EVENT

第15回 京都ヒストリカ国際映画祭

MOVIE 2024.01.12 Written By 乾 和代

世界には類をみない「歴史映画」をテーマにした『京都ヒストリカ国際映画祭』が1月23日(木)から28日(日)の6日間に渡り〈京都文化博物館〉にて開催される。記念すべき15回目となる今回の見どころは、 歴史映画をハブにした多彩な連携企画だ。

 

まずは、「ヒストリカ・スペシャル」として実施されるTVアニメ『ONE PIECE』の上映とトークイベントだ。2023年12月にワノ国編の放送が完結したことを機に実現したというこの企画。時代劇の要素も存分に盛り込まれたワノ国編の制作に関わったクリエイターがどのようなことを語るのか、彼らが選ぶ2作品の上映と併せて見逃せない。

<オープニング映像>TVアニメ『ONE PIECE』ワノ国編

世界の新作歴史映画からヒストリカが厳選した作品を上映する「ヒストリカ・ワールド」では、独特なビジュアル“LOOK”にこだわり選ばれた4作品がラインナップ。ロシアのファンタジー作家、アレクサンドル・グリーンの『真紅の帆』からインスピレーションを得たという『スカーレット』(22年 監督:ピエトロ・マルチェッロ)をはじめ、すべてが日本初上映作品だ。

 

「ヒストリカ・フォーカス」では、‟LOOKが違う、世界が違う、刺激のレベルが違う挑戦者たち!”と題し、黒澤明監督の『用心棒』(61年)やデヴィッド・フィンチャー監督作『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(08年)など、クリエイターがまだ見ぬ映像表現へと挑戦した作品をピックアップ。新たな視点で作品を楽しむことができる。

 

ほかにも、イタリア文化会館-大阪と連携した特別プログラムは本映画祭の目玉のひとつ。今年はVRを含む3作品の上映が予定されている。中でも『ボローニャ復元映画祭』と連携した企画では、ルキーノ・ヴィスコンティ監督作の名作『山猫』(63年)の世界を美しい4K修復版で堪能できる。

新たな試みはこれだけではない。『ヒストリカ お座敷』として関西を中心に活躍する映像クリエイターや映画関係者など、幅広いゲストを迎えたカンファレンスイベントも予定されている。今年の大河でも紫式部が主役の『光る君へ』が話題だが、清少納言が生きた日々を描いた映画『つるばみ色のなぎ子たち』を制作中の片渕須直監督を招いてのトークや関連展示も行われるとのことだ。

 

これまで時代劇というコンテンツを育んできた京都だからこそ実現できた、‟歴史映画”を多角的に体感できる映画祭。この機会に、変わり続ける時代劇の世界に触れてみてはいかがだろうか。

第15回 京都ヒストリカ国際映画祭

日時

2024年1月23日(火)~1月28日(日)

会場

京都文化博物館 3F フィルムシアター、6F 和室、1F ろうじ店舗

料金

①~④:前売券 / 1,100円 当日券 / 1,300円
⑤、⑥:要事前申込み 無料
    ※2024年1月13日(土)より募集開始。
⑦、⑧:前売券 / 800円 当日券 / 1,000円

 

①ヒストリカ・ワールド

②ボローニャ復元映画祭–チネテカ・ディ・ボローニャ連携企画『山猫』
③ヴェネツィア・ビエンナーレ-ビエンナーレ・カレッジ・シネマ提携企画『カメのように』
④京都フィルムメーカーズラボ連携企画–カムバックサーモン・プロジェクト–『桜色の風が咲く』
⑤ヒストリカ・スペシャル TVアニメ『ONE PIECE』ワノ国編
⑥第14回京都映画企画市 『うつつの光、うつる夜』

⑦ヒストリカ・フォーカス 各作品
⑧松竹下加茂撮影所創立100周年記念『狂った一頁』

※『MONO』、「ヒストリカ お座敷」、「HISTORICA X(クロス)」は無料。

チケット

1)チケットぴあ
  ※チケットは、2024年1月13日(土)より、チケットぴあで販売開始。

2)京都文化博物館3F映画祭受付にて販売
  ※前売券 / 当該作品の上映日前日まで

   当日券 / 当該作品の上映日当日、販売時間:各日10時~19時まで

主催

京都ヒストリカ国際映画祭実行委員会
(京都府、京都文化博物館、東映株式会社京都撮影所、株式会社松竹撮影所、株式会社東映京都スタジオ、巌本金属株式会社、株式会社ディレクターズ・ユニブ、立命館大学、株式会社Skeleton Crew Studio)

京都ヒストリカ国際映画祭

2009年からはじまった「歴史映画」をテーマに京都にて毎年開催している国際映画祭。傑作時代劇はもちろんのこと、世界中からあつめた最新の歴史映画や、国内外の映画祭と連携した作品の上映などを行っている。
Webサイト:https://historica-kyoto.com/

WRITER

RECENT POST

COLUMN
【2024年4月】今、大阪のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
【2024年4月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
【2024年3月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
REPORT
Homecomingsのターニングポイントで実現した、くるりとの特別な一日
COLUMN
【2024年2月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
【2024年1月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
REVIEW
Summer Whales “Burden” – 新しい兆しを感じる、スローバラード
COLUMN
【2023年12月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
HOT UP MUSIC 2023 ニューカマーPICK UP
REPORT
2日目の『京都音博』に感じた“らしさ”の理由 -『京都音楽博覧会2023』ライブレポートDay2
REPORT
邂逅の先に芽吹いた、 新しい景色-『京都音楽博覧会2023』ライブレポートDay1
REPORT
ボロフェスタ2023 Day3(11/5)- 違う景色を“DO IT YOURSELF”で描く。それ…
COLUMN
【2023年11月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
【2023年10月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
INTERVIEW
この先もCHAINSとしてバンドを続ける決意の1枚 ー『decades on』インタビュー&全曲解説
COLUMN
【2023年9月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
REPORT
ナノボロ2023 Day1(8/26)‐ 4年振りに体感した熱量、これが『ナノボロ』
INTERVIEW
“捨てる”は、あの場所にかえる動機になる? 集う人と『森、道、市場』をつなぐ…
COLUMN
【2023年8月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
INTERVIEW
ターニングポイントは『るろうに剣心』。映画のまち京都で、時代劇のつくり手と奮闘する映画祭のはなし
COLUMN
【2023年7月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
INTERVIEW
自由な即興と枠組みの楽曲。三者三様の即興アーティストが矛盾を昇華させるバンドkottをはじめた理由と…
COLUMN
【2023年6月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
【2023年5月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
【2023年4月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
REPORT
くるりの原点に戻れる場所〈拾得〉でみせたバンドとしての最新型
COLUMN
【2023年3月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
【2023年2月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
REPORT
3年越し、初の磔磔のワンマンでCuBerryが開いた未来への扉
COLUMN
【2023年1月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
【2022年12月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
【2022年11月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
REPORT
ボロフェスタ2022 Day1(11/3)-帰ってきた、ライブハウスと地続きの“日常”
REPORT
京都音楽博覧会2022 in 梅小路公園 ライブレポート
COLUMN
【2022年10月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
INTERVIEW
人と人をつなぎ価値を創る。『京都音楽博覧会』を起点に拡がる、足立毅が目指すまちづくりとは
COLUMN
【2022年9月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
REPORT
乾和代の見たナノボロ2022 day1
COLUMN
【2022年8月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
【2022年7月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
【2022年6月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
【2022年5月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
【2022年4月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
【2022年3月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
INTERVIEW
「くるりの25回転」のライブ感を配信でも届けたい!~エンジニア谷川充博の音づくりの舞台裏~
COLUMN
【2022年2月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
INTERVIEW
カタチを変えて巡り合う、CuBerryと音楽のルーツたち
INTERVIEW
よそ者がつなげた京都のシーン ‐ 折坂悠太と重奏 –
REPORT
乾和代が見たボロフェスタ2021 Day5– 2021.11.6
REPORT
京都音楽博覧会2021 at 立命館大学 オンラインライブレポート
REVIEW
くるり – 天才の愛
INTERVIEW
街並みを守っているのは誰?今知りたい、景観のはなし
INTERVIEW
Vol.2 民族楽器 ねじれが生んだ、今“ポップ”なサムピアノとは
REPORT
京都音楽博覧会 2020 in 拾得 オンライン ‟配心”ライブレポート
REVIEW
くるり – thaw
INTERVIEW
『?』から『Hotokeno』へ。オオルタイチ20周年の軌跡
REPORT
京都音楽博覧会 2019 in 梅小路公園 ライブレポート
INTERVIEW
【実は知らないお仕事図鑑 P6:『ギア -GEAR-』プロデューサー】小原啓渡
ART
REPORT
くるり『列島ウォ~リャ~Z』ツアーファイナル @磔磔 ライブレポート
INTERVIEW
私たちがアンテナをやる理由。【副編集長・フォトグラファー岡安編】
INTERVIEW
【実は知らないお仕事図鑑 P5:音響ケーブル職人】タケウチコウボウ / 竹内良太
INTERVIEW
『下鴨ボーイズドントクライ』篠田知典監督インタビュー 彼の作品に映し出される”リアル”を形づくるもの…
REPORT
『音楽ライター講座』特別トーク・イベントレポート レコーディング・エンジニア谷川充博が教えてくれた、…
COLUMN
【くるりメジャーデビュー20周年 特別企画】君は12枚を選べるか?くるりファン3人による くるりアル…
REPORT
京都音楽博覧会2018 in 梅小路公園 ライヴレポート
REVIEW
Laura Gibson – Empire Builder
REVIEW
The Velvet Rope – Janet Jackson

LATEST POSTS

COLUMN
【2024年4月】今、大阪のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト

「大阪のインディーシーンってどんな感じ?」「かっこいいバンドはいるの?」「今」の京都の音楽シーンを追…

REVIEW
aieum『sangatsu』―絶えず姿形を変え動き続ける、その音の正体は果たして

沖縄出身の4人組バンド、aieumが初となるEP『sangatsu』を2024年3月20日にリリース…

INTERVIEW
新たな名曲がベランダを繋ぎとめた。 新作『Spirit』に至る6年間の紆余曲折を辿る

京都で結成されたバンド、ベランダが3rdアルバム『Spirit』を2024年4月17日にリリースした…

COLUMN
【2024年4月】今、東京のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト

「東京のインディーシーンってどんな感じ?」「かっこいいバンドはいるの?」京都、大阪の音楽シーンを追っ…

COLUMN
【2024年4月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト

「現在の京都のインディーシーンってどんな感じ?」「かっこいいバンドはいるの?」「今」の京都の音楽シー…