お歳暮企画 | ANTENNAとつくる、2023年なんでもベスト1 Part.1
今年もANTENNAをご覧いただきありがとうございました。年の瀬恒例記事『お歳暮企画』で2023年を締めくくりたいと思います。
4回目となる今回は初めてテーマを変えました。題して“あなたの2023年を最も彩った「●●」ベスト1”。本年、ANTENNAの記事に協力していただいた方を中心にコメントを募り、総勢46名が参加!また登場した記事のリンクボタンも設置していますので、2023年のANTENNAハイライトとしてご覧いただければ幸いです。
Part.1ではまず50音順「あ〜さ行」の方々を紹介します。あなたの2023年はどんな年でしたか? 来年もANTENNAをどうぞよろしくお願いします。
ivy(ANTENNA)が選ぶ、2023年「ベストヴィンテージショップ」ベスト1
【TRAVIS】
取材、ライブ、飲み会、パーティー……。どこに行くにも、誰に会うにも、何を着ていくか考えている時間が一番楽しい!そんな性分の私にとって2023年も随分と古着を買った1年でした。
恵比寿にある〈TRAVIS〉さんはそんな1年の終わりに立ち寄ったかなり印象に残っているお店です。何せ、古着屋のコンセプトが服のジャンルではなくて映画なのですから。オリジナルで映画のスウェットやどこかあの名シーンを思わせる古着、服と同じくらい大量にラインナップされたポスター。カルチャーとファッションに人生を狂わされてきた私にはこれ以上なく財布のひもが緩む空間です。なんといっても、店主・ハラダユウキさんから直接買いたくなる。それはある秘密があるのだけど……。気になる方は、ぜひ足を運んでみてください。
阿部仁知が選ぶ、2023年「ターニングポイント」ベスト1
【FUJI ROCK FESTIVAL '23】
2019年から速報サイト『FUJIROCK EXPRESS』の取材チームとして参加している『FUJI ROCK FESTIVAL』。僕にとっては毎年恒例のイベントなのですが、今年のフジロックは僕にとって大きなターニングポイントだったのでこちらを選びます。というのもフジロックまでの数ヶ月は、大きく心身の調子を崩しライターを続けるのさえ危ぶまれるような時期だったのですが、意を決して参加した4日間はまさに心を洗われるような、自分を見つめ直すような時間だったからです。具体的に何がという話ではないですが、みんなが口々にフジロックのことを「お正月」とか「命のお洗濯」とか言っている意味が実感として理解できたような、そんな気がします。
来年も『ARIFUJI WEEKENDERS』や『ONE MUSIC CAMP』、GREENJAMとDerailler Brew Worksの『坂ノ上音楽祭』、そして『FUJI ROCK FESTIVAL』など、様々なところに顔を出すでしょう。その時も今年のフジロックで培ったものを思い出しながら、ライターとしてフェスティバルの魅力や可能性を探求していきたいです。来年もよろしくお願いいたします。
ayU tokiOが選ぶ、2023年「YouTube」ベスト1
【ANYTIME ONE PIECE ROUND 01~03】
全世界的ヒット漫画ワンピースのアニメ化25周年ということで「ワンピースのアニメを25年分24時間YouTubeで配信する」というこの企画に今年一番、色んな意味でグッと来ました。おめでとうございます。
現在三周目ですが一年続くそうなのでどこかでみなさんも触れる機会があるかもしれません。
これは、浅い底なしの沼です。
OP/EDテーマもきっちり配信に乗っており初期の曲は懐かしく、島田紳助は今どこで何をしているかも少し考えたりしました。同じ内容のWEBCMもしつこく見ることになるので、一言一句覚えてしまう視聴者も沢山いたと思います。そして既に消費され尽くしていると思います。胸が切ないです。
常に視聴者も多く、リアルタイムのコメント欄から同じ魂の人間を探すというSNSの醍醐味にも再度気づかせてくれました。参加はしてませんが。
ドルトンさんの「国も、同じだろうか、、」という屈指の名シーンだけは緩く計算して三周分しっかりとキャッチに成功し、三回とも目頭が熱くなりました。多分、国も同じです。
ayU tokiO/猪爪東風
いくつかのバンドでの活動を経て、2012年にソロプロジェクト「ayU tokiO」としてカセットテープ作品のシリーズ『NEW TELEPORTATION』をリリース。単独での弾き語りから、コーラス・ギター・ベース・キーボード・ドラム・バイオリン・ビオラ・フルート・トランペットなどを含む大編成のバンドセットまで、様々な形でライブ活動を行う。サウンドプロデュースで鈴木博文・SaToA・太田貴子など、ギターサポートで藤原さくら等、歌唱でパソコン音楽クラブなどの作品やライブに参加。主宰レーベル《COMPLEX》からはPerfect Young Lady、OCHA∞ME、屋敷、砂の壁、などの作品をリリースしている。2021年にレコーディングスタジオ〈日野音楽室第III〉を開設し運営するなど、多岐にわたり活動中。
Webサイト:http://www.ayutokio.net
X(旧Twitter):@ayU_tO_tO
Instagram:@ayu_to_to
板倉一成が選ぶ、2023年「移動手段」ベスト1
【LUUP】
本来であれば2023年の映画ベスト1といきたいところですが、今年はベスト1を語れるほど鑑賞ボリュームがないため、2023年の自分に大きな変化をもたらした2つの「移動手段」について書きます(映画よりも視聴時間の多かったeスポーツのベストバウトについて書こうと思ったものの、ANTENNAさんの読者に届かないと思い、そちらはまたの機会に)。
ベスト1として書きたいのは「LUUP」。自分の生活を見れば、車1台、自転車2台、大型バイク1台と車輪に事欠かない生活をしているのですが、「LUUP」の圧倒的な素晴らしさは「乗り捨てができること」。京都の街中であればかなりの数のポートがあるので、必ず目的地の近くまで乗っていけます。今更感もありますが、バスや電車が観光客で混む京都という街の新たな移動手段として、ベストアンサーだと強く感じました。
2023年にもう一つ自分に大きな変化をもたらした「移動手段」が「歩く」です。とにかくAudibleで聴く読書を始め、小説からビジネス書までたくさん聴いた。最近、街でも見かけるようになった「On」というスイス生まれのランニングシューズを買って、どこ行くにも極力歩く。その甲斐もあって、まだ道半ばですが、夏から大きく減量することができた。最近の悩みはLUUPの出会いで歩く頻度が減ったこと……2024年も新しい出会いを楽しみたいと思います。
1981年、名古屋生まれ。映像やウェブなどの広告制作から、京都ヒストリカ国際映画祭、京都映画賞、Field KYOTOなど、映画・ゲーム・アニメに関わる楽しいこと、面白いことを作る会社を運営して15年。2024年1月にヒストリカを控え、自身の新しい企画『ヒストリカ お座敷』を成功させることに奮闘中(2024年1月27日・28日開催)
いちやなぎが選ぶ、2023年「支えてもらった味」ベスト1
【手前味噌】
普段食うめしの理想型を考えると漬物と味噌汁は外せない。言ってしまえばそれさえ揃ってさえいれば、主菜がなんだろうが及第点に達する。
というので、二年程前から糠漬けをはじめて、去年には味噌を仕込んだ。いわゆる手前味噌というやつなのだけれど、いざ仕込みの段になってみると、豆は何を買えばいいやら、塩、米麹の塩梅、なかなか手強そう……。ということで近所の味噌屋にかけこんで、これさえあればできちゃう初心者セットなるものを買い、味噌屋さんに寸胴までお借りして、味噌を作ることに相成った。それが去年の夏まえの話しで、無事、お味噌が今年できあがったのだ。
といっても最初の仕込みが終わってしまえば、ただ置いておいただけなので、なんにも手を加えてはいない。ゆくゆくは自分で豆、塩、麹を自分で買い付けてやってみようと思う。今年、下半期は手前味噌に支えてもらった。安心できる味を自分で拵えるというのは、いいもので、そろそろ次の仕込みに入ろうと思う。
自分で味噌をつくってたら、つくる曲が変わるかも……??
京都在住、弾き語りを中心にバンド形態でもライブ活動を展開する歌うたい。2018年に『naked.』、2021年に初のバンドサウンドによる作品『album』、2021~22年にかけては「夜間飛行」など多数のシングルをリリース。またCMへの楽曲提供(Champion / JA共済 / 第一電機工業)や文芸誌『群像』への寄稿など、多岐に渡る活動を行っている。2024年には1stフルアルバム『IRAHAI』を発表予定。
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Instagram:@ichiyanagi_info
note:https://note.com/10245891/
乾和代(ANTENNA)が選ぶ、2023年「くるりのライブ」ベスト1
【12/23 (土)『感覚は道標』発売記念ツアー『ハードにキマる!つやなし無造作ハッピージェル』@東京・ZeppDiverCity】
今思えば、この1年のくるりの活動を象徴していたのが2月28日の〈拾得〉でのオリジナルメンバーでのライブだ。この時に岸田さんが「新曲です。“ロックとロール”」と言って歌った曲が‟LV69”と名を変え、バグパイプの音色が印象的な前奏から始まる壮大な曲になりアルバムに収録されるなんて思いもしなかった。そんなこの曲は『くるりのえいが』の劇中にも使われている。このアルバムをレコーディングした〈伊豆スタジオ〉へ向かう新幹線が走る映像のバックで前奏が流れるのだ。
そして、この日もライブの始まりを告げるようにこの楽曲の前奏を出囃子にメンバーが登場。ワンコーラスが流れたタイミングで、岸田さんがギターを鳴らすとはじまったのはさっきまで流れていた‟LV69”。音源が生音へと立体的に移行して目の前に現れたようなオープニングには心を奪われた。同ツアーの大阪で感じたドライヴするクリフのドラムと会場の一体感が忘れられない‟ロックンロール”、夕闇に揺れるスマホのライトが美しかった『BOB ROCK FESTIVAL 2023』での‟ばらの花”、ホールツアーの〈名古屋市公会堂〉で目撃したくるりの二人だけで演奏された‟八月は僕の名前”のハーモニーの美しさ、〈拾得〉で不意打ちに演奏された‟ラブソング”……、忘れられないワンシーンがあるライブは多々あったが、この日を選ばずにいられなかった理由は、最後に演奏された曲にある。
「俺らのために、もう1曲」と「みんなのために」と言いかけた言葉を岸田さんが言い直し、アンコールの最後の曲として3人だけで演奏をはじめたのは‟さよならストレンジャー”。そう、最新作と同じくオリジナルメンバーの3人がジャケットを飾る彼らの1stアルバムだ。4回あった今ツアーのセットリストは少しの曲の入れ替わりはあれど、3人でのアンコールは‟尼崎の魚”で始まり、‟東京”で終わるという流れ。だからこそ、最後の最後に演奏されたこの曲が、あの〈拾得〉からはじまったこの1年を締めくくるエンドロールに思えたのだ。この1年が一つの大きな物語であったことに気づかせてくれたこのライブは、数ある中でも群を抜いて忘れがたい2時間半だった。
奈良県出身。京都在住。この街で流れる音楽のことなどを書き留めたい。好きなものは、くじらとベース。
イマムラタイチ(カフェクウワ)が選ぶ、2023年「楽しい一人遊び」ベスト1
【『愚問愚答』という独り喋りインスタラジオ】
2023年2月の終わり頃から『愚問愚答』という、顔も出さずに一人でぽつぽつと喋り続けるというインスタライブを始めた。 僕は一人暮らしで、ほとんどの夜は家にいる。
本当はPodcastがやってみたかったけど、自分の声を録音して、編集を加えて世に出すのは当時の自分にとって、かなりハードルが高かった。 でも喋りたかった。生活の中での出来事について、感動について、感情の動きについて、不安について、違和感について、衝撃について。
なぜなら、生活の機微を消化する方法について、常に模索しているから。誰かに聞いてもらうには少し気が引けてしまうような事でも、一人で喋る分には問題無い。そして、自分が頭を悩ませた記録を置いておく事によって、誰かの気持ちが少し楽になるのでは無いか?とも思った。 「好きってなんだろう?」とか、「常識の中に想像力ってなく無い?」とかね。 うまくやれてはないけれど、楽しいのでしばらく続けます。
「好きだ!」という事についての回はこちら
常識って何?の回はこちら
大石晴子が選ぶ、2023年「大満足の単独ライブ」ベスト1
【ビスケットブラザーズ単独ライブ『ポカンと1号&チクアナお兄ちゃん研究者』】
6月25日〈なんばグランド花月〉にて開催のビスケットブラザーズ単独ライブ『ポカンと1号&チクアナお兄ちゃん研究者』配信での視聴でしたが2023年のベスト1として挙げさせていただきます。
ライブ映像は一度観てそれっきりにしてしまうこと多いですが、こちらはアーカイブ視聴期間が終わるのを惜しんでリピートしました。前年にDVDで観た単独『町のクチビル代理店』で既に心掴まれていましたが、それを更新するような特別体験でした。
個々のコントの魅力は勿論のこと(睡眠の概念を知らない島民、赤い糸を対象の人間にのみ見せ意識させるという遠回しな能力を持つ姫川さんが特に好きです)、単独ライブという一つの大きな作品としての完成度に没入し、終盤うるっときてしまいました。
KennyDoesさん(梅田サイファー)によるライブオープニング曲“カガクノアナ”や、各コントに登場する二人について他の芸人さん(今井らいぱちさんや爛々の大国さん)扮するキャラクターによって語られる幕間VTRはどれも必要不可欠で、90分大満足の単独ライブでした。コントがモチーフのグッズがあれば散財したはず。何も制作されなかったことファンとしてはもどかしいけれど、その姿勢さえ実直でハンサムに見えてきます。
大阪生まれ神奈川育ち。生活の機微を、美しくも不思議な響きのメロディで歌うシンガーソングライター。ソウルミュージックとの邂逅に涙した経験、お笑いラジオ番組のヘヴィーリスニングで体得した鋭利な言語感覚、愛犬家。個性的且つ芳醇な匂いを醸し出す楽曲群。繊細さと強さ、ポップとブルース、相反するものが揺れ動く歌声は聴く人の胸を打つ、祝福。
Webサイト:https://oishiharuko.com/
大塚真太朗(生活の設計)が選ぶ、2023年「忘れないであろうハイライト」ベスト1
【小西康陽さんにクラブで自分の曲をかけてもらったこと】
今年はいろいろやりました。
1月にバンド名を「生活の設計」改め、4月にアルバム『季節のつかまえ方』発表(ANTENNAでの峯さんのレビュー必読!)。6月には初めてのワンマンライブを行い、11月にはメンバー脱退を経て、初めてのアナログ7インチレコードを出しました。作品やライブを通して出会えた皆様に感謝です。
そんな中、2017年の夏に行われたフェスティバル『ピーナッツキャンプ』にて小西康陽さんのDJを体験して以来、自分が渋谷オルガンバーにて通っていた『エース』というイベントが今年の12月で終了しました。僕はこのイベントが大好きで7インチアナログを中心に思い思いの曲をかけるDJの方々にたくさんの素晴らしい夜を作ってもらいました。そしていつか自分たちのバンドの曲がこのイベントでかかったらどんなに嬉しいだろうと思うようになりました。
6月のワンマンライブで最後に演奏した“キャロライン”という曲。当日、ゲストとしてお迎えした小西さんに「あれを早くアナログにしてください」と終演後言われ、元々そのつもりだった自分はこの上ない喜びを感じたことを覚えています。
その後、できたレコードをお渡しした小西さんがエースでかけてくれたこと、フロアで驚きと照れ臭さが混じった気持ちでいたこと、マイクを渡され訳も分からず歌わせてもらったことは忘れられない思い出となりました。
本日の渋谷オルガンバーでのイベント「エース」にて小西康陽さんが「キャロライン」をプレイ!真太朗が飛び入りで歌わせていただきました。
「エース」は来月最終回。12/10はオルガンバーに集合しましょう🕺 pic.twitter.com/F0kGJVeLxO
— 生活の設計 (@Seikatsu_Sekkei) 2023年11月12日
そんな7インチレコード『キャロライン / むかしの魔法』はまだ売り切れてはいないはず!なのでぜひお手に取ってみてください。
他にはJUNK20周年によるTBSラジオ『爆笑問題カーボーイ』イベント、劇場で観ることができた『牯嶺街少年殺人事件』、チャーミングにも程があったRex Orange Countyのライブ、池尻の洋菓子店『ラ グリシーヌ』のバタークッキー「マダガスカル」が今年の思い出です。
大変な世の中ですが皆様の年末年始が素敵でありますように。良いお年をお迎えください!
バンド「生活の設計」のボーカルとギター担当。来年の個人的な目標はちょうど良い厚さ/サイズのパーカーを見つけること。
X(旧Twitter):@hogarakaotsuka
Webサイト:https://seikatsunosekkei.com/
大原智が選ぶ、2023年「一生忘れないライブ」ベスト1
【THA BLUE HERB @ITAMI GREENJAM’23】
2021年、出演頂く予定がコロナで流れ、2022年リベンジと再度出演承諾を下さったのに、まさかの出演日が台風により無念の中止。
そして3年越しで実現した念願の『ITAMI GREENJAM』でのライブ。
ところが始まって間もなく灼熱の太陽に照らされ、まさかの機材トラブルによりトラック音が止まる大トラブルが発生。ステージ横でライブを見ていた僕は大焦り。
普段あまりネガティブなイメージを持たない僕ですが、「さすがにGREENJAMとTBHは相性が悪いみたいなのがあるのか……?なんでこうも上手くいかないんだ」なんて思ってしまったその時、無音の中で始まったBOSSさんのラップ(言葉)。
機材が復帰するまでどれくらいの時間だっただろう。10分くらいあっただろうか?
GREENJAMのステージに立つのに3年かかった事。
こんなフェスを入場無料前提で作る事は並大抵ではない事。
それを受けて来場者側はどうするの?次はそっちの番だよ?って事。
そんなGREENJAMとTBHの3年間と今日という日が生んだ言葉で10分間を埋め尽くしていく。
その言葉とTBHの姿が強烈過ぎて感極まってしまったライブが僕の今年のベスト1です。
本番後のBOSSさんの言葉「こんな事もないと成長ないから」はかっこよ過ぎました。
僕も負けないように2024年に挑みます。
一般社団法人GREENJAM代表。
兵庫県伊丹市を拠点に『ITAMI GREENJAM』を主催し、2023年には大阪市西成区のブルワリーDerailleur Brew Works主催の元、〈天王寺公園〉のエントランスエリア「てんしば」にて『坂ノ上音楽祭』を初開催。
フェスティバルを活用したまちづくり・地域創生・共創のかたちを体現している。
『ITAMI GREENJAM』Webサイト:https://itamigreenjam.com
尾上朋洋(aldo van eyck)が選ぶ、2023年「ヤバかったライブ」ベスト1
【石頭地蔵】
今年も沢山の素晴らしいライブを見ましたが10月に佐賀県唐津市の虹ノ松原海岸で行われた野外イベント『point』でみた熊本の元老院、レジェンド、生ける伝説「石頭地蔵」(以下地蔵)は格別でした。
その日も爆笑したりニヤニヤしながら地蔵をみていましたがライブ後半、臼井さんのタイトでルーズで爆破音のようなドラムの一音一音が空中に枯山水の岩のように完璧なコンポジションで配置され、阿久根さんの摩訶不思議な旋律のギターがそれとは無関係であるように自然的な秩序で存在し、芥川さんのノイズギターが秋の夜風のように全体にそよぎながらヒステリックなシャウト。フェンダーに直アンのツインギターから爆音に次ぐ爆音、地蔵のライブは鼓膜が終わってから聞こえて来るものがあり、着実に年月をかけて磨き上げた燻銀のかっこよさがそこにはあります。
演奏を終えた地蔵パイセンにフラフラ寄って行って今日マジヤバかったっすわ〜!と言い、いやいやと照れ臭そうな臼井さん、いやあ尾上君も〜と阿久根さん、そして芥川さんはいつものようになんだか悔しそうに何かをぼやいている。
その御三方の姿そのものが上品でパンキッシュでただただかっけえっす。
福岡を拠点に活動するバンドaldo van eyck にてボーカル、ギター、トランペット、ピアノを担当。
尾上朋洋
X(旧Twitter): @onoue_skmk
Instagram:@onoue9593
aldo van eyck
X(旧Twitter):@aldovaneyck
Instagram:@aldo_van_eyck
小野雄大が選ぶ、2023年「記憶に残るすれ違っただけの人」ベスト1
【先日話しかけられた、あるお婆さん】
2023年もたくさんの場所に足を運びました。ここ数年でも特に出会いの多い年だったと思います。彩ってもらった出来事は多岐に渡りますが、パッと思いついたのが「出会いにもならないすれ違った人たち」。「ライブするなら俺を呼べ!」や、「私の人生は歌になる」、「あなたはまだ何か隠してる」など、その時々で強烈なワードをくれた、すれ違い人が多かった中選ばれたのは「私はジャネット・ジャクソンのコーラスを断った」というお婆さんです。
先日ギターを背負って町を歩いていたところ、突然話しかけられ「私はこの町で4回クソババアと言われた」とサビから始まり、次第に自身の音楽の経歴らしき話に。その中で残してくれた一言です。「スナックにはよくいくけど私はあまり歌わないようにしてる。私の歌は金になるから」と言って去っていきました。来年もこのようなすれ違いがたくさんある色鮮やかで平和な一年になるように心から願っています。
1990年生まれ、新潟県出身。関東を中心に全国あらゆる場所を回るシンガーソングライター。
2023年8月ライブ会場限定CD『あこがれGOLDEN』発売。
弾き語り、バンドセット形態でのライブのほか、CM参加や楽曲提供など精力的に活動中。
Webサイト:https://ydon79.amebaownd.com/
X(旧Twiiter):@ydon79
Instagram:@ydon79
きむらさとしが選ぶ、2023年「サポートバンド」ベスト1
【クマイルス】
開口一番、自分の参加バンドに優劣をつけるような不届き者だと思われそうで大変怯えているのですが、特にめちゃくちゃエキサイティングな記憶が多かったという意味でこのテーマで書かせていただきました。
僕が選んだバンドはカンボジア・ロックバンド「クマイルス」です!
僕は2019年頃からサポートとして参加したのですが、去年からジワジワ勢いがつき、今年に入ってグッと活発になっていきました。また、メンバー同士のルーツの違うからこそ生み出せるサウンドで、カンボジア・タイコミュニティのみならず多くの日本人を魅了し、下半期にその勢いは増し、LAのバンドBrain Storyの前座を務め、12月上旬にはJ-WAVEで生出演までしてしまったのです。一方TikTokでは10万回再生もされてしまったいるという……。
何の気なしに乗り込んだ東南アジアの船が、思いもよらぬ潮に乗せられてずんずんと進んでいくのを、渦中でありながら驚きつつ眺めています。演奏の場所もライブハウスにとどまらず、カンボジア料理屋やフィリピンパブ、代々木公園の広場など幅も広く、お客さんも日本人の方が少ない日だってあります。
今までの自分の視野の狭さや、普段聴く音楽のジャンルがひとつ増えた嬉しさなど、プライベートをも変えてくれたバンドだな、とつくづく思う1年でした。
来年にはレコーディングも控え、去年にも増して活動の場が広がりそうで、また面白いところに連れて行ってもらえるかと思うと、ワクワクするばかりです。
2023年、心なしか暖かな風を浴びた年となりました。ご興味のある方、是非ライブに足を運んでみて下さい!
Twitter:https://x.com/nkhmers
Istagram:https://www.instagram.com/leskhmers.rom
1996年福岡県生まれ。ドラマー、シンガーソングライター。音楽好きの両親の下に生まれなんとなく音楽を志す。2015年に上京し、さまざまなバンドに関わる。現在参加しているバンドは、MURABANKU。、棚木竜介と図書館、クマイルス、山瞬、葛飾出身バンドなど。
Twitter:https://x.com/satoshibireru
Instagram:https://www.instagram.com/satoshibireru
久米凜太郎が選ぶ、2023年「まだやってないボードゲーム」ベスト1
【Otaru-1899-】
私の2023年を最も彩った(はずだった)ボードゲームは、うちばこや出版の『Otaru-1899-』である。
こだわりの木駒や素敵なアートワークに惹かれて購入したものの、いざ開封しパーツを揃えてすっかり満足、美しい外箱を飾って眺めるだけで未だ留まっている。
実のところ、前作『Sapporo-1876-』も同様に隣で佇んだままだし、なんなら北海道には行ったことすらない。
「ボードゲームは遊んでなんぼ!」と誰が言ったか知らないが、飾るだけでも美しく、趣深いコンポーネントが所狭しと詰まったこの夢の箱こそが、日々の生活を彩っているといっても過言ではない。増え続ける動画配信サービスの(あとで見る)マイリスト、棚から溢れたジャケ買いレコード、手を伸ばせばいつでも届くぞ!というこの事実こそ、ささやかな幸せと言えるだろう。(いいからさっさと遊べ!)
どこへ行くにも人出の多い年末年始、こたつを囲んでまったり過ごそうという同志は、ぜひこの美しいボードゲームを手に入れ、じっくりと眺めて寝過ごしてみてほしい。
NPO事務職員。たまにひっそりと写真を撮る仕事もしている。LIVEとボードゲーム、日々の生活を彩る家具や食器たち、旅先で出会うレコード屋が好き。おいしい珈琲とカレーがあれば大満足。
X(旧Twitter):@rinrin2514
Instagram:@rinrin2514
クララズが選ぶ、2023年「行きずりの人」ベスト1
【シンガポール人のKさん】
夏の香港。宿の相部屋でなんとなく言葉を交わすようになったKさんと、近くの低い山(丘)を登った。明るく社交的なKさんは英語も広東語も話せて、すれ違う人に「ここはなんて山?」「あと何分で頂上に着く?」など情報をどんどん仕入れてくれて心強かった。私との共通の話題として、日本の歌謡曲について話してくれた。
「“すばる”は知ってるよ。誰の曲だっけ、あの有名な」
恥ずかしながら当時の私は”すばる”のことを知らず、答えられなかった。Kさんが歌い出すも私の様子は変わらない。
「嘘でしょ!この曲で彼は世界的に有名になったの!あなたはニュージャパンね」
その歌手が気になりスマホで調べると、すぐに名前が出てきた。谷村新司か!曲を知っていたらきっともっと盛り上がったのに。それでもKさんと見た山からの景色は美しかったし楽しかった。山を降りたあと、名前だけ教え合って別れた。
今年の10月に谷村新司が亡くなり、世間で生前の彼が振り返られると、“昴-すばる-”をよく耳にした。私はKさんのことを思い出した。久しぶりに旅先で仲良くなった行きずりの人だった。
作曲家としての活動を経て、宅録制作から始まったソロユニット。魅力あるメロディと風景をとらえるような歌詞を、カラッとした歌声で描く。また日常や旅先で起きた出来事を細かに記録し、日記も公開している。
Webサイト:https://linktr.ee/clalas
こーしくん(少年キッズボウイ)が選ぶ、2023年「コミュ力を爆上げする構文」ベスト1
【PREP構文】
こんにちは。少年キッズボウイという激よわインディーズバンドのフロントマン兼コンポーザー、こーしくんと申します。
本日、皆さんにご紹介するのは日常の煩わしいコミュニケーションを極端に改善してしまう奇跡の構文、『PREP構文』です。
『PREP構文』とは、論理的で説得力のある文章を作るテンプレートの1つとなります。構文の構成自体は以下です。
P・・・POINT(結論)
R・・・REASON(なぜなら)
E・・・EXAMPLE(例えば)
P・・・POINT(結論)
文章を作る際に、まず要点を述べてから理由と例を挙げ、最後に結論で締め括る、といったシンプルなものになるのですが、これがめちゃくちゃ使えます。
僕は本業が限界リーマンなんですが、そっちの方で受けたコンテンツマーケティング研修でこの構文を知りました。
コンテンツマーケティング用に記事を執筆する時よりも、むしろ日常生活の方でめちゃめちゃ使えるんです、これが。
「なんかゴチャゴチャ言ってるけど、要するにおまえは何が言いたいねん!!」と思った経験、皆さんもあると思います。
部下がモジモジしながらミスの報告してきた時、田舎のオカンからの電話、大学の講義、政治家の答弁……
全部これで対応できます。
「「PREP構文で喋れ!!」」
皆さんも是非やってみてください。
余談ですが、僕は少年キッズボウイの曲でもPREP構文を使っています。
(POINT)
明日なんかいらねーよ。
(REASON)
この夜は永遠だから
(EXAMPLE)
膝の震えが止まるまでずっと何時間でも待てるぜ~(中略)
(POINT)
明日なんかいらねーよ。いらねーよ!!
てな感じです。PREP構文をマスターするためにも、皆さん2億回再生よろしく!
🐕配信⤵️
https://shonenkidsboy.lnk.to/shonenkidsboy1
了。
東京で活動する8人組のわんぱくバンド。メンバー全員がミュージックラバーであることから、音楽愛溢れるオマージュ&引用を多用して“面白い曲”を日々製造中。
またメンバー全員社会人であり、漫画、ファッション、映画などカルチャーの接点が多く、様々なコンテンツをSNSに投稿するなど、その活動スタイルも注目を集めている。
Webサイト:https://shonenkidsboy.wixsite.com/website
X(旧:Twitter):@shonenkidsboy
kott(岡田康孝、粉川心、髙橋賢一)が選ぶ、2023年ベスト1
岡田康孝が選ぶ、2023年「最も出会えたことに感謝をした楽器」ベスト1
【Mbira(ンビラ)】
僕が今年出会い、深くのめり込み続けている楽器、それがMbira(ンビラ)です。Mbiraはアフリカ、ジンバブエに住む民族、ショナ族の古来からの民族楽器。先祖の霊や精霊と交信するために演奏されてきた楽器です。文化も生き方も全然違う、ジンバブエの人々。
しかし、先祖を大切に想い、精霊への礼節を重んじる感覚は日本人に深く通ずるものがあるように感じます。その音は独特な音階でチューニングされていて、倍音を豊かに含み、澄んだ音で優しく空間を満たします。そんなMbiraのサウンドは僕の心の中のエネルギーに共鳴し、深く瞑想するように時間を忘れて弾き続けてしまいます。
音楽で世界を旅し、その地で出会うたくさんの目には見えない精霊達とMbiraを通じて交信出来るようになりたいと、日々練習を重ねながら思っています。
京都在住。
kott ベース、シンセサイザー担当。
コントラバスと共に歌えることを感謝して、一音一音に命を込めて全身全霊で世界に表現をリリースする。 激しさも、静けさも、色も、温度も、感情を音楽に換えてコントラバスと共に歌う。
粉川心が選ぶ、2023年「人生を変えた趣味」ベスト1
【ショアジギング(海釣り)】
今年出会って衝撃を受けたものはショアジギング(海釣り)です。
古代中国のことわざにも、
一時間、幸せになりたかったら酒を飲みなさい。
三日間、幸せになりたかったら結婚しなさい。
八日間、幸せになりたかったら豚を殺して食べなさい。
永遠に、幸せになりたかったら・・・ 釣りを覚えなさい。
とあるようにその力は凄まじく、ましてや日本は恵まれ過ぎたミネラル豊富な海に囲まれた国でもあり、この国に生まれて釣りをしてないなんて信じられないくらい損をしていると今年始めてから強く感じました。景色も綺麗で気持ちよく、早寝早起きも促進され、程よく身体も動かせて、ハマチ、サワラ、キジハタ、カサゴ、スズキ、ヒラメ、タイと陸から手軽に美味しい魚を釣る事が出来るという最高の遊びです!オススメ!
粉川 心 / SHIN KOKAWA
1984京都生まれ京都在住。
TAMA/Bosphorus/Regaltip/エンドーサー。
kottドラム担当。
ドラムを通じて音楽表現を探求する中で、自然信仰や禅の持つ日本特有の美的観念に共鳴し、フリージャズ、スピリチュアルジャズ、民族音楽、環境音楽、ハードコアなどを飲み込んで、生楽器が持つ原始的な強く美しいサウンドに、瞬間の感性を落とし込む即興独奏家。
髙橋賢一が選ぶ、2023年「出会った言葉」ベスト1
【狂気と暴走】
とあるパーティでのことだった。名だたる著名人や財界人が集う場所で、広大なガレージに高級車がずらりと並び、僕は大富豪に囲まれながらぽつんと座っていた。
すると、ある大企業の創始者が僕の隣に腰掛けた。何度か面識があり、いつも気さくに声をかけてくれる人だ。漂う気品と共に、圧倒的なオーラを放っている。僕はいつも気になっていた質問を、思いきって投げかけた。
「挑戦することは怖くないんですか?」
すると彼は遠くを見ながら淡々と「情熱と希望は誰でも持てる。狂気のレベルじゃないと、冒険することはできない。これは、狂気と暴走だ」と答えた。彼の目は鋭く、しかしその奥は少年のように輝いていた。
自分の想像の範囲を越えた衝撃と面白さに思わず笑ってしまったが、それと同時に、全身の血が熱くなっていった。強いシンパシーを感じたからだ。自分にも狂気と暴走がある。だからこそ挑戦したい、そして死ぬまで自分がやりたいことをとことん突きつめて、行けるところまで行こう。迷いを断ち切り背中を押してくれた、今年一番の言葉。「狂気と暴走」
kott ピアノ担当。静かに広がる波紋のような繊細さと、スリリングで鮮烈な世界を併せ持つ。自然や空間のゆらぎと一体化し”音を授かるような感覚”を基にしたその自然発生的な演奏は、流れ、広がり、変容し、瞬間的な煌めきと美しさを創り出す。聴く人の感覚的な世界を開き、何かを感じてほしい」という想いから、日々ライブや配信等で音楽を発表し続け、その独創的な世界が高く評価されている。
佐藤大地が選ぶ、2023年「ガチ泣きしたマンガ」ベスト1
【『あかね噺』八巻】
今年は新規含む2つの野外フェスを開催し、多忙な一年となりました。フェスを面白くするためには様々な体験や自分への刺激が必要なので、割と無理して未訪の土地や店に足を運んだり、新しいマンガや本を読むようにしてます。
その中で特に印象的だったのがこの『あかね噺』。落語家の父を持つ主人公が、厳しくも奥深い落語の世界に入り、ライバルたちと切磋琢磨しながら成長していく『週間少年ジャンプ』の連載マンガ。
ストーリーが古典落語の噺とシンクロしながら展開していく二重構造になっており、緻密に練り込まれたプロットで完成度が高い。この八巻も作者が意図的に仕掛けた泣けるポイントがあり、私はそれにまんまと撃ち抜かれたという感じです。
正直、マンガでこんなに泣いたの初めてというくらいボロ泣きしました。ハイライトは主人公のあかねが演じる「替り目」で手を合わせるシーン。マンガ史上に残る美しいシーンだと思います。
兵庫県の野外フェス『ONE MUSIC CAMP』と『ARIFUJI WEEKENDERS』主催チームの一人。
マンガと猫が好き。
『ONE MUSIC CAMP』Webサイト:https://www.onemusiccamp.com
『ARIFUJI WEEKENDERS』Webサイト:https://arifuji.com
柴田真希(ANTENNA)が選ぶ、2023年「ロイヤルホスト」ベスト1
【新宿三井ビル店】
今年もたくさんのロイホ(ロイヤルホスト)を見かけました。別府のフェス『いい湯だな!』に行った時も街を回る時のランドマークになってくれたり、引越し先を探している時には仙川駅前店の丸い看板に心を奪われたり。
でも、結局一番通ったのは新宿三井ビル店。オフィス街に佇むからか、夜行くと周りは比較的暗闇の中、煌々と光るオレンジネオンが魅力的なお店です。ここのロイホの良いところは、会社帰りの人以外通らないような場所にあるからか、お客さんがみんな「ロイホに来る」ことを目的にしていそうな、愛情に包まれている信頼感。この空気は、ワンマンライブ終わりのライブ会場に似てる気がする!入り口入って奥の丸テーブルは、夢。案内されたことがないけれど、いつか座ってみたい。今年もロイホにはたくさんお世話になりました。年内最後のロイホは桜新町店を予定しています。
ANTENNAライター
97年生まれ、みずがめ座。中央線・西荻窪→小田急線・成城学園前。ANTENNAのほかMusicmanなどで執筆。窓のないところによくいます。
ショーウエムラが選ぶ、2023年「ボーカル」ベスト1
【マーヴィン・ゲイ】
「ショー君の歌声って色気あるよね」と言われたことがある。
何のこっちゃ分からんかった。 そういう風に捉えたことがなかった。
先日、だいぶ前にCD買ったけどあんましピンと来なかったマーヴィン・ゲイを久々に聴いてみた。
なんじゃこれは。。
こんなエロい歌い方があるのか。 そういう風に捉えてなかった。
この歳になって『Revolover』の1曲目を初めて聴いた中学の時と同等の衝撃が来るとは。
リピートしすぎて“Let’s Get It On”のイントロのギターまでエロく聴こえる始末。
冒頭の言葉を思い出す。自分の歌に感じていた物足りなさ。って色気なんちゃいますの。
言葉を一つずつ丁寧に歌う。 雑ではエロくならない。 変な気恥ずかしさを捨てる。 照れてはエロくならない。 いや恥ずかしいのは逆にエロいかもしれない。
いったい何を言うてるんですか。
今月から俺の歌い方は少しエロくなっている。
誰のせい?それはあれだマーヴィンのせい。
歌う人。アフターアワーズのベースボーカル(2023年で活動休止)。
来年はさらに歌いたいっす。
音楽雑談Podcast『だいなしラジオ』毎週木曜17時頃更新。
X(旧Twitter):@sho__show
Instagram:@sho___uemura
鈴木哲也(Penguinmarket Records)が選ぶ、2023年「まちにまった復活」ベスト1
【鴨川湯復活】
今年もいろんな復活があったと思うが、京都北大路エリアに本拠地を置く我ら《Penguinmarket Records》にとっては〈鴨川湯〉がまちにまった復活だった。
賀茂川の素晴らしい景観が特徴的なこの街は、様々なカルチャーが融合して、エリアのカラーを長年作り上げられてきた。その中でも銭湯の存在は欠かせず、多種多様な人の生活・憩いの場として成り立ってきており、復活後もそういう存在であり続けている。この秋は京都で展開するアンビエント・ミュージックの祭典『AMBIENT KYOTO』とのコラボでコーネリアスが選んだプレイリストがサウナで流れるなど、音との親和性も高い。レーベルの展開をサウナや風呂でくつろぎながら考えたり、お客さんとロビーで音楽の話したり、ライブのフライヤーを貼ってもらったりと、我々にはとっては非常に大切な存在。
2024年は北大路同士でなにか一緒にできると嬉しいなと勝手に思っている。
Penguinmarket Records代表/ oaqk / 結いのおと実行委員会 / 「働きながら音楽活動をする」主催。
2002年より自身のバンドoaqkで活動すると共に、2017年から《Penguinmarket Records》副代表を経て、代表に就任。『TOHOKU JAM』、『PARKROCK ISHINOMAKI』、『結いのおと』、『音つなぎアコースティックフェス』などの各地の音楽フェス企画運営にたずさわる。
Webサイト:https://penguinmarket.net/
Instagram:@tetsusuzuki
砂の壁(青木、大見、オボ、マオ)が選ぶ、2023年ベスト1
青木(Key)が選ぶ、2023年「インターネットコンテンツ」ベスト1
【ぽこピーランド】
ピーナッツくん、甲賀流忍者ぽんぽこさんは自主制作ショートアニメ『オシャレになりたい!ピーナッツくん』のキャラクターから始まり、2Dアニメに3Dモデル、着ぐるみにパペットと2次元・3次元問わずマルチな活躍を見せるVtuber。そんなぽこピーのお二人が有志の技術者らと共にVRChat上に作り上げたバーチャルテーマパーク、ぽこピーランドが2023年開園の時を迎えました。ぽこピーの軌跡がこれでもかと詰まった珠玉のインターネットコンテンツの一つです。
2023年はバーチャルだけでなく、スイーツパラダイスぽこピーランドコラボ、続・ぽこピー展、アニメイトぽこピーオンリーショップなど 、リアルコンテンツの充実も印象的で、どれも素晴らしいものでした。自分がぽこピーに出会ったのは2018年4月頃なので気が付けば追い続けて5年半以上になりますが、今後の活動からも目が離せません。
大見(Dr)が選ぶ、2023年「グッときた本」ベスト1
【『若き詩人からの手紙』リルケ 著】
ライナー・マリア・リルケという詩人が、詩人を志す若者に綴った手紙をまとめたものです。たしか、映画『アメイジング・スパイダーマン』などに出演する俳優アンドリュー・ガーフィールドが役に恵まれなかった頃に読んでいたとか、そんな記事をどこかで読んで手に取った記憶があります。
ざっくりした内容としては、芸術に臨む理由は自分の内側に探せ、孤独に向き合え、ということが強調されていた気がします。自分がドラムを叩くことは芸術なんて高尚なものではないと思いますが、今年は音楽を通して関わる人も増え、色んなところに意識の向いた年でもあった中、この本を読んで改めて自己と向き合うことについて考えた気がします。あんまり本読まないけどたまにはいいですね。
オボ(Vo / Gt)が選ぶ、2023年「喜び出来事」ベスト1
【1st EP『GUMBO』リリース】
われわれのバンドとして、はじめてCDを出せたことが、いちばんの喜びでした。
これまで人にふるまうものといえば、料理くらいだったのですが、そんな自分がCDをふるまうようになるとは。そしてそれを買ってくれる人がいるとは!色々な時間の過ごし方がある中で、ライブを見よう、音源を聴いてみようと少しでも時間を使ってくださった皆様に、ありがとうという気持ちを持ち続けたいです。
まだ聴いていない方は、ひと仕事終えた帰り道に1曲目から聴いてもらうと、ちょうどいい夜のお散歩になりますので、ぜひ。
マオ(Ba)が選ぶ、2023年「たべものとの出会い」ベスト1
【謝花きっぱん店の冬瓜漬け】
冬瓜漬けとの出会いは、ゆいレール儀保駅近くのお菓子屋さん『榮椿(えいちん)』にて。ジリジリと日差しが照り付ける9月の沖縄で、地物素材を使った「あんこ玉のパフェ」を食べました。丸くてキュートなあんこ玉の中には細かく刻んだ謝花きっぱん店謹製の沖縄伝統菓子「冬瓜漬け」が包み込まれていて、ジャリジャリした食感と自然で優しい甘さは滋味の一言に尽きました。
帰京後も冬瓜漬けの美味しさを忘れられずお取り寄せ。薄くスライスしてチーズとともに酒肴としたり、細かく刻んでアイスクリームに乗っけたりと様々な食べ方を試しましたが、記憶を頼りに再現した「あんこ玉」がとりわけ良い味でした。作ったものを職場に持ち込み後輩に食べさせたり、自らもあんこ玉になりたいと願い、布団にくるまったりもしました。
今年は自身を取り巻く人間関係の変化もあり、とりわけエッジィなたべもの選びをしてきました。2024年もたべものとの良き出会いがたくさんありますように。
2019年活動開始。2020年4月より現行の4人体制となる。
研究職、システムエンジニア、コンサルタント、コピーライターとそれぞれの職業を持ちながら、音楽活動を行う。フォークやロック等様々な音楽を濃縮し、キーボードとギターのダブルリード編成で表現。
X(旧Twitter):@sunanokabe
スーパーノア(井戸健人、岩橋真平、岡村寛子)が選ぶ、2023年ベスト1
井戸健人(Vo / Gt)が選ぶ、2023年「今年の1冊」
【『手軽 あっさり 毎日食べたい あたらしい家中華』酒徒 著】
どのレシピも美味しく、ほぼ毎日の食卓に登場しています。「油の量を測る」「ニンニクや生姜を先に炒めて香りを出す」など誰にでも再現可能なコツで、本格的な中華がホカホカの湯気と共に立ち現れます。調理も簡単で成功率が高く、食材も一般的なスーパーで入手できるものばかり。鉄鍋が必要ですが、お持ちの方には食い気味でオススメしたい1冊です。
岩橋真平(Ba)が選ぶ、2023年「手放せなかったもの」ベスト1
【La-VIE「やわこ」】
2023年を振り返り、一言で総括するとまさに「体調悪い」一年でした。
とにかく毎日どこか痛い。膝、肩、首、腰……。特に腰痛が本当に辛く、夜中に自宅のリビングで動けなくなり、ラオウのように拳を突き上げ立ったまま絶命することもしばしばでした。
そんな時に頂いたのが「やわこ」というストレッチボール。テニスボールが2つ繋がったようなシンプルな形ですが、使ってみたらこれがめっちゃ良くて、それ以降の生活は常にやわこと共にありました。
何度やわこで中臀筋、梨状筋あたりをほぐしたことでしょうか。やわこがあったからこそ、こうしてパソコンの前に座り文章をしたためることもできているのです。ありがとう、やわこ。
とにかく手放せなかった一品です。腰が痛くてお悩みの方は是非お試しください。
そして、本当にヤバかったら病院に行きましょう。腰痛、舐めたらあかん。
岡村寛子(Key)が選ぶ、2023年「ハマったテーブルゲーム」ベスト1
【おばけキャッチ】
今年は、仕事でもプライベートでも子どもたちと遊ぶ機会が多く、たくさんのテーブルゲームに出会い、すっかり虜になってしまいました。その中でもゲームの面白さに衝撃を受けたのがドイツ生まれの「おばけキャッチ」。
山札からめくったカードを見て、場にある5つのコマから正解のコマを早く取るスピード系ゲームです。子どもも大人も本気で遊べることが最大の魅力でもあり、簡単なのに瞬発力や思考力が必要となるので、普段なかなか使わない頭をフル回転させて楽しむことができます。テーブルゲーム初心者でも楽しめる一家に一セットのおすすめゲーム。コマが木製でできているのも暖かみがあって、かわいいんです。
他にも「ゴブレットゴブラーズ」や、「マンカラ」などオススメがたくさん。ちなみに、まさかハマるとは思わなかったゲームベスト1は「ポケモンカードゲーム」です。
2004年結成。京都を中心に活動開始。全国各地にてライブ活動を精力的に行い、2009年に『雨の惑星、ステレオの向こう』をリリース。千原兄弟のコント・ライヴ『ラブ』に楽曲が全面的に使用されるなど、好評を得る。2017年6月には《SIMPO RECORDS》から初のフルアルバム『Time』、2018年にはEP『素晴らしい時間』をリリース。2023年1月には、約5年ぶりとなるEP『ぬくもりはたしかに』を発表した。
Webサイト:https://supernoah.net
X(旧Twitter):@_supernoah_
Instagram:@supernoah_official
SEOが選ぶ、2023年「ビックリするくらいストリーミング再生された曲」ベスト1
【Mitski "My Love Mine All Mine"】
Mitski “My Love Mine All Mine”です。
日系アメリカ人シンガーソングライター”Mitski”による、今年の9月にリリースされた7枚目のスタジオアルバム最新作『The Land Is Inhospitable and So Are We』からのシングル曲なのですが、まずはTiktokで火がついて、そこからSpotify Global Chartの3位(!)までかけあがる、あれやあれやの超ヒット!インディーの域を飛び越えたチャート・アクションには、ファンだけでなくMitski本人も?ビックリしたことでしょう。
「この世界に私のものと言えるものは何一つない、でも私の愛だけは私のもの」という、彼女らしい世界観のリリックとサウンドスケープ。そこから感じられるのは、孤独な現代においてたったひとつの寄りどころとして信じられる、かけがえのない愛情。それはさながら母性のような安らぎを与えてくれるんです。
それが世界中の人たちに聴かれ、いま愛され続けている所以なのかもしれません。
また、いわゆる「子守歌」にはなれないのがオルタナティヴとしても最高なんです。
関西で活動するロックDJ
『GROOVER』 第3金曜@NOON+CAFE
『BRITISH PAVILION OSAKA』第3水曜@NOON+CAFE
『ALTER-NITE』第4水曜@Mizu no Oto
『GEEKS』年4回@大阪市内某所
などのレギュラーイベントを主宰している。
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地域に根ざした世界中のインディペンデントな「人・もの・こと・場所」をおもしろがり、文化が持つ可能性を模索するためのメディアANTENNAです。
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