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KIKAGAKU MOYO FINAL SHOW

MUSIC 2022.08.07 Written By 柴田 真希

今年の『FUJI ROCK FESTIVAL』への初出演も記憶に新しく、唯一無二かつ耳に残るサウンドで国内外のオーディエンスを熱狂させてきたバンド「幾何学模様」。2022年をもって無期限の活動休止を発表し、ラストアルバム『クモヨ島』が好評を博す中、欧州・北米ファイナルツアーはほぼソールドアウトという彼らの10 年を締め括るファイナルショーが、12月3日(土)に東京・〈めぐろパーシモンホール〉で開催される。

 

2012年に高田馬場の路上でひっそりと産声を上げた幾何学模様は、バンド独自のサイケデリアを追求し、他に類をみない活動スタイルでこの10年を駆け抜け、世界中のオーディエンスを熱狂させるライブバンドとなった。

 

数多くの海外フェスにも出演。10年の活動の中で11 回の欧州ツアーを成功させ、今年の秋には12回目となる北米最後で最大級のツアーが予定され、その多くはチケットが完売している。

 

今年5月にリリースされたラストアルバム『クモヨ島(Kumoyo Island)』は、壮大なオープニングから一転「モ、ナ〜カ、ナカナカノ」というユニークな歌詞が耳元で囁かれ民謡的な節回しまでもがブレンドされた“Monaka”から始まり、導かれるように辿り着くのは美しいアンビエントソング“Maison Silk Road”。

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「クモヨ」とはバンド名の一部であり、自分達にとって、そしてリスナーにとっての「遊び場」にこだわり続けた幾何学模様のスタート地点である島の名前だという。

 

12月3日(土)のファイナルショーの会場である〈めぐろパーシモンホール〉は、豊かな響きで定評がある。バンドの紡ぐサウンドに身体ごと包まれる時間になるだろう。トロピカルなエッセンスとともにサイケデリアが見事に表現されたファイナルショーのビジュアルは、インドネシア拠点のアーティストKendra Ahimsaが手がけた。

 

フジロックの配信で幾何学模様の存在を知った人も、まだ間に合う。旅を終えて故郷に戻っていく、幾何学模様の10年のジャーニーのサークルが閉じるその時を、見逃さないでほしい。

KIKAGAKU MOYO FINAL SHOW

Show Visual designed by Kendra Ahimsa

日時

2022年12月3 日(土)開場 16:30 / 開演 16:30

会場

東京・めぐろパーシモンホール 大ホール

出演者

幾何学模様 / Kikagaku Moyo

料金

前売¥6,000(全席指定)

チケット

https://eplus.jp/kikagakumoyo-finalshow/

公演詳細

https://kikagakumoyo.com/finalshow/

幾何学模様 / Kikagaku Moyo

Photo by JAMIE WDZIEKONSKI

2012年に東京で結成されたシタール奏者を含む、5人組のサイケデリックロックバンド。古典インド音楽、クラウトロック、伝統的なフォーク、70年代ロックやファンク、アシッドロックをブレンドした独自のサイケデリックなサウンドと即興性あふれるライブで世界中の音楽ファンを虜にインターナショナルな活動を続けてきた。

 

一風変わった名前を持つ彼らは祖国の日本では知る人ぞ知る存在だが、世界3大ロックフェスと呼ばれるデンマークの『Roskilde Festival』、アメリカの『Bonaroo Festival』、中国の『Concreet & Grass Festival』、 イギリスの『Green Man Festival』、アメリカサイケロックの祭典『Desert Daze』や『Levitation』にも出演し、今年6月にはイギリスの世界最大級ロックフェスティバル『Glastonbury Festival』にも出演を果たした。

 

幾何学模様は今年1月、2022年の活動を最後に無期限活動休止を発表。現在は北米とヨーロッパを中心にバンド最期のワールドツアーを50ヶ所で展開し、ほとんどのショーがソールドアウトを記録している。そのワールドツアーの最後を締めくくるライブが12月3日に東京で行われることが決定した。

 

もともとは2012年の夏、高田馬場の路上でひっそりとスタートした幾何学模様。楽器演奏もビギナー同然だった彼らだが、2013年のファーストアルバム『Kikagaku Moyo』のリリース以降、2016年からは海外ツアーを中心に年間100箇所ほどの海外公演を毎年敢行していく。

度重なる海外ツアーのため、メンバーの半分は拠点をオランダのアムステルダムへと移し、レコーディングやツアーの直前に集合するという自由かつインターナショナルな活動スタイルにシフトしていった。

 

2017年には Issey Miyakeのパリコレクションで音楽を担当し、2019年にはGucciとビジュアルコラボレーションも行うなど、その活動はジャンルを超えてクロスオーバーしていく。

 

2012-2022年、10年間における活動の中で、今年で11回目の欧州ツアーを成功させ、今年の秋には12回目となる北米最後で最大級のツアーが予定されている。

 

Twitter:https://twitter.com/kikagaku_moyo

Instagram:https://www.instagram.com/kikagaku.moyo/

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