REVIEW
The Velvet Rope
Janet Jackson
MUSIC
2018.03.07
ミュージックビデオから感じるスーパースター性
先日のスーパーボウルでは、プリンスとの共演で話題沸騰のジャスティン・ティンバーレイク。この日のパフォーマンスは『Filthy』からはじまり『Sexy Back』が披露され、14年前のジャネット・ジャクソンとのあの事件を思い出した人も多いのではなかろうか。
さて、そんなジャスティンと縁のある彼女の『Got’til it’s Gone』のMVは、『Filthy』でも監督を務めたマーク・ロマネクが手がけたものだ。音楽の持つ潜在性を引き出し、新たなアングルを見せてくれるのがMVの魅力でもあるが、2作ともにアーティストと音楽が持つセクシャルな輝きが、彼らのステージに魅了される聴衆からも伝わってくるロマネク監督らしい作品。『Filthy』ではジョブズ風のジャスティンが2028年のマレーシアを舞台にAIのパフォーマンスを行なっているのに対し、『Got’til it’s Gone』ではジャネットが1960~70年代の南アフリカでラウンジ歌手に扮している。注目はラストのワンシーン。前者は歓声とAIを残して消える、操者と思われた人間(ジャスティン)、後者は「白人専用」の文字に投げつけられるワインボトル。歌では2人称と思われた世界が、MVでは社会的な色味を帯びる。ロマネク監督のMVは数あるが、それぞれ時代を象徴するスーパースターの二人だからこそ、MVにもこのようなつながりが生じたのではと思えてならない。
第一回 :Man Of The Woods - Justin Timberlake
選定者:ki-ft
WRITER
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奈良県出身。京都在住。この街で流れる音楽のことなどを書き留めたい。
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