映画『逆光』主演俳優・監督の須藤蓮が京都で住み込み宣伝、〈出町座〉で3月25日から上映開始
渡辺あや脚本、須藤蓮が初監督・主演を務める映画『逆光』が3月25日から〈出町座〉で公開される。昨年映画の舞台・尾道から徐々に上映を開始してから全国を周り、京都では2度目の上映となる。
公開に先立ち、須藤蓮自ら一ヶ月間京都に住み込んで「会いにいく配給宣伝活動」を始めた。テレビやSNSを中心に展開する従来型の映画宣伝方法ではなく、人に会って直接話すことで非効率ながらも丁寧に伝える方法を検証する、実験的宣伝プロジェクトだという。
昨年の公開時「地方から東京へ」という、従来とは全く逆の配給展開を実現させるための宣伝費用創出のため、クラウドファンディングを実施した。その際のコメントによると、以前俳優として出演したNHKドラマ『ワンダーウォール』(2017年)での宣伝活動の経験がきっかけで今回の挑戦に至ったそうだ。京都を舞台に撮影された『ワンダーウォール』は、学生寮での上映会、有志で集まった100人との合奏、観客との文通など多様な宣伝活動を実施。そういった活動を通して知り合った人たちが、今回の宣伝活動にも力を貸してくれているのだろう。『逆光』の舞台・尾道から先行上映を開始したことも相まって、須藤の活動は大林宣彦監督『転校生』(1982年)が尾道を舞台に地元の人の協力のもと撮影され、口コミで広まったことを想起する。
須藤が3月28日まで滞在する〈マガザンキョウト〉では、犬好きのための展覧会『BOW WOW!』も開催中。(3月27日まで)展覧会に訪れる人が須藤とばったり会い、『逆光』を知るなんてことが、今も起こっているのかもしれない。〈出町座〉での上映は3月25日から、スケジュールの詳細は公式サイトで確認を。
須藤蓮コメント
初めまして。須藤蓮です。
実は僕が映画を撮るきっかけになったのは、京都が舞台の『ワンダーウォール』という作品に出演し、京都という地に出会ったことでした。当時の僕は「競争に勝ち、社会的に認められなければ生きる意味はない。」と思い込んでいて、そんな自分を変えたいと感じながらも、どうしていいかわからずに苦しんでいました。
そんな自分に「利益や効率の最大化とかより、もっと大切にすべきことがある」ということを教えてくれたのが京都という街であり、そこに住んでいる人たちでした。その出会いによって少しずつ「やるべきこと」より「やりたいこと」を大切にできるようになり、抱えていた苦しさから解放されることができました。
そして本来の自分に立ち返ったことで「映画を作りたい」という夢が生まれ、初めて作った作品が『逆光』です。初監督作品を届けるなら、その配給活動もやはり京都という地が教えてくれたやり方でやりたいと思いました。 映画というものを通じて、街の方々との交流や対話を楽しみながら、丁寧で心温まる配給宣伝活動をできたらと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。
映画『逆光』
犬童一心監督『ジョゼと虎と魚たち』(2003年)、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』(2011年)の渡辺あや脚本。純愛映画の名手が見出した25歳の新鋭、須藤蓮初監督・主演作。若き才能が放つ青年たちのラブストーリー。
Webサイト:https://gyakkofilm.com/
Twitter:https://twitter.com/gyakkofilm
須藤蓮
1996年7月22日生まれ、東京都出身。 京都発地域ドラマ『ワンダーウォール』、深田晃司監督作『よこがお』(2019年)、NHK 大河ドラマ『いだてん』(2019年)に出演。 映画『逆光』にて初めて監督を務める。
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WRITER
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97年生まれ、みずがめ座。中央線・西荻窪→小田急線・成城学園前。ANTENNAのほかMusicmanなどで執筆。窓のないところによくいます。
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