お歳暮企画 | ANTENNAとつくる、2023年なんでもベスト1 Part.2
今年もANTENNAをご覧いただきありがとうございました。年の瀬恒例記事『お歳暮企画』で2023年を締めくくりたいと思います。
4回目となる今回は初めてテーマを変えました。題して“あなたの2023年を最も彩った「●●」ベスト1”。本年、ANTENNAの記事に協力していただいた方を中心にコメントを募り、総勢46名が参加!また登場した記事のリンクボタンも設置していますので、2023年のANTENNAハイライトとしてご覧いただければ幸いです。
こちらのPart.2は50音順「た~わ行」の方々を紹介する後編です。あなたの2023年はどんな年でしたか? 来年もANTENNAをどうぞよろしくお願いします。
堤大樹(ANTENNA)が選ぶ、2023年「ガ肉」ベスト1
【翁記鴨肉】
自分が今年を振り返るのであれば、台湾での暮らしを語らざるを得まい。「おいしいものが多い」と巷で噂の台湾の食だが、すべてが日本人の口にあうわけではない。そうした中で、いくつかの飲食店、新しいメニューを開拓していたのだが、最もビビビと来たものの一つガチョウ肉(以下、ガ肉)の店である。
ガ肉に手を出すようになったきっかけは、引っ越した先にあったその名も〈No.1 Goose〉という店だが、これがたまらなくうまい。目の前で茹でられ、そして大きな中華包丁で骨ごと叩き切って差し出されるそれは鶏肉より少し硬いが、ジューシーで酒のアテに最高なのである。しょうががまた食欲をそそることは言うまでもない。
こうしてガ肉の魅力に取りつかれて以降、レストランの開拓に余念がなかったわけだが、中でも台中の翁記鴨肉ではきれいに骨抜きされた上品でしっとりしたガ肉が食べられる。加えて、ガ肉の店はその出汁を使ったヌードルが大体において逸品なのだが、この店もまた例外ではない。
小籠包もいい、牛肉麵もおいしい、火鍋はマストだが、ぜひ台湾を訪れる際はガ肉の店も探してみてほしい。
OUT OF SIGHT!!!編集長 / ANTENNA・PORTLA編集部 代表
「関西にこんなメディアがあればいいのに」という想いで2013年にインディペンデント・カルチャー・マガジンANTENNAをスタート。2020年に企画・制作・編集プロダクションEat, Play, Sleep inc.を設立。2021年にはANTENNAの編集長を後進に託し、「旅と文化」をテーマとしたメディアPORTLAを立ち上げ編集長に就任した。同2021年に『OUT OF SIGHT!!! Vol1 京都と音楽と、この10年』を創刊。
戸村文彦(塚口サンサン劇場)が選ぶ、2023年「本当に終わらなかった映画」ベスト1
『RRR』
2022年10月21日に公開をした時、正直なところ「上映期間は5週間くらいかぁ」と思っていたところ、あれよあれよという間に、2023年10月21日に連日上映1年を達成。これほどのロングランは記憶になく、しかも、今でも新しいファンがどんどん増えていく様子は、前代未聞としか言いようがない驚き。1年以上経った現在も上映継続中で、上映終映日も未定。インド映画が、一時のブームではなく、ひとつのジャンルとして定着したことを実感できた作品。
劇場に関わること全般及び、YouTube、Xのスペース、イベント上映の前説まで何でもする。
X(旧Twitter):@sunsuntheater
YouTube:https://www.youtube.com/@user-uq1vz1ph7q
ナカニシイモウ(とがる)が選ぶ、2023年「最も影響を受けた人物」ベスト1
【lil peep】
Spotifyの年間まとめでベスト1だったため、今年最も影響を受けた人物にこの方を挙げたいと思います。
lil peepです。
今年は全体を通して、生きて創造するという前向きなエネルギーと、創造すればするほど自らが削れていくような後向きなエネルギーに板挟みになり、かなり生き物として矛盾した状況にあったかと思います。
そんな心境にlil peepの唄がちょうどでハマったように感じています。
lil peepの唄には常に、希死念慮や諦念が漂いながら、それでもあなたのために生きたいという力が込められている。だが、あくまでそれは脱力した希望であって、その距離感が心地良かったのだと思います。
どこまでいっても、自分は自分のために生きていて、あなたはあなたの利益を追求する。
そんなことは当たり前なのだと自認しながら、いつか死んでしまうのだから、今この瞬間を誰かに捧げたりなどしてみたい。
そんな生き方をしたlil peepに、自分の抱える矛盾を重ね合わせていたように感じています。
今作では作詞において多分に影響を受けました。
グランジィJ-POPプロジェクトとがる。J-POPを基調としながら、オルタナティブな要素を取り入れ、人々の悲しみや憂い、心の機微を繊細に表現。他者との心を繋ぎ、ジャンルの点と点を紡ぐ。
2023年3月にらせん。とのスプリットEP『とがるとらせん。』を、12月に3rdアルバム『この愛が終わったら、さようなら。』をリリース。
12ヶ月連続自主企画『GUITAR』を完遂し、2024年1月26日には追加のvol.13も開催予定!
X(旧Twitter):@togaru_
Instagram:@togaru_
TikTok:@emodoomer_
野口純一が選ぶ、2023年「幸せだった時間」ベスト1
【10年目となる街なか音楽祭『結いのおと』を開催できたことと一棟貸しの宿HOTEL(TEN)をオープンさせたこと】
今年の4月に開催した『結いのおと』ヘッドライナーは、念願だったTHA BLUE HERBの出演が実現。今年で10年目という節目の年でのTBHのライブ、ライブパフォーマンスはもちろん、昨年火災で全焼してしまった結城酒造の跡地というロケーションで実現できた事自体も本当に幸せな時間でした。そしてライブ終了後にボスさんと食事する機会があり、これまでの結城での取り組みについての話をきいてもらえた時間。そして帰りの車中でボスさんに「いいね!お前面白いじゃん」と最高の褒め言葉をいただけたこと。間違いなく2023年の幸せだった時間ベスト1です。
そして、今年の10月に結城市内に一棟貸しの宿〈HOTEL(TEN)〉をオープンしました。
街なか音楽祭『結いのおと』をはじめ、地域に向き合った様々な事業を10年以上も展開していると、地域に不足しているもの(地域課題)に気付いてしまい、結城にないもの、結城らしい宿をつくりました。
尊敬するTHA BLUE HERBのボスさんの“ないならつくる・いないならなれ”の精神で、法人設立、物件購入など宿泊事業のど素人が宿泊事業に着手して10月オープン。
場所は、茨城県結城市の見世蔵(その数日本で第3位!)が並ぶ通りから 路地に入って少し歩いたところ。懐かしい街の日常が感じられる場所で 築90年以上の町屋をリノベーションしました。正しく結城を丸ごと楽しめる結城の宿〈HOTEL(TEN)〉にぜひ泊りにいらしてください!!
街との縁がはじまる HOTEL(TEN)
特設サイト:https//hotelten.jp
結城商工会議所・結いプロジェクト・フェス協会。アパレル企業から転職し、結城商工会議所へ入所。
2010年人と街を結ぶクリエイティブチーム「結いプロジェクト」を結成し、結城を舞台にした様々な活動を通して、代謝に繋がるチャレンジしやすい土壌(街)づくりを行う。2021年一般社団法人MUSUBITOを飯野氏と共同代表にて設立。
Webサイト:http://yuiproject.jimdo.com/
橋本ゆいかが選ぶ、2023年「山」ベスト1
【大山】
今年は登山を始めました。
始まりは4月、岡山に住む妹が中国地方最高峰である鳥取の大山に登った話を聞き「私も連れてって!」とお願いしたのでした。迎えた登山当日、山頂への道中はガス+暴風で眺望なし…。予定より30分ほど巻いて登頂したものの、頂上の気温はなんと3度!薄いアウターで凍えながら食べた、少なめのお湯が入った濃いカップラーメンの美味しいこと…!山小屋の2階でぼーっとしていると雲が流れて晴れ間が!眼下に広がる景色があまりにも綺麗で、この瞬間山に目覚めたのだと思います。
最近読んだモンベル創業者の辰野さんと冒険家の角幡唯介さんの対談記事で、ある日突然山に登りたくなるわけではなく、ある一つの山を登った経験があるから次に登りたい山を思いつくのであって人生はその連続だと話されていました。大山に登り、そこからこの一年いくつも山を登ったことで、来年登りたい山や目標にしたい山ができました。さらには山にまつわる制作や嬉しいご依頼に繋がったりもしたのでした。
最初の一歩があったから今の自分の思いつきがあり、一見関係の無いことでも地続きだったりするのだと改めて感じた一年でした。
京都精華大学デザイン学部卒業。グラフィックデザイナー・イラストレーターとして活動中。料理と食べ物の絵が好きで食べたり作ったり描いたりしています。オリジナルアウトドアグッズ SUN SUN MountainClubも始めました。
X(旧Twitter):@repicoco
Instagram:@yuika_hashimoto
原 茂樹(日田リベルテ代表)が選ぶ、2023年【この瞬間が永遠だと思う】ベスト1
【マイク・ミルズ監督『カモン カモン』上映 & トークイベント(with 岡本仁)】
大好きな温泉について書こうと思ったけど、秘湯だし、
全国公開は2022年だったが、この小さな町(大分県日田市)
今でもその編集を指針にしている雑誌relaxの元編集長の岡本
『カモン カモン』
それが、これまでにないトークイベントになったのだ。
映画のシーンを振り返りながらお互いに意見を重ねてゆくのだが、
この日は忘れられないものになった。
“人は誰もが未来への責任を持っている。
この作品との出会い、そしてトークのこの瞬間は、
大分県日田市出身。2009年〜映画館「日田シネマテーク・
Webサイト:https://liberte.main.jp/
深川謙蔵が選ぶ、2023年「旅先にあると嬉しいレコードバー」ベスト1
【Music Bar OOMURAYA(旅館 大村屋)】
別府という、温泉観光都市でレコードバーを経営する中で意識するのは、「旅先にあると嬉しいお店づくり」。音楽好きなら、きっと旅先のミュージックスポットを調べることも多いはず。そんな、世界中から集う音楽好きとの出会いは、観光地でお店をする一つの醍醐味だ。
〈Music Bar OOMURAYA〉は、佐賀県嬉野にある、〈旅館 大村屋〉の中にある。ミュージックバーと聞いて、気になるのはサウンドシステム。専属のオーディオコーディネーターが厳選したオーディオは、ヴィンテージから最新の機器を取り入れて構成され、ハリのある透き通ったサウンドが、バーカウンターまで一直線に飛んでくる。大村屋社長の北川さんは、The Beatles好きとして知られ、『レッツ!ビートルズ on Radio』というラジオ番組もやっている。事前に宿泊する旨を伝えたら、仕事終わりの北川さんが迎えてくれて、嬉野や別府について、そして音楽について話をした。歴史ある旅館の趣き、美容液を思わせるトロトロの温泉、素晴らしいサウンド、そして、会いたい人。〈Music Bar OOMURAYA〉は、間違いなく「旅先にあると嬉しいお店」だった。
1990年佐賀県生まれ。立命館アジア太平洋大学卒。2019年3月から別府に移住し、レコードバー〈the HELL〉と、リスニングバー〈TANNEL〉を経営。音楽LIVEの企画制作をするAKANEKOと、おんせん都市型音楽祭『いい湯だな!』の主宰も務める。
Instagram:@kenzo_the_hell/
深川浩子が選ぶ、2023年「(良くも悪くも)最も影響力が大きかったひと」ベスト1
【娘】
この企画をいただいたとき、真っ先に思い浮かんだのが娘。プライベートな内容なので迷ったが、ANTENNAさんの取材も娘と参加させていただいたことから、これが私のリアルだと思い切って書かせていただくことにした。
2フェス開催、デザイナーとしての個人業、そして母親業と、今年はとにかく終わらないタスクに追われる毎日だった。全てが思い通りに進まないことと言ったらもう……就寝時に一度は悪夢で目覚めるレベル。
フェス制作は常にクリエイティブな気持ちが必要だが、それを養う時間も激減した。ライブに行けない、本や映画を観る時間も無い、とにかく自由な時間が捻出できない。続けられるか悩んだが、娘を通して見えることも大きかった。
私たちが主催するフェスのコンセプトは「みんなであそぶフェス」と「週末にちょっと特別な体験ができるフェス」だ。娘はスタッフやアーティストさんにも温かく見守っていただき、たくさんの発見と刺激を吸収して楽しんでいた。この経験は彼女にとって特別な記憶となり残るだろう。お客様からは「子どもが産まれ遠ざかっていたフェス、でもここは家族で楽しめる。ありがとう!」とお声掛けいただいた。駆け寄ってきてくれた子どもたちの目が輝いていた。そうか、こういう場所を作りたかったんだと再認識した。
母親2年生、リズムを掴んだか?いややっぱダメだ……の繰り返しではあるが、どこかで必ず成長できていると信じている。
新たに備わった親目線を通して、これからも誰かの記憶に残る場所をつくっていきたい。
2フェス主催と育児に奔走するひと。フリーランスデザイナー。
1歳のワンオペ自宅保育と4猫生活で、てんやわんやな毎日。
『ONE MUSIC CAMP』Webサイト:https://www.onemusiccamp.com
『ARIFUJI WEEKENDERS』Webサイト:https://arifuji.com
フリージアン(マエダカズシ、たなりょー)が選ぶ、2023年ベスト1
マエダカズシが選ぶ、2023年「習慣にして良かったことランキング」ベスト1
【短歌】
実はフリージアンの曲“サトラ”のサビの歌詞は以前に詠んでいた、
サヨナラのサとラの間にあるものを
夜な夜な探す石ころ蹴りつつ
という短歌を元にしたくらい、そもそも何かにつけて短歌を詠むことはあったのですが、今年になってInstagramのストーリーズに不定期に短歌をアップするようにしてからは、特にハマっています。
自分の感情や脳内の景色を五七五で他人に伝えるのは難しく、だからこそ楽しい。街を歩いている時も、何かいい言葉はないかと、看板に書かれた言葉などの文字数を指で数えながら、キョロキョロしています。長い文章を考えることが苦手な自分にとって、短歌は17文字の日記みたいなんです。
最強のジャパニーズソングを追い求めるバンド「フリージアン」の歌う髪の毛。
たなりょーが選ぶ、2023年「乗り物」ランキングベスト1
【侘助(機材車)】
バンドの機材車である侘助(名前)を選びました。初めて手に入れた自分達の車ということで愛着や思い出が増すスピードが尋常じゃないです。正確に言うと手に入れたタイミングは去年の年末ですが、侘助にはアルバムリリースからの遠征などが重なった今年一年、本当に色んな所へ連れて行ってもらいました(とはいえ僕は車の運転という行為が”努力”の次に嫌いなので実際にハンドルを握るのは他のメンバーなんですが。みんないつもありがとう)。
侘助という名前は漫画『BLEACH』の斬魄刀から拝借しておりますが特に理由はありません。特に理由は無いのにもっともらしい理由をでっち上げた後に「故に、『侘助』」とキメ顔で言うのが楽しいので皆さんも自分のよく使う物に侘助と名付けてみてはいかがでしょうか。
最強のジャパニーズソングを追い求めるバンド「フリージアン」でよくドラムを叩いてます。
マーガレット安井が選ぶ、2023年「ジン」ベスト1
【橘花 KIKKA GIN 一閃】
奈良県にある大和蒸留所で限定380本しか製造されないプレミアムなジンだが、飲んだ時の衝撃が忘れられない。とにかく今まで飲んだジンの中でも1つ上のクラスというべき品物だ。
もともとこの蒸留所では『KIKKA GIN』というお酒を販売している(それもとっても旨いのだが)が、そのジンと同じボタニカルを5倍程度濃縮して完成されたのが『KIKKA GIN 一閃』。口に含むと、鼻腔に感じられる柑橘系の芳醇な香りとジンのなめらがながらも、ちゃんとアルコールを感じる味わいは、「ジンって、こういう飲み物なの!?」という驚きと感動に満ち溢れる。
まあまあ値段は高めだけど、それでも飲む価値のある1杯である。
増田ダイスケが選ぶ、2023年「人生で大切だと思ったもの🫶」ベスト1
【友達】
今感じたい大切な価値観ベスト1は「友達」。それは穏やかな暮らしへの第一歩。
1. 深夜ラジオ友達とびっくりドンキーに行く
面白いテレビやラジオを共有してくれる友達が「今最も面白い」と『上坂あゆ美のオールナイトニッポン0(ZERO)』を教えてくれた。恋愛観から人間関係、びっくりドンキーのおすすめメニューまで、目に入るもの全てが句として詠まれているかのような描写で語り尽くす2時間。僕たちは感想戦でびっくりドンキーを「わざわざ予約をして」集合した。ラジオよりも話はダウ90000、ネバヤンのライブ、彼女の近況報告になったけれどLINEで済ませるよりも会えたことが最高。ラジオ友達まじ大事。
2.長年の友人とUKロックのコンサートでアンセムを浴びるのは照れる
Coldplayのライブに行った。“Yellow”の演奏中彼はいきなり肩を組んできた。唐突すぎて心の準備ができていなかった僕は、一歩ずれてその伸びてきた腕が自分の肩にかからないよう距離をキープ。素直に照れた。その後のノエルやSuedeはお互いの立ち位置で見た。ライブはすげぇよかった。でも1人では行きたくないのが彼らの公演だ。UKバンドのライブに一緒に行ってくれる友達まじ大事。
メディア、広告業界でクリエイティブディレクターをする。現在は新規事業開発コンサルタントもしながらDJもする。2023年には大分県別府市で開催の『おんせん都市型音楽祭 いい湯だな!』のディレクターを担当。アーティストマネジメント、書籍の出版、エッセイやコラムの執筆、ジャズ喫茶の副店長の顔も持つ。実は誘われ待ち。ラジオに出たい。
年間映画館で100本くらい映画を見るのは飲みにも行かずに夜1人だから。
X(旧Twitter):@satetsumag
Instagram:@d09212
Spotifyプレイリスト:https://open.spotify.com/user/21qhj7z7iro3wkehemy2v7sea?si=3cf4a03e20194fb8
『いい湯だな!』Webサイト:https://www.iiyudana-beppu.com
musicmanのインタビュー:https://www.musicman.co.jp/interview/586515
峯大貴(ANTENNA)が選ぶ、2023年「久しぶりのお祭り」ベスト1
【春一番 2023】
2023年はやはりコロナ禍が明けたことによる、祭りの再開が印象的です。ここ数年開催の仕方をずっと模索していた音楽フェスティバルはもちろん、『世田谷ボロ市』、『大和町八幡神社 大盆踊り会』、『新宿三井ビルディング 会社対抗 のど自慢大会』、『東京高円寺阿波おどり』、『すみだ錦糸町河内音頭大盆踊り』などなど、会場全体が「待ってました!」と言わんばかり。どこもかつてないほどの熱気が沸いていて、人がごった返している状況そのものに感動しっぱなしの一年でした。
とりわけ自分がスタッフとして関わっている、ゴールデンウィークの野外コンサート『春一番 2023』が4年ぶりの開催されたことは感慨ひとしおでした(下のボタンからライブレポート前後編もぜひご覧ください!)。手弁当での運営、主催の福岡風太も高齢とあって、そのまま無くなってしまうかもしれない危惧もありましたが、無事に3日間開催されて大盛況。また4年ぶりともなると、あらゆるところで「ここどうやってたんやっけ?」と忘れてたり、経験者も少なくなったり、現場の感覚やスキームを再構築するのに必死でした。
実際に運営体制を十分に敷くことができず、今年も開催を断念したお祭りやイベントもたくさんあるはず。これまで以上に踏ん張って、試行錯誤して、なんとか人を集めて。無事に宴を開催することができた全ての人に慰労の気持ちを送りたいです。さて、『春一番』は2024年もあるのかしら。
1991年生まれ。大阪市出身、東京高円寺→世田谷線在住。音楽ライターとしてミュージック・マガジンやMikiki、BRUTUSなどに寄稿しながら、ANTENNA 副編集長を務める。
X(旧Twitter):@mine_cism
Instagram:@mine_cism
みらんが選ぶ、2023年「お世話になったファミレス」ベスト1
【バーミヤン下北沢南店】
ANTENNAのお歳暮企画の連絡をいただくと、いよいよ年末か~と思うようになりました。毎年ありがとうございます。今年はお題が変わって、さてどうしようかなーと考えながら写真を見返していると、ファミレスで撮った料理の写真多いな、と気づく。その中でも、バーミヤン下北沢南店が圧倒的ベスト1でした。
関西に住んでた頃は行くことなかったのに、今年上京してからというもの、私とマネージャー、サポートバンドメンバーがいつも居る場所のちょうど間にあって、安くて何時間でもいられる場所、がここでした。店内入って、右側のソファ席も好きだし、左側の端っこ窓際の席も好きだし。ミーティング、ライブの打ち上げ、ひとり飲みに最適です。来年も猫ロボットにたくさんのお酒と料理を運んでもらいたい。行ったことない方は是非です。みらんがいるかも。
1999年生まれのシンガーソングライター。包容力のある歌声と可憐さと鋭さが共存したソングライティングが魅力。2022年に曽我部恵一プロデュースのもと監督:城定秀夫×脚本:今泉力哉、映画『愛なのに』の主題歌を制作し、2ndアルバム『Ducky』をリリース。その後、久米雄介(Special Favorite Music)をプロデューサーに迎え入れ配信シングル4作をリリース、カルチャーメディアNiEWにて作家・小原晩と交換日記「窓辺に頬杖つきながら」を連載するなど更なる注目を集める中、約1年9か月ぶりの新作アルバム『WATASHIBOSHI』を12月13日にリリース。
X(旧Twitter):@m11ram_5
Instagram:@mirams11
Webサイト:https://miram-official.studio.site/
屋敷が選ぶ、2023年「くつろいだ喫茶店」ベスト1
【JUHA(西荻窪)】
知り合いが働いていると聞いてふと寄ってみましたが、極上の空間でした。戦前のジャズやブルースが大音量で堪能できて、タイムスリップした気分に。お洒落というよりシックな内装で、誰かを連れて来たくなります。今年はJUHAでコーヒーを飲みながら、ひとりでぼーっと考え事をしたり、ライブ企画の相談をしたり、親しい人と語り合ったりしているうちに過ぎていきました。
マスターに「(ジャズは)何が好きなの?」と聞かれ、「マル・ウォルドロン!」と答えたら、「マルはないな…」と呟きながらミシシッピ・ジョン・ハートを掛けてくれたこと、忘れられない思い出です。もちろんブレンドも美味しいですが、夏はアイスカフェオレがお勧めです。
シンガーソングライター。憂いを帯びた歌声と、繊細なタッチのアコースティック・ギターを武器にして、都内のライブハウスを中心に活動中。シンプルだが味わい深いメロディと、日常生活への洞察に満ちた歌詞世界に定評がある。いつでも部屋で歌っているかのような融通無碍なスタイルは、彼がレナード・コーエンや高田渡の系譜を継いだシンガーの一人であることを物語っている。
2021年11月に1stフルアルバム『実家』を発表。
X(旧Twitter):@akayashiki
ラリー藤本(CHAINS)が選ぶ、2023年「胸熱コンサート」ベスト1
【Daryl Hall and the Daryl's House Band with Special Guest Todd Rundgren @ZEPP NAMBA】
2015年「ホール&オーツ」での来日以来のダリル卿と、2019年単独来日ツアー以来の朋友トッド・ラングレンのジョイントワールドツアーですね。若い読者さんには「誰?」て言われそうですが、お二人ともにブルーアイドソウルの巨星であり、僕ら「団塊ジュニア世代」が10代の頃のロックスターです。関西は先日(11/21)の〈ZEPPなんば〉一発だけだったので、なにわともあれ行って参り来ましたけれども、やはり最高でした。
御年78歳と75歳のフルセット1時間ずつのガチンコ対バンと、その後のふたりのデュエットコーナーと、二時間半以上に及ぶ文字通り“Philly Mood”を満喫しました。ジャパンツアー真っ只中で「ご本家」のお家騒動がタイムリーに報道されてビックリしましたが、この調子だとホール&オーツではもう見れないかなー……トッドはまだ全然来そうですが(笑)、そう言う意味でも今回観れてよかったです。
みなさんもナマで見れるうちにアイドル詣は行っておきましょうね。
京都の老舗ロックバンド「CHAINS」のベーシストであり、同じく京都の音楽スタジオ「マザーシップスタジオ」のオーナー。CHAINSは今年結成30周年で、マザーシップで制作された20年振りのフルアルバム『decades on』をリリース。
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地域に根ざした世界中のインディペンデントな「人・もの・こと・場所」をおもしろがり、文化が持つ可能性を模索するためのメディアANTENNAです。
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