第15回 京都ヒストリカ国際映画祭
世界には類をみない「歴史映画」をテーマにした『京都ヒストリカ国際映画祭』が1月23日(木)から28日(日)の6日間に渡り〈京都文化博物館〉にて開催される。記念すべき15回目となる今回の見どころは、 歴史映画をハブにした多彩な連携企画だ。
まずは、「ヒストリカ・スペシャル」として実施されるTVアニメ『ONE PIECE』の上映とトークイベントだ。2023年12月にワノ国編の放送が完結したことを機に実現したというこの企画。時代劇の要素も存分に盛り込まれたワノ国編の制作に関わったクリエイターがどのようなことを語るのか、彼らが選ぶ2作品の上映と併せて見逃せない。
世界の新作歴史映画からヒストリカが厳選した作品を上映する「ヒストリカ・ワールド」では、独特なビジュアル“LOOK”にこだわり選ばれた4作品がラインナップ。ロシアのファンタジー作家、アレクサンドル・グリーンの『真紅の帆』からインスピレーションを得たという『スカーレット』(22年 監督:ピエトロ・マルチェッロ)をはじめ、すべてが日本初上映作品だ。
「ヒストリカ・フォーカス」では、‟LOOKが違う、世界が違う、刺激のレベルが違う挑戦者たち!”と題し、黒澤明監督の『用心棒』(61年)やデヴィッド・フィンチャー監督作『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(08年)など、クリエイターがまだ見ぬ映像表現へと挑戦した作品をピックアップ。新たな視点で作品を楽しむことができる。
ほかにも、イタリア文化会館-大阪と連携した特別プログラムは本映画祭の目玉のひとつ。今年はVRを含む3作品の上映が予定されている。中でも『ボローニャ復元映画祭』と連携した企画では、ルキーノ・ヴィスコンティ監督作の名作『山猫』(63年)の世界を美しい4K修復版で堪能できる。
新たな試みはこれだけではない。『ヒストリカ お座敷』として関西を中心に活躍する映像クリエイターや映画関係者など、幅広いゲストを迎えたカンファレンスイベントも予定されている。今年の大河でも紫式部が主役の『光る君へ』が話題だが、清少納言が生きた日々を描いた映画『つるばみ色のなぎ子たち』を制作中の片渕須直監督を招いてのトークや関連展示も行われるとのことだ。
これまで時代劇というコンテンツを育んできた京都だからこそ実現できた、‟歴史映画”を多角的に体感できる映画祭。この機会に、変わり続ける時代劇の世界に触れてみてはいかがだろうか。
第15回 京都ヒストリカ国際映画祭
日時 | 2024年1月23日(火)~1月28日(日) |
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会場 | 京都文化博物館 3F フィルムシアター、6F 和室、1F ろうじ店舗 |
料金 | ①~④:前売券 / 1,100円 当日券 / 1,300円
①ヒストリカ・ワールド ②ボローニャ復元映画祭–チネテカ・ディ・ボローニャ連携企画『山猫』 ⑦ヒストリカ・フォーカス 各作品 ※『MONO』、「ヒストリカ お座敷」、「HISTORICA X(クロス)」は無料。 |
チケット | 1)チケットぴあ
2)京都文化博物館3F映画祭受付にて販売 当日券 / 当該作品の上映日当日、販売時間:各日10時~19時まで |
主催 | 京都ヒストリカ国際映画祭実行委員会 |
京都ヒストリカ国際映画祭
2009年からはじまった「歴史映画」をテーマに京都にて毎年開催している国際映画祭。傑作時代劇はもちろんのこと、世界中からあつめた最新の歴史映画や、国内外の映画祭と連携した作品の上映などを行っている。
Webサイト:https://historica-kyoto.com/
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奈良県出身。京都在住。この街で流れる音楽のことなどを書き留めたい。
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