COLUMN

お歳暮企画 | アンテナとつくる2019年の5曲 Part.1

MUSIC 2019.12.27 Written By 阿部 仁知

児玉泰地(アンテナ:ライター)

1992年生。「役者でない」という名の演劇人。 芝居で食べていけることを理想として、認知度を上げるためにカフェや野外でも作品を上演しています。 アンテナに入って好きなものが増えました。

 

Twitter:https://twitter.com/kodakodamaamaa

“inferno” 澤野弘之

“麻イイ雀” チャラン・ポ・ランタン

“少年になれ 少女になれ” 谷澤ウッドストック

“ノンフィクション” ANTENA

“What’s Up Danger” Blackway & Black Caviar

 

今年も抜群に充実した一年でした!充実させ過ぎかもしれません。演劇では一人芝居でツアーしたり久しぶりに劇場で単独公演をしたり、東京公演も一人芝居と他劇団出演で二作。その間にアンテナ加入。まさに狂乱の一年でした。そんななかで出会った音楽に元気をもらいまくって、なんとかやってこられました。

筆頭で元気をもらってたのが1曲目。アニメーション映画『プロメア』の挿入曲です。澤野さんの楽曲はどれも、ワクワクと胸の奥の痛みが同時に上がってくる気がします。この曲は特にその感覚が強くて、映画でこの曲が流れ出したら即涙がこみ上げてきていました(上映開始から2分くらい)。

チャラン・ポ・ランタンも今年ハマった一組でした。ハマりすぎてライブに二回行きました。ホールもライブハウスも最高で、めちゃくちゃ笑って、めちゃくちゃ踊りました。ボーカルのももさんはかつて、大阪で一人芝居の経験もあるとか。パフォーマンスのパワフルさはそこから来てるのかもしれません。その頃から知っていたかったな……。

最近、「人と出会うことの醍醐味」は、「その人がその後どうなっていくのか」が知れる、ということじゃないかな、と思います。人に歴史あり。その「現在進行形の歴史」こそ、僕が最も興味あることなのかもしれません。だからもっともっと人と出会っていきたいです。しかし、「この人はずっと変わらずギター弾いてるんじゃないかな」、と思っている、谷澤ウッドストックさんに出会ったのも今年だったとは。5月が初対面だから、まだ知り合って一年も経っていません。もう2年くらい前から知ってる気でいました。行きつけのカフェでよくライブされてることもあり、たくさん歌を聞きに行かせてもらいました。後生ずっと聞きに行ってお酒を飲んでいたいですが、「この人も変わっていくのかな」、とか思うと、例年に比べてまだ優しい寒気も少し染みてきます。でもそれもこれも、僕含めて誰に何があろうとすべて”ノンフィクション”なんですよね。……すいません、クサイ導入をしてしまいましたが、4曲目のANTENA(Nが一つ少ないよ!)の曲たちの、物静かなようでキラキラしてて、それでいて素朴な感じ、なんなんでしょう、めちゃくちゃ好きです。Spotifyで知ったバンドなのですが、いつでも遊園地に連れて行ってくれるような雰囲気が好きになって、よく聞いてました。

そして今年最高だった映画からもう一曲。ホントは去年にリリースされてるんですけど、日本公開は今年だったので何卒ご容赦を。こちらはクライマックスで流れた曲。映像の演出と音楽の構成が完全に合わせてあって、3回見に行きましたが3回目まで興奮必至でした。

 

来年はもう少しゆっくりしたいな……とか思ってても、絶対どこかしら飛び回ってると思います。スパイダーマンの軽やかさと蜘蛛の糸、そしてスタミナがほしい!

 

もっと多くの出会いを求めて、来年も楽しんでいきます。皆様も良い新年を!

児玉真吏奈(Sawa Angstrom)

鍵盤と声を素材にしたライブをおこなうSSW。
2017年12月に初の全国流通盤アルバム『つめたい煙』をP-VINEよりリリース。その前夜には DOMMUNE で彼女の特番が組まれ、各地で話題を呼んだ。

様々なミュージシャンとの共演の他に、絵の個展やインスタレーション、洋服やアクセサリー作家の展示会でライブをおこなうなど、音楽以外の分野のアーティストとも関わりが多い。

吉岡哲志、浜田淳とのエレクトロニックユニット・Sawa Angstrom 名義でも2019年にEPを4作品デジタルリリース、アメリカ・テキサス州オースティンのレーベルのコンピレーションアルバムにも参加している。

フランス、ベルギー、ドイツ、デンマーク、台湾やオーストラリアなどの海外ツアーを経験している。

“four-week-song” uami
“Light Waves” LUCA&There is a fox
“Japan” Tycho (feat. Saint Sinner)
“bad guy” Billie Eilish
“心の平穏” 海の音 Star

“four-week-song” uami
ライブで共演して射抜かれた女の子。
私が作曲をする上であまり表に出さないようにしている崩壊の部分を、uamiちゃんは問答無用で全開放しているような、聴いてて無意識でニヤニヤしてしまう。

 

“Light Waves” LUCA&There is a fox
ルーツが日本国外にある2人が奏でる音楽。とても美しくて、美しすぎて消えてしまいそうな旋律。目を瞑って耳の鼓膜を澄まして聴きたい曲。

 

“Japan” Tycho (feat. Saint Sinner)
曲の魅力ももちろんありますがシンセの音や楽曲の中でのボーカルのバランスなどサウンド面でもとてもよく聴いた曲。

 

“bad guy” Billie Eilish
メルボルンツアー中のオフ日にお店でイヤリングを選んでいる時、日本ではありえない音量でかかり始めて笑ったのを覚えている。
曲もクールで帰国後も1人でドライブするときなど何度も聴いた。

 

“心の平穏” 海の音 Star
音のhertzについて勉強している時に海の音や生き物の音はなんでこんなに心地いいんだろう、と気になって聴き漁っていた曲。
神秘の音は恐ろしい。
身も心も脱力して海になりたいなーって時によく聴いていました。

さとうもか

1994年6月生まれ、岡山出身・在住。
初めてのピアノ発表会で弾いた「ガラスの靴」という曲の最初のシ・ド・ミの和音で音楽が好きになる。

3歳からピアノを始め、ギター、サックス、合唱、声楽など様々な音楽に触れる。

高校音楽科卒業後、音楽短期大学へ入学し、ガットギターやピアノの弾き語りを本格的に始める。

P-VINEより 2018年3月14日 1stフルアルバム『Lukewarm』をリリース。

2019年5月20日 2ndフルアルバム『Merry go round』をリリース。

“〜出会い〜 歩いて10分、車で30分” くまきち

“All Day Long” Chance The Rapper

“DAYZ” AAAMYYY x MONJOE

“結婚しました” 柴田聡子

“Concerto” David Rose

“〜出会い〜 歩いて10分、車で30分” くまきち

今年出会った私のアイドル、くまきち。
可愛いだけでなく、面白くて歌も上手いんです。そして曲の中毒性がヤバイ!
「歩いて10分、車で30分〜♪」といつも何も考えず口ずさんでいましたが、よく考えたらどういう状況なのか謎です。そんなところも好きです。

 

“All Day Long” Chance The Rapper

仲良しの人の車に乗ったときに偶然流れていて、なにこれ!?めっちゃいい!となった曲です。
アルバムの最初の曲がこの曲というのもかっこいい!シブい!!始まり方も朝のニュースのジングルっぽいかんじで好きです。1日の始まりに聴くと頑張れます。

 

“DAYZ” AAAMYYY, MONJOE

よくお風呂で半身浴をしながら聴いている曲です。
なんか、めちゃくちゃフラットな感情の時にしっくりくる音楽って意外とないと思うのですが、AAAMYYYさんの音楽は私の中ではまさにそんな時にぴったり寄り添ってくれる音楽です。コーラスワークも美しくて好きです!

 

“結婚しました” 柴田聡子

聴くとスキップしたくなる曲です。始まる瞬間 「ピョコ」てほんとに一瞬だけギターの音がするのですが、そこからスキップの助走が始まってる気がします。
歌詞には普段の生活でしか使わないような言葉がところどころに紛れているのですが、それがとてつもなくロマンチック。こんなにキュンとくる「マツダの軽」の使い方、これからの人生で、出会わないと思います。

 

“Concerto” David Rose

今年出た曲では無いですが、今年1番知れてよかったと思うアーティストDavid Roseの曲です。
聴くたびに美しさに涙が出そうになります。
この方の音楽を生きている間に知る事ができて良かったです。これをリアルタイムで聴けた人が居たなんて……!

篠田知典

映画『下鴨ボーイズドントクライ』(2018)『左京区ガールズブラボー』(2017)監督。またHomecomings、ベランダ、浪漫革命、踊る!ディスコ室町ら多くのバンドのMVを手掛ける。

新作はバンド突然少年に密着した『DOCUMENTARY OF SUDDENLY BOYS~火ヲ灯ス~』(MOOSIC LAB2019特別招待作品)。

 

最近指がとれかけた。

“ひとり” 突然少年

“10/10” REX ORANGE COUNTY

“君が永遠でとても嬉しかった” ひがしやしき

透明雑誌FOREVER” 透明雑誌

“SUGAR” BROCKHAMPTON

“ひとり” 突然少年

高校で出会ったメンバー、高3で閃光ライオット優勝、22歳でルーキーアゴーゴー、23歳でフジロックメインステージ、信じられないほどのライブ本数と信じられないほどの熱量と爆音。少年漫画を地でいくロックバンドの名曲。youtubeで観ることのできるルーキーアゴーゴーでのこの曲の演奏が名演。出会ってくれてありがとう。初めて会った日から銀杏BOYZとblood thirsty buchers両方の後継者を担うバンドだと信じてます。ドラム脱退を乗り越えた彼らの2020年にも注目したい。

 

“10/10” REX ORANGE COUNTY

タイトル通りの曲。10点満点で10点。BEN KWELLER、Mac DeMarco、よかったころのOwl Cityを足したみたい。<I turned superhero.I’m comin’ in Bruce Wayne.>って歌詞も最高。このヒーローはマーベルユニバースとかダークナイトとかそういうのじゃなくて、ロマンある頃のバットマンであって欲しい。

 

“君が永遠でとても嬉しかった” ひがしやしき

サンクラで音楽を聴くことが病的に好きだ。apple musicよりspotifyよりyoutubeより、勿論Line musicみたいな訳の分からん方法よりも。サンクラでしか聴けない曲が沢山ある。例えば唾奇feat.mukuroのameはストリーミングにはないし、SAGOSAIDの宅録も杉本周太宅録もサンクラでしか聴けない。ステレオガールの「ぼくらはわかくてうつくしい」はyoutubeよりこっちのバージョンの方が断然すきだ。john gustro氏の音源が消えたときはとても悲しかった。エンジョイクラブソングのイントロの「バンドやる!わたしギターやる!」、4s4ki animalhuck remix、ユアロマの一番いい曲、ホムカミのI want you backのクリスマスっぽいバージョン、全部サンクラでしか聴けない。

 

サンクラのデザイン、ハートつけてく作業、その全てが好きだ。

そんな僕が今年サンクラで出会った一番お気に入りの曲がこれ。ざっくり言うとアニオタのEMC。アニメはほとんどみませんが、NEW GAME!とても観たくなりました。

 

“透明雑誌FOREVER” 透明雑誌

今年自分の作品2本に初めて字幕がつき海外で上映されることになった。その国は台湾。そのせいか今年は台湾のバンドを聴いたり、台湾の映画を観たりすることがとても多かったと思う。DSPSもイルカポリスもthe fur.もめちゃくちゃ好きだ。でもやっぱり台湾と言えばこのバンド。まさに青春。永遠の憧れ。WE ARE FOREVER YOUNG!

 

“SUGAR” BROCKHAMPTON

HIPHOPは歌詞が分かることありきの音楽だと個人的には思っているので、海外のHIPHOPはあまり聴かないのだがBROCKHAMPTONのこの曲はなんども聴いた。この曲の入ってるアルバムタイトルがGINGERってのもいいし、ジャケットもまさにBOY BYEって感じでとても良い。全体的にブロマンスっぽい雰囲気でロマンチックなのが好き。グザヴィエドランの映画で流れてほしい。

清水煩悩

1992年生まれ、和歌山県和歌山市出身。
2016年から活動をスタート。水曜日のカンパネラ・コムアイ、奇妙礼太郎、石川浩司、坂本龍一、長嶋りかこらが賞賛する音楽家。
現在はホームレス。この世を去った“台湾独立運動のゴットファーザー”こと革命家・史明氏が開業した池袋の中華店・新珍味に先日迄居住していた。
 

“Immortality” Ana Roxxane
“リリィ” 清水煩悩
“Lugu Lugu Kan-Ibi” David Darling & The Wulu Bunun
“MOHICAN” 細野晴臣
“小舟” 坂本慎太郎

今年、髪型をモヒカンに変えたので細野さんのMOHICANをよく聴きました。あとは今年特によく聴いていた音楽から選んでみました。

ショーウエムラ(アフターアワーズ)

北大阪のスリーピースバンド「アフターアワーズ」Vo&Ba。弾き語りもやってる30代童顔。「転んでないのに泥だらけ」の考案者。

 

Webサイト:https://afterhours3.amebaownd.com/
Twitter:https://twitter.com/sho__show

“コールドスリープ” のろしレコード
“三月的街頭” DSPS
“SSW” ASAYAKE01
“アンダーグラウンド” スパルタローカルズ
“シャッフル” アフターアワーズ

今年はデルタブルースさらに掘ったり、ここに来てストーンズのホントのカッコ良さが分かった気がしたり。新譜は落ち着いた曲多めに聴いてましたね。

 

のろしレコードはぬぉーって唸りました。この曲の歌詞にやられた。一緒にライブがしたいです。春先に旅行してから台湾のバンドをチェックしてて。DSPSは言葉の響きが心地良いですね。一緒にライブがしたいです。ASAYAKEさんは僕らのレコ発でぶち上げてもらいました。次自分の出番やのに泣きそうになって最高。また一緒にライブがしたいです。スパルタローカルズの新作が2019年に聴けるなんて。青春ふたたび。ライブも観たもんね。最後に自画自賛スンマセン。でもこれええ曲やし!サブスクも解禁するし!

 

ってことで次はライブで会いましょう。アンテナさん今年もお世話なりまくりでありがとうございましたでまた来年。

ZOOZ

Post Punk Revival ”Revival” is here.

-Member-
ナカムラユウヤ
アベヒロキ
ジョーザキJAPAN
16ビートはやお

Webサイト:https://zooz2002jpn.wixsite.com/zooz
Twitter:https://twitter.com/zooz_2002_zooz

“Sunday” Foals

“Identity Theft” The Chats

“Sketch Artist” Kim Gordon

“Blankenship” DIIV

“Someone You Loved” Lewis Capaldi

2019年はこれまでポストパンク・リヴァイヴァルのムーブメントを牽引してきたアーティストがある種そのムーブメントから解き放たれて、深化を遂げた年でした。ポストパンク・リヴァイヴァル “リヴァイヴァル”を掲げ、ムーブメントの再解釈、再構築を目指し始動した僕たちにとって、Foalsが今年発表した2枚のアルバム『Everything Not Saved Will Be Lost – Part1』及び『Everything Not Saved Will Be Lost – Part2』はFoals自らの手で自らを脱構築した象徴的なアルバムになりました。

 

Foalsの他に選定した4曲はメンバーそれぞれによるものです。

 

“Identity Theft” The Chats (アベ選曲)
“Sketch Artist” Kim Gordon (はやお選曲)
“Blankenship” DIIV (ジョーザキ選曲)
“Someone You Loved” Lewis Capaldi (ユウヤ選曲)

 

どれもが音楽的バックグラウンドや時代の胎動を感じることのできる作品がラインナップされました。いや、僕たちが徐々に若さから遠ざかっていくことで、勝手に背景を想像する力が身につき魅力的に聴こえてしまうのかもしれない。ということは、そんな素晴らしい音楽を吸収していくZOOZは今後より魅力的なバンドになるということですね。はは。(文:16ビートはやお)

須田亮太(ナードマグネット)

ナードマグネットというバンドでボーカル&ギターを担当しております。今年はフルアルバム『透明になったあなたへ』をリリースして、アンテナでもかなり濃いインタビューを掲載していただけました。この時代にあえてパワーポップとポップパンクというジャンルに自分なりに向き合って作りました。よろしくお願いいたします。

“The Kids Have Gone Away” The Muffs
“Like A Girl” Lizzo
“茗荷谷” 家主
“Rom-Com Gone Wrong” Matt Maltese
“bad guy” Billie Eilish

今年は下半期にダニエル・ジョンストン、リック ・オセイセック、キム・シャタックと私の大好きな音楽家が立て続けに亡くなってしまって本当にきつかったですが、マフスのラストアルバムがそんな感傷を吹き飛ばすようなロックンロールだったもんで元気を取り戻せました。キム姐さん本当にありがとう。

そして居酒屋やファミレス等でご飯を食べていて「あれっ、お店のBGM止まった…?」と思ってよく耳をすませばビリー・アイリッシュのbad guyだった、ということが本当に何回もあった1年でした。

須藤朋寿

NEW FOLK / 『うたのゆくえ』主宰

“無題4”(「ギター」収録) 戸張大輔
“下宿屋ゆうれい”(未音源化) 台風クラブ
“オールドレコード”(「カルケット」収録) 牧野ヨシ
“ヴァージンギター”(「幸せの港」収録) 三輪二郎
“Yellow Roses”(「HERON」収録) HERON

今年、自分自身の琴線に最も触れた曲を挙げさせて頂きました。おいそれと聴き難い楽曲が多くなってしまいましたが(苦笑)

 

戸張さんは今年LP化する(無事実現!)ということで、元々好きでしたが改めて聴きこみました。ぼけーっとしながら聴いていると、ふと涙がこぼれそうになります。朝焼け、夕暮れ、真夜中、昼間のなんでもない景色と時間でさえどこかねじ曲がったり輝いて見えて、とても尊く、美しく思えるのです。

 

台風クラブはまだ音源化されていない新曲。怪談話という体裁をとってますがこれは私と“いつかの”私との、青春との、ギターや歌や音楽との、そして過ぎ去っていったもの、不安定で儚く移ろい、消えてゆくものや、折り合いのつかないようなついたような気持ちへの眼差しなのか?などと、石塚さんはじめ誰に言うでもなく勝手に解釈し(笑)ライブ中もジーンとしながら聴いてました。

 

牧野君の曲はいままで唯一聴くことが出来てなかった最初の自主盤から。田中ヤコブ君から聴かせてもらって、大変感激してしまいました。奇跡的なまでに瑞々しい、(敢えて言いたい)“フォーク・ロック”。時代に無視をされても誰かがきっと見つけるし、確かに歌い継がれていくものじゃないかなと思わせてくれます。

 

三輪さんはアルバムがもう全編最高なんですが、東京・武蔵境にあるライブバー「STATTO」でぶっ飛んだこの曲で号泣です。胎動するロックンロールの歌であり、いつかの自分の胸の内を覗くように、そして静かに鼓舞するように訥々と語りかけてくる歌。情感豊かで骨太なエイトビート、そして三輪さんの咽び泣くギター(なんでこんな良い音なんだ……!)。この曲で感動出来るうちはまだ大丈夫な気がしてます。

 

最後はロンドンのフォーク・バンド・レジェンド、HERONの1stから。“メロウ”とか“哀愁”っていう感覚がそのまま音楽になったらこうなるんではないでしょうか?今年と言わずいつだって心の中にある1曲ではあるんですが、気持ちをリセットするような感覚で本年も大変お世話になりました。

senoo ricky

SSW / ドラマー。
弾き語りでは京都を中心に活動。
ドラマーではYeYe / 折坂悠太 / 山本精一 / 七尾旅人 / 川本真琴 など数多くの音楽家との録音や年間100本を越えるライブを行う。FRFや京都音博など国内外の大型フェスにも多数出演。
“うた”に寄り添う確かなプレイと類稀な反射神経でメジャー / インディ / アングラ問わず奮闘中。

“Greedy” Sunset Rollercoaster
“朝顔” 折坂悠太
“迷子犬を探して” 七尾旅人
“Rock Your Baby” エマーソン北村 feat. mmm
“Gum” んoon

今年僕のSpotifyの再生回数1位はSunset Rollercoaster(落日飛車)。“Greedy”は僕の愛する台湾の街並みを匂い丸ごと感じられる不思議な曲。
折坂悠太の“朝顔”は外せません。今年の京都音博で彼と一緒に演奏した時のあの感覚は一生ものです。2019年は折坂くんと共にあったといっても過言ではありません。
七尾旅人“迷子犬を探して”は僕がドラム叩いてるのですが、この曲を演奏出来たことが僕の大きな転機になったので迷わず選曲。七尾氏曰く「この曲録るならリッキーで、とすぐ思い浮かんだ」と。こんな嬉しいことないです。
“Rock Your Baby”は説明不要。完全無欠の名曲すぎて死ぬほど再生しました。
最後は んoon“Gum”、もう歌も演奏も曲も人柄も全てがツボ。ほんと沢山聴きました。そういや彼らに初めて会ったのも台北だったなぁ。笑
ああ台湾行きたい。それでは良いお年を。

Part.2へ続く

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