプログラムが多数用意されている。すでに完売になっているプログラムもあるので、興味がある人は早めに公式サイトのチェックを。京都市内に世界中の実験的な表現が集結する1ヶ月。作品を通じて聞こえてくる「声」から、急激に変化していく今を見つめていきたい。

プログラム

(1)リサーチプログラム:Kansai Studies

京都発の国際フェスティバルとして、自分たちが立脚する「地域」について自覚的に捉え、フィールドワークを通して探求するプログラム。アーティストが中心となり、地域住民やプロデューサー、研究者と一緒に、京都や関西の文化を継続的にリサーチしていきます。活動を通じて生まれた思考の軌跡やプロセスは特設ウェブサイトに蓄積され、誰もがアクセスできるオンライン図書館として公開。未来のクリエイターや企画のためのナレッジベースや実験場、アイデアソースとなることを目指します。
https://kansai-studies.com/

 

■参加アーティスト
dot architects(日本)
和田ながら(日本)

 

 

(2)上演プログラム:Shows

国内外から先鋭的なアーティストを迎え、いま注目すべき舞台芸術作品を上演するプログラム。京都および関西における舞台芸術の変遷と動向に注目しながら、ダンス、演劇、音楽、美術といったジャンルを越境した実験的作品を紹介します。

■参加アーティスト 
1. ホー・ツーニェン [ シンガポール / 展示 ]

2. チェン・ティエンジュオ [ 中国 / 展示・パフォーマンス ]

3. 荒木優光 [ 日本 / 音楽 ]

4. ベギュム・エルジヤス [ トルコ,ベルギー,ドイツ / パフォーマンス ]  

5. ルリー・シャバラ [ インドネシア / 音楽・パフォーマンス ]

6. 和田ながら×やんツー [ 日本 / 演劇・美術 ]

7. フィリップ・ケーヌ [ フランス / 演劇 ]

8. 松本奈々子、西本健吾 / チーム・チープロ [ 日本 / ダンス ]  

9. 鉄割アルバトロスケット [ 日本 / 演劇 ]

10. 関かおりPUNCTUMUN [ 日本 / ダンス ]  

11. Moshimoshi City (岡田利規、神里雄大、中間アヤカ、ヒスロム、増田美佳、村川拓也) [ 日本 / パフォーマンス ]  

 

 

(3)エクスチェンジプログラム:Super Knowledge for the Future [SKF] 

アーティストは未来を予見する!? とりわけ実験的な舞台芸術作品と社会を対話やワークショップを通してつなぎ、新たな思考や対話、フレッシュな問題提起など、未来への視点を獲得していくプログラム。実験的表現が映し出す社会課題や問題をともに考え、議論し、現代社会に必要な智恵や知識を深めていきます。ここで獲得できるスーパー知識 (ナレッジ)は、予測不能な未来にしなやかに立ち向かうための拠り所となるはずです!

 

■プログラム
1. 日本仏教における“アヴァンギャルド”:平安初期の比叡山と天台仏教の文化
2. ヴォイス・オブ・ヴォイド展 トークシリーズ(1)アーティスト・トーク
3. ヴォイス・オブ・ヴォイド展 トークシリーズ(2)身体論的にひもとく西田哲学について
4. 出町座 × KYOTO EXPERIMENT上映企画
5. ビートピクニック(みんなで作るフィールドレコーディングワークショップ)
6. 森とアート~ 京都芸術芸能の守護者京都三山
7. 性教育のいま
8. コミュニティラジオ@ミーティングポイント
9. 批評プロジェクト 2021 AUTUMN

 

 

(4)その他:ミーティングポイント

フェスティバル開催期間、ローム・スクエアに出現する「ミーティングポイント」は、観客とフェスティバルとをつなぐ交流の場。オランダを拠点に活躍する美術家、オスカー・ピータースが手がける巨大な木製ローラーコースター「The Moving Mountain」が“会場そのもの”となり、トークイベントやワークショップを開催したり、常駐スタッフによるおすすめプログラム紹介を行います。巨大コースターに乗って会場をめぐるのは、人間ではなく、【ライダー】と呼ばれるオブジェたち。この【ライダー】は、伝統工芸・現代美術の各部門でプランを公募するほか、市民向けワークショップで制作も行います。ここに集う作品たちが紡いでいく、もうひとつの“物語”にもご期待を。これまでにないエンタメ感、スケール感が加わったミーティングポイントを、ぜひご体験ください。
※公募コンペティションやワークショップの詳細はこちら

 

■参加アーティスト
オスカー・ピータース [ オランダ / 展示 ]

INFORMATION

日時

2021年10月1日(金)〜2021年10月24日(日)

会場

ロームシアター京都京都芸術センター京都芸術劇場春秋座京都市立芸術大学ギャラリー@KCUATHEATRE E9 KYOTO比叡山ドライブウェイ ほか

チケット販売

https://kyoto-ex.jp/tickets

主催

京都国際舞台芸術祭実行委員会

公式サイト

https://kyoto-ex.jp/

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