2014年に活動休止したシンガーソングライタ・黒沼英之が、新曲“HOPE”を配信リリース
1989年1月18日生まれのシンガーソングライター、黒沼英之が2014年以来の新曲“HOPE”を突如発表。2023年11月22日(水)に配信リリースした。
Apple Musicはこちら
2012年10月にピアノを基調とした、行方知らずの感情の鎮魂歌といえる歌を8曲収録したアルバム『イン・ハー・ クローゼット』をリリース。自身の内面、特に悲しい感情と切ない愛情を伸びやかで優しい声に乗せる楽曲が、多くの人の遣る瀬ない気持ちに寄り添った。
そして2013年にはサウンド面をより押し広げた7曲入りのアルバム『instant fantasy』を発表。そして初めて自身の体験以外のことを歌った楽曲も収録されたアルバム『YELLOW OCHER』を2014年にリリースして間も無く、音楽活動休止を発表した。その理由を詳しく語ることもなかったが、アルバムに収録された“心のかたち”“UFO”を始めとした楽曲に込められたメッセージを、ただ受け取った。
生で歌声を聴くことができないのはもちろん寂しくはあったが、しかし黒沼本人が当時ライブで「何年か経った時に、ふとこのアルバムをみんなが聴いてくれたりしたらいいな」と話していたように、大切に聴き続けていたリスナーは少なくない。今回新曲のリリースを突如SNSで発表した時の反応から、改めてそのことが伺えた。
おひさしぶりです、黒沼英之です! pic.twitter.com/AOVFh2xGZA
— 黒沼英之 (@hi_kuronuma) November 15, 2023
新曲“HOPE”は「ほこりまみれのピアノに/ しまったままの言葉を乗せて歌う あなたにただ笑顔でいてほしい」という言葉と黒沼のピアノで始まる、久しぶりの挨拶のような歌だ。『イン・ハー・ クローゼット』の時からずっと、目の前にいない誰かの存在を感じさせる歌を歌っていた。本作もそれは変わらない。黒沼が帰ってきたと感じながらも「会いたい人に会いに行く / 伝えたい人に伝えに行く」という歌詞から滲み出る前向きな明るさに、思わず笑顔になる。再会があるのは、別れがあるからだ。別れがあるから、目の前の人に優しくなれる。それはとても単純だけど、人生を温かい気持ちで歩むのにとても大切なことだ。黒沼本人にとっては、これまで出会ってきた人への感謝を込めて、再び歩みを進めるための第一歩なのだろうか。
本作はアレンジに松室政哉、ミキシングに土岐彩香、マスタリングに山崎翼を迎えた。そしてジャケット写真は川島小鳥が手掛け、Music Videoも監督している。伊藤絃の演技と最後には黒沼本人も登場し、久々に歌っている姿を見ることができて嬉しい。SNSでの「次はどうしようかな…」の投稿に期待して、“HOPE”を聴いて過ごしたい。
黒沼英之
1989年1月18日生まれ。15歳の頃から作曲を始め、大学進学後より本格的に音楽活動を開始。都内を中心にライブ活動を行い、情感豊かなサウンドでリスナーを増やす。
2012年10月に『イン・ハー・ クローゼット』をリリースし、2012年11月に東京の〈WWW〉にて初ワンマンライブを開催。《SPEEDSTAR RECORDS》に移籍し、2013年6月に『instant fantasy』、2013年11月に「パラダイス」、2014年2月に『YELLOW ORCHER』等の作品をリリースした後、音楽活動を休止。
2023年11月活動再開を発表、約10年ぶりとなるシングル“HOPE”をリリース。
Webサイト:https://kuronumahideyuki.jp/
X(旧Twitter):https://twitter.com/hi_kuronuma
You May Also Like
WRITER
-
97年生まれ、みずがめ座。中央線・西荻窪→小田急線・成城学園前。ANTENNAのほかMusicmanなどで執筆。窓のないところによくいます。
OTHER POSTS