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『京都音楽博覧会』を糧に、可視化された京都のサーキュラーエコノミー-資源が“くるり”プロジェクトレポート

10月12日(土)13日(日)、晴れわたる青空が広がる〈梅小路公園〉にて、昨年に引き続き2日間にわたって開催された『京都音楽博覧会(以下、京都音博)』。2007年から「環境・文化・音楽」を掲げてスタートしたくるり主催のフェスだ。18年目の今回は出演アーティストのラインアップはジャンルもさまざまに、音楽文化が混じり合うまさに万国博覧会といった風情が色濃く現れ、2022年から始動した「資源が“くるり”プロジェクト」の取り組みも地域とのつながりが拡張し、環境という部分でもさらなる広がりをみせていた。本稿では、ライブの裏側で行われていた「資源が“くるり”プロジェクト」についてレポートする。

MUSIC 2024.11.22 Written By 乾 和代

思わぬものが‟くるり”と変わる。それがこのプロジェクトの面白さ

何もしなければ捨てられてしまう「生ごみ」を「資源」にし、樹々や花を育てる「完熟たい肥」に“くるり”と変える。それを『京都音博』の会場内のエコステーションに捨てられてしまう「食べ残し」や、飲食ブースから出る卵の殻や野菜の切れ端のような「廃棄される食材」など、いわゆる「食品残さ」で実践しようというアイデアがカタチになり、今や『京都音博』の環境の取り組みの顔として育ってきた「資源が“くるり”プロジェクト」。2022年に立ち上がり、1年目は〈梅小路公園〉内で完熟たい肥をつくるためのコンポストの仕組みをつくり、さらに京都由来の酒かすや小豆の皮などの廃棄食材を使った‟しげくるアイス”をブースで販売。2年目は、コンポストに加え古着をリユースする取り組み「RELEASE ⇔ CATCH 衣服の回収 / ¥0Market」が新たに加わり、さらに『京都音博』由来のごみを分析しレポートを作成。『京都音博』が立ち上げ当初から行ってきた取り組みも踏まえ、環境に配慮したイベントであるということを数字で確認できたという。

このプロジェクトの根幹にある考え方が「サーキュラーエコノミー」である。‟サーキュラー”とは循環、そして‟エコノミー”は経済という意味なのだが、多種多様な生き物が食物連鎖などを経てカタチを変えながら‟循環”していることで成り立つ生態系サイクルのように、「ごみ」を「資源」にすることで新しい‟経済活動”を生み出し持続可能な新しい社会をつくる考え方をいう。これが『京都音博』が行ってきた環境への取り組みとマッチして、このプロジェクトがはじまったのだ。

 

くるりが主催者としていろいろなアーティストを招聘する『京都音博』と同じく、「コンポスト」を起点にいろいろな人が集まることで、1年目の‟しげくるアイス”や2年目の古着回収の取り組みのようなコンポスト以外の環境への取り組みも生まれてきた。地域の人や環境問題に関心がある人などが『京都音博』を軸に音楽とは違うベクトルで集まり、仲間を増やしながら活動をすることで生まれた多様性が、コンポスト以外に波及。さらに地域とのつながりが回を増すごとに深まっているところにこのプロジェクトの面白さがある。

資源を‟くるり”と変えていく7つの京都の企業が集合

今回の大きな変化は、先ほど挙げた‟サーキュラーエコノミー”の輪が広がったこと。京都を拠点にそれぞれの視点で資源を別の価値に変えるサステナブルな取り組みを実践する事業者が集い「資源が“くるり”プロジェクト×KYOTO CIRCULAR」としてブースを構えることになったのだ。今回は次の7つの事業者がそれぞれコーナーを設置することになった。

「資源が“くるり”プロジェクト×KYOTO CIRCULAR」参加事業者

副産物産店 (美術家のアトリエから出る廃木材、ねん土等の持ち帰りコーナー)
CORNER MIX(自転車MIX BIKEで楽しく環境によいミックスジュースを作るコーナー)
ピエクレックス(生分解性繊維でシャツ等を作り、回収し、完熟たい肥作りを実施)
小川珈琲(サステイナブルなコーヒー事業を展開について展示)
RELEASE⇔CATCH (古着の回収コーナー)
⑥ 八方良菓(生八ッ橋の耳や酒かすなどを活用。福祉作業所と製造連携し菓子を販売)
資源が‟くるり”プロジェクト(完熟たい肥お持ち帰りコーナー)

見せ方を変え、新たな価値を生み出す〈副産物産展〉

まず、目を引くのはブースの顔ともいえる看板だ。これを作ったのは、京都で〈副産物産店〉という資源循環型のプロジェクトを行っている矢津吉隆である。アーティストが作品を作る過程で生まれる廃材を“副産物”と呼び、見せ方を変えることで新たな価値を生み出す現代アートの取り組みを実践している。今回この看板のために用いられた資材ももちろん”副産物”だ。ベースは不要になったブルーシート。その上に印刷所で試し刷りに使われた紙を再利用しプリンターで印刷したものを貼り付けているという。よく見ると紙にはたくさんの文字が何重も印刷されているのだが、試し刷りの紙が使われているようには見えず、逆にいい具合のカスレも相まってデザインされたプロダクトにしか見えなかった。このブースをデザインするにあたり、集まった7つの企業が「資源が”くるり”プロジェクト」を起点につながったことを表現するために、この横断幕のような看板ができあがったと矢津が今回のコンセプトについて話してくれた。

そんな矢津が出店しているブースが「BUYBYPRODUCTS(バイバイプロダクツ)」だ。京都芸術大学の学生と一緒に行っている ‟新しい視点と循環を生み出すものづくりのプロジェクト”なのだが、大学で使わなくなった道具や資材などを「みどりの箱」に入れてもらい回収。新たな素材として必要な人に持って帰ってもらう「みどり市」という場を開き、新たなマッチングの機会をつくろうというものである。いらないものを誰が持って帰るのかと思うかもしれないが、蚤の市のように陳列されると不思議なもので掘り出しものがあるのではとつい物色してしまう。

 

「持って帰ってもらう時に、面白く見えたらと思って、網の袋に入れることにしたんです。それによって何か素敵なものに見えてくるのでは……。そんな気持ちでやってます」矢津はみかんを入れるような赤い網の袋に入れて持ち帰ることができるようにしているのも、狙いがあってのことだと教えてくれた。陳列したり、パッケージ化することで、廃棄されるはずのものも誰かにとって価値あるものに“くるり”と変わる。そんな体験ができる場になっていた。

ミックスジュースと洋服とのコラボ〈CORNER MIX〉と〈ピエクレックス〉

今回、ブースの中でもひと際にぎわっていたのがMIX BIKEだろう。京都・二条で「まぜる」ことを通じて社会に良い循環を生み出すミックスジュース店〈CORNER MIX〉と株式会社おいかぜの「こどものためのでざいんぷろじぇくと ワワワ」がコラボして生まれた電力を使わずミックスジュースがつくれるマシンだ。バイクを漕ぐと車輪と連動し、ミキサーの刃がまわり1分ほどでミックスジュースができるのだが、このバイク自体も古いエアロバイクをアップサイクルしてつくられている。このバイクというプロダクトも含め、ミックスジュースをまぜる体験を通して環境について考える時間が生まれていたように思う。

〈CORNER MIX〉が「まぜた」のはミックスジュースだけではない。このブースの中での関係性もかき混ぜていたように思えたのが、微生物で分解できる衣料品をつくる会社〈ピエクレックス〉とコラボした「マンゴーグリーンジュース」だ。ジュースの材料は、マンゴー、パッションフルーツそして甘長とうがらし。この甘長とうがらしは完熟たい肥で育てられたのだが、このたい肥の原料となったのが〈ピエクレックス〉がつくった衣料品から発生したハギレだったのである。筆者もMIX BIKEで作ったミックスジュースを飲んでみたのだが、甘長とうがらしは万願寺唐辛子のように辛みがなく、南国フルーツの甘みと相まって口の中がさわやかに。これも「まぜる」が生んだ、思いがけないコラボレーションだったのではないだろうか。

 

この〈ピエクレックス〉の完熟たい肥の取り組みをサポートしているのも「資源が”くるり “プロジェクト」のコンポストアドバイザーである「鴨志田農園」の鴨志田純。昨年、〈ピエクレックス〉の社員の方がこのプロジェクトに参加したことをきっかけに、たい肥づくりの輪もひろがりこのコラボにもつながったのだ。

珈琲文化のために環境への取り組みを続ける〈小川珈琲〉

これまで『京都音博』にも幾度ども飲食ブースに出店をしてきた〈小川珈琲〉。2019年に出店した際にはオランウータンの保護活動を行うNPO団体PanEco(パンエコ)と、インドネシアの熱帯雨林保護活動や環境に配慮した栽培を行うコーヒー生産者を支援するプロジェクト「オランウータンコーヒー」を提供していたことを覚えている。これ以外にも珈琲文化継続のために独自に環境への取り組みを行ってきた京都の企業だ。今回は飲食ブースだけでなく、「資源が‟くるり”プロジェクト」のブースにこれまでの活動をパネルにして展示。フェアトレードコーヒーが振舞われ、社員の方がブースに訪れた方に熱心に説明をしていた様子が印象的であった。

 

さらに驚いたのは〈小川珈琲〉に食品残さをもらいに行った時のこと。コーヒーを抽出後にいわゆる“コーヒーかす”が出るのだが、最近のコーヒー業界では「コーヒーかす」ではなく「抽出後のコーヒー粉(コーヒーグラウンズ)」と呼ぶと店員の方が教えてくれた。『京都音博』ではたい肥に変わる「抽出後のコーヒー粉」。実は、それ以外にも消臭剤や靴磨き、洗剤代わりに使われたりするという。廃棄物ではなく、資源として活用できる素材であると伝えるために名前を変えようとしているのだ。

地域を越えた循環の輪が広がった〈RELEASE⇔CATCH〉

今年も昨年と同様、たくさんの衣類がブースに集まっていたのは、再利用を目的に古着を回収する〈RELEASE⇔CATCH〉。服を「捨てる」ではなく「手放す」ことで誰かの「使える」になることをコンセプトに、可能な限り地域内でリユースするプラットフォームをつくる活動をしている。

 

この取り組みを行っているのが、『京都音博』と同じく〈梅小路公園〉にて回収した古着を循環させるイベント『循環フェス』にも携わっている、株式会社ヒューマンフォーラムの岩崎仁志である。彼に『循環フェス』と『京都音博』の違いを尋ねると「長野県から車で来た人とか、新幹線で群馬県から来た人が古着を持ってきてくれて……。〈梅小路公園〉の周辺の人が来てくれたらと思ってやっているけど、いろんなところから使わなくなった洋服をわざわざ持ってきてくれるのが面白い」と話してくれた。もちろん周辺地域の方も訪れていたが、『京都音博』で行われているからこそ、地域を越えた循環の輪がさらに広がったのだと思う。

人と人をつなぐことがサステナブルな発見につながる〈八方良菓〉

今回このブースに集まった企業の要ともいえる存在が、京都在住のサーキュラーエコノミー研究家の安居昭博である。資源が‟くるり”プロジェクトの立ち上げ当初から企画やディレクションに関わり、コンポストの取り組みの旗振り役をしている株式会社梅小路まちづくりラボの足立毅に、コンポスト・アドバイザーとして鴨志田を紹介した人物である。このプロジェクトで人と人をつなぐことによって、実は資源を‟くるり”と回す大きな原動力の一つとなっていた彼が今回出店したブースが八方良菓の「京シュトレン」だ。

 

サステナブルな所以は、焼き菓子に使われている材料にある。伏見の酒蔵〈山本本家〉から梅酒をつくる時に出る梅の実と酒粕。〈聖護院八ッ橋総本店〉からは生八ッ橋の切れ端、京豆腐〈服部〉はおから、ダブルダッチというストリートスポーツのグループがつくり出したレモネード店〈AWAKE LEMONEDE〉はレモン、そしてクラフトコーラスパイス粕と6つの通常なら廃棄されてしまう食材が使われているのだ。一口食べると梅の実が醸し出すお酒の風味と生八ッ橋の甘味が効いていて味わい深く、実に京都らしいシュトレンに仕上がっていた。使用されている材料を知らなければ食品ロスに貢献している商品とは気づかないかもしれない。素材だけでなく地域でつくることにもこだわり、京都にある就労継続支援事業所の方々の手によって美味しく焼き上げられているという。

 

この中でも〈AWAKE LEMONEDE〉はダブルダッチの練習を〈梅小路公園〉でしていることが縁で、1年目からコンポストの取り組みにも参加している。今回、京都のまちで実践されている環境の取り組みがサーキュラーエコノミーの見本市のように集うことができたのも、まさに京シュトレンのように個々の取り組みをまぜ合わせた安居の存在と、『京都音博』という場があったからだろう。そしてこの日をきっかけにまた新たな取り組みが生まれてくるのではという期待も膨らむ。

「京シュトレン」の生みの親、サーキュラーエコノミー研究家の安居昭博

コンポストによって深まる、まちの人たちとの関係性

3年目となった資源が‟くるり”プロジェクトの大きな柱ともいえるのが『京都音博』由来の生ごみを完熟たい肥にするというコンポストの取り組みだ。『京都音博』当日に会場のエコステーションに集められた食べ残しや飲食ブースから廃棄される野菜の切れ端などの食材を回収しコンポストへと運ぶというボランティアには、昨年に引き続き参加している地元の方や小学生の姿も。その光景に、恒例の取り組みとして地域の中で育ってきている感触を受けた。

 

2年連続でこのプロジェクトを取材するという同志社大学広告研究会の面々は昨年とは違う顔ぶれで、新しく参加する方がほとんど。学生の一人に話を伺うと、このプロジェクトの牽引役である足立に『DESIGN WEEK KYOTO』というイベントで出会ったことが取材をするきっかけになったという。実は『京都音博』のことはよく知らなかったそうで今回が初参加。普段は邦楽はあまり聴かないとも教えてくれた。学生として大人とつながるきっかけを増やし、活動を広げたいという思いからの参加だったが、予想以上に刺激を受けたようで「この活動を見てすごくいい記事になると思い、完成形を考えるとワクワクする」と語ってくれた

昨年は京都みどりクラブの協力で‟完熟たい肥”で育てた植物の種が配布されたが、今年は‟完熟たい肥”を持ち帰ることができるコーナーが新たに設置された。ようやく、この取り組みで生まれ変わった資源をこの場に還すことができたことも今回の大きなポイントの一つだと思う。そして、事前にこの完熟たい肥を畑にまきたいと申し出があったのが〈京都水族館〉だ。館内にある京都里山エリアの野菜を育てるのに使用してくれるという。2015年の『京都音博』ではくるりとイベントでコラボしたこともあったが、今回は資源が‟くるり”プロジェクトでもコラボを果たしたことになる。

10月14日に行われた〈京都水族館〉での完熟たい肥を使った野菜の種まきの様子(写真提供:京都水族館)

さてそんな広がりも見せた今回のコンポストだが、たくさんの方の協力の下、2日間で集まった完熟たい肥の素になる京都音博由来の食品残さは昨年よりも多い320.37kg。晴天に恵まれたこともあったが、3年目ということで飲食ブースや来場者の理解も深まったことも量が増えた要因であったように思えた。

『京都音博』という場が生み出す地域と音楽の新しい関係性

音楽主体のイベントでありながら、環境の取り組みという別の入口からこの日を楽しんでいる人が多数見受けられた今年の『京都音博』。この新たな接点をつくり出してくれているのが梅小路公園周辺のまちづくりに携わる足立と京都のサーキュラエコノミー普及に尽力している安居だ。

株式会社梅小路まちづくりラボ 足立毅(左)、サーキュラーエコノミー研究家 安居昭博

くるりが音楽を続けるスタンスと同じく、毎回、環境をテーマに新たな試みを実践している二人。今回の「資源が“くるり”プロジェクト」ではどのような手応えを感じたのだろうか。

 

足立「今回、単に古着を回収ボックスに入れるとかミックスジュースを買うとかじゃなく、「これ何ですか」とか「持って帰っていいですか」とか会話をしている皆さんの雰囲気がすごくいいなと思いました。思った以上に、会話が生まれるブースになっていたことがよかったですね」

 

安居「一般的に大規模イベントの出店ブースでは、お客さんはお買い物されるだけなので滞在時間は短く、会話もなかなか生まれないと思うんです。地域との繋がりも感じにくい。

今年の資源が‟くるり”プロジェクトのブースでは、お客さんが皆ご質問をされたり、いろいろなものを手に取られたり、その中で自然とお店のスタッフとの会話が盛り上がってつい長居してしまう。そんな特徴が見られたと思います。中にはそれで堆肥に興味を持ち、リヤカーでの生ごみ回収に飛び入り参加される方もいました。

 

音楽イベントを楽しむときのコンテンツとして、大規模イベントでの「消費」だけで終わらない新しいコミュニケーションや地域とのつながりを生むブースの可能性を、今年は見せてもらったなと思いました。今サーキュラーエコノミーが世界的に進められていますが、京都は京都議定書が出された場所。だから『京都音楽博覧会』で「資源が‟くるり”プロジェクト」をやっていることは、日本だけじゃなくて、海外にも発信すべき良いモデルになりそうだと思っています」

 

京都市は1997年に京都議定書が採択され、他の地域に先駆けて行政、市民、事業者、NPOなどが協力しながら循環型社会の実現に取り組んできた。サーキュラーエコノミーの取り組みの先進国であるオランダでも活動をしてきた安居はその背景も含めて、『京都音博』にはまだまだサーキュラーエコノミーを実践するポテンシャルを感じているという。

足立「『京都音博』がもともと「環境・文化・音楽」を掲げた、環境に配慮した都市型のフェスだと学生さんに説明しても知らないんですね。だから地域の事業者が関わることによって、アーティストさんに変わって『京都音博』のことを伝えることができる関係性っていいなって思うんです。そういう役割分担やコラボレーションができることがこのプロジェクトの良さだと思います」

 

くるりの音楽をきっかけにこの場所を訪れた人たちが、完熟たい肥お持ち帰りコーナーで会話を弾ませたり、「資源が‟くるり”プロジェクト」に参加した大学生たちがASKAを初めて聴いて驚いていたりと、音楽イベントの醍醐味である‟思いもよらない出会い”に自然と立ち会える場が生まれていたのだ。

最後に、今後の「資源が‟くるり”プロジェクト」の展望について伺うとこのような答えが返ってきた。

 

足立「中央市場の場外や島原だったり、この梅小路公園周辺のエリアは京都市内でも面白い場所が集まってるんです。いろんな方と知り合うきっかけの一つがまちづくりのイベントなので、そういう感じを『京都音博』でも楽しんでもらえたら。楽しんだ先にビジネスがあったり、何か別のコラボも始まるかもしれない。単純に友人が増えたり、恋人ができるとかでもいい」

 

例えば、今回出店されていた「京シュトレン」一つとってみても、そこに関わっている企業は多数ある。京都の各地で育んできた環境の取り組みが『京都音博』という場があることで可視化され、新たなつながりを生んでいたようにも思う。つまり音楽以外のコンテンツによる”博覧会”ともいえたのではないだろうか。まさに『京都音博』らしいコンテンツに育ちつつある「資源が‟くるり”プロジェクト」。今年、飲食ブースやエコステーションから集められた資源の素材たちは、これからまたボランティアの方々の手によって完熟たい肥へと変化を遂げるだろう。それを糧に、また新たなつながりが増えていくのではないだろうか。そう感じた3年目のプロジェクトは今、まさに発酵中だ。

『京都音楽博覧会2024』資源が‟くるり”プロジェクト(制作:安居昭博)

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