INTERVIEW

(夜と)SAMPOの生き様。理想と挫折から生まれた『はだかの世界』

MUSIC 2022.02.04 Written By マーガレット 安井

(夜と)SAMPOの2ndミニ・アルバム『はだかの世界』は「挫折」と「肯定」を感じさせる。自分たちの在り方を力強く肯定してきたそれまでの作品とは違い、本作では〈”ふつうのひと”であれたらな そんな日々を 耐え忍ぶのはやめたいな〉(M-1 “DREAM POP” )〈おのれ 僕の未来に光はない〉(M-2 “嫉妬” )など自己否定を繰り返す。しかし表題曲でもある“はだかの世界”で〈僕は何者でもないそれでも息を吸い込んで生きるのさ 素晴らしき くだらぬ世界のために笑い話を携えて〉とプライドが崩壊した現状に対して、「それでも、やっていこうよ」と復帰を促す。

 

過去にはKANA-BOONやヤバイTシャツ屋さんを輩出したeo Music Tryでグランプリを獲得したこともある実力派の彼らは、なぜ挫折と肯定を歌ったのか。バンドのリーダー的存在である吉野エクスプロージョン(Gt)といくみ(Vo)の二人に話を聴くと、理想が形にならず落胆をし、そこからケセラセラと現状を肯定していく男の生き様が浮かび上がってきた。このインタビューは(夜と)SAMPOが今まで歩んできた旅路の記録であり、バンドとしての幸せの形を模索するドキュメントである。

(夜と)SAMPO

(L⇒R) 寺岡純二(Dr)/いくみ/吉野エクスプロージョン/清水昂太朗(Kye)/加藤秋人(Ba)

 

ハンブレッダーズ、加速するラブズ、フィッシュライフ…と 関西で話題を集めていたバンドの 元メンバーを中心に、 「また歌いたい」という一心で2019 年に結成。 J-popからプログレッシブロックやフュージョンまで、メンバーそれぞれが幅広い音楽ルーツ を持ち、音楽性や高い演奏力・パフォーマンスにも反映されている。 2020年8月に初のワンマンライブを実施。そこからわずか半年後の 2021 年 2 月、eo Music Try 20/21でグランプリを受賞。メンバー全員が会社員ながら 「社会人バンドの星になる」という意志のもと、「 世の中の“人生の選択に悩める人”“何者かになりたい人”を少しでも勇気づけられるように」と活動中。

バンドにとって幸せな形を模索している

──

最新アルバムの話をする前に、まずは吉野さんのバンドに対しての理念的なところを伺いたいです。吉野さんは元々ハンブレッダーズの正規メンバーでしたが、2020年にメジャーデビューをする際、「自分も出来る限り音楽×仕事、どちらもチャレンジしていきたい!」ということで、サポートメンバーになった経緯※があります。音楽と仕事の両立、その考えを確立させたきっかけは何だったのでしょうか?

http://humbreaders.com/2019/05/08/y/

吉野エクスプロージョン(以下、吉野)

大学3回生のころの話です。当時は「仕事をすることで、自分のやりたいことができなくなる」という思い込みがあり、就職活動に前向きになれない時期がありました。社会人になるなんて「人生の墓場」だとすら思っていて……。しかしバンドマンの先輩には、会社員をやりながらバンドをやっている人もちょくちょくいたんですね。それを見て「仕事をやりながら、自分の好きなこともできるのでは?」と思い始めました。

 

それでナードマグネットの須田さんや、ZOOZ・ガストバーナーなど多数バンド活動をされている16ビートはやおさんなど、仕事とバンド活動を両立していた先輩方と話をして、会社員をしながらでも音楽活動を続けられることも意識し、就職先を選びました。それでいざ社会人生活を送ると、大変な時もありましたが楽しかったんです。

──

ハンブレッダーズのメジャーデビューが決まった時に、仕事を辞めようと考えなかったのですか?

吉野

全く考えなかったわけではないのですが、仕事を続けながらバンドをやりたいという思いのほうが強かった。もちろんバンドが大きくなることはうれしかったですが、自分の仕事や生活を捨ててまでメジャーデビューしたかったかといえば、そうではなかった感じです。

──

ではなぜ吉野さんは、(夜と)SAMPOというバンドを結成されたのでしょうか。音楽を続けるならばソロで活動するという方法もありますよね。

吉野

今の会社の上司にも、同じような質問をされました。でも上手く答えが返せなかったんですよね……。

いくみ

私は「以前ではできなかったことを、自身のバンドでやりたかったのかな?」と思うんです。ハンブレッダーズの時は曲とか、軸になるものは、ムツムロ君がやっていた。もちろん吉野君も、構成とか、編曲とかはやっていたし、血肉としてバンドには欠かせない存在ではありました。しかし(夜と)SAMPOに関してはさらにバンドや楽曲の心臓に近い部分にいるというか、彼がやりたいことがエネルギーになっている。

吉野

うーん……そうなのかな。でも確かに、自分がこれまでリスナーとして好きだった音楽を、バンドとして突き詰めたかったというのはありました。僕はバンドだと赤い公園が好きで、ジャンルだとフュージョンやプログレッシブ・ロックも好き。そのエッセンスを自分の音楽に取り入れてみたいと思っていました。あと、キリンジの“AIの逃避行”を聴いて「こんなの作ってみたい。でも俺は歌えないな……」と思ったんです。

それでベースの加藤に「いいボーカリストはいないかな」と話しをしたら、「いくみちゃん、やってくれないかな」という話になって。それがバンドの発端かもしれない。でもいくみちゃん、最初はバンドの参加を断ったんです。

いくみ

正直、もうバンドはいいのかなと思って。加速するラブズの時にはドラム・ボーカルをやっていましたが、やればやるほどピン・ボーカルへの憧れが募っていき、かつ自分で曲を作りたいという欲望も出てきました。でもシンガーソングライターやバンドとか、いろんな方法でアウトプットするにつれて、自分に対しての欲望がどんどん満たされたんです。そしたら趣味で歌って、自分がハッピーであるならば、それでいいという気持ちになって。

──

でも、今は(夜と)SAMPOのメンバーとして歌われていますよね。それはなぜですか?

いくみ

スタジオに入っちゃうと、楽しかったんですよね(笑)。そこで自分の人生にとって歌は欠かせないものだし、自分の部屋がオンステージでもいいけど、人前で歌うことも楽しいなと思って。ただ基本的には自分個人の活動でも満足しているので、バンドとして大きくなりたいとか、そういうのを第一に考えてはないですね。

吉野

僕はバンドとして大きくなりたいとは思っていますが、それだけではなく、みんなにとってサステナブルな感じでやれたら一番幸せだな、と考えたりします。メンバーそれぞれに考えの違いがあり、例えばいくみちゃんはバンド活動に対して、いろんなことを割いてやりたいと思っているわけではない。だからメンバーの価値観が違っても、みんながバンドを続けられて、認知度も広げていける、バンドにとって幸せな形を、僕は苦しみながら模索しているというのが現状ですね。

このバンドは「働きやすい会社」だと思っています

──

価値観が違うもの同士が幸せな形を目指したい、という部分をもう少し詳しく聞きたいです。吉野さんはどのようにしてメンバーの価値観を把握するのでしょうか?

吉野

メンバー一人ひとりと話をします。僕もみんなの気持ちを騙しだましにバンドをやっていこうという気持ちはないし、時には利害関係も必要だと思っているので。その確認のために、昨年末にはメンバーとサシで呑みにいきましたね(笑)。その話の中で、例えばいくみちゃんだと、このバンドを続ける理由や、モチベーションを見つけることが、僕にとっての使命だと感じた。ベースの加藤ならば、このバンドかどうかは置いといて、ベーシストとして大成し、いろいろ仕事ができるようになればと考えたりしました。

──

今後の方向性だけでなく、メンバーの今後のキャリアや互いの利害を呑みニケーションを図りながら確認する。それってバンドというか、会社っぽい印象を受けますね。

いくみ

それは当たっているかも。私は、このバンドは働きやすい会社だと思っています。吉野というプロジェクトリーダーがいて、私は社員でうだうだ言いながらも報酬がある限り、精は尽くすみたいな。

──

こういうバンドになると、吉野さんは思っていましたか?

吉野

結成当初からこのような力学的関係にはなると思っていました。ただ少し反省もあって……。それまでは音源やMVの製作費をすべて自分で出して、デザインの依頼、スケジュール調整、渉外、もろもろの事務作業も自分がやっていました。なぜかというと、メンバーそれぞれの価値観で動いているので、なるべく負担をかけさせたくなかったのです。

 

それにバンドを良いものへ高めるためには、先行投資が大事だと思っていて。例えばすごく良い曲ができてMVを撮影するとなった時に、制作費用が30万円かかったとします。普通ならお金が予算と合わなかった場合、メンバー全員で相談して、予算交渉をすると思うんです。でも僕は良い音楽を作っている自負があり、30万円のPVを諦めるという選択を取りたくなかった。だからバンドが前に進んでいくために、責任を取って必要な負担は自分で先行投資をしようと思ったんです。

 

でも、さすがに僕もガタがきまして。「このままだったらあかんな」と思っていたら、キーボードの清水が「年明けから手伝うよ」と言ってくれて。清水から言われたのは、「加藤も寺岡も始めは非常に申し訳ないと思ってたけど、途中ぐらいから吉野は、やると決めたらガッと行く人間なんだ。ならば俺たちは見守ろうという感じになってた」と言われて。その時に目標を達成するなら、自分だけで頑張るのではなく、他の人の力も必要だなと思いました。

──

先行投資をしてまでバンドのために動いているということは、相当強い思いを持っているのではないでしょうか。

吉野

多分、バンドへの思いというよりかは、自分の理想のために動いているほうが強いのかもしれません。先ほど話した上司にも「吉野君は理想家で、自分が心からいいっていうものを人に知ってもらうことに最大の喜びを感じるんだろうね」と言われたことがあって。自分でも、そうかもしれないなと思います。

1+1は2みたいな楽曲ができあがってきたのかな

──

最新アルバム『はだかの世界』についても伺いたいのですが、それまでの『夜と散歩』や『ノストラダムス』では吉野さんはストレートなロックチューンを作っている印象がありました。しかし本作では“DREAM POP”のようなBPMを極端に早くした曲や、“はだかの世界”では突然ダブのディレイ・エフェクトを入れるとか、楽曲に変化を付けてきた印象があります。

いくみ

私が思うに『ノストラダムス』と『夜と散歩』では、吉野君のこれまでのキャリアで染み付いたポップ・イズムがそのままと出た印象で。それが(夜と)SAMPOの活動を続けていくなかで、吉野君のやりたいことがアルバムとして表現できたのかなと感じていて。

吉野

もともと、引っ掛かりのある音楽を作りたいとはずっと思っていました。楽曲的にはストレートで、メロディもポップ。だけども、裏でドラムとかギターが変なことやっている音楽が好きで。

いくみ

あと同じく楽曲を制作するベースの加藤君との交わりが深くなってきたのかなと思います。前は作風が分離されていて、例えば吉野君なら“革命前夜”のように、まっすぐなロックチューンを作り、加藤君は Jazz 系の音楽をやっていた人間なので“賢明な判断”のような、フュージョンっぽい音楽をやることがある。それが吉野君の曲に対して加藤君っぽい要素が乗っかったりして、1+1は2みたいな楽曲ができあがったという気はしています。例えば“はだかの世界”は全体的な作曲を吉野君がして、先ほど言ってたダブみたいな音は加藤君が入れたり。

──

吉野さん的には加藤さんが曲にさらなるアレンジを加えることについて、思うところとかありますか?

吉野

僕は聴き手として加藤の曲が好きで。だから今回のアレンジも「お、いいね!!」と思ったり。加藤からは学ぶことが多く、アプローチや、幅の持たせ方みたいなところは僕にはないと感じています。今は僕の頭の中にリトル加藤がいて。

──

リトル加藤というのは?

吉野

例えば僕は慣れもあって、自分っぽいコード進行や、自分らしいメロディの運び方とかがあるんです。でも加藤は自分らしさからの脱却というか、「新しい自分を作らなきゃ」ということをずっと言っていて。例えばドラムの寺岡に対して「そのドラムパターンは前やったから、もっと違うやり方をした方がいいんじゃない」みたいなことを言ったり。だから僕も自分らしい感じになりそうな時には、頭の中のリトル加藤と対峙して、今回はコード進行を変えてみようかなとか、ちょっとひねった形にしてみようかなと考えたりしています。

いくみ

その二人がメインですが、例えばキーボードの清水君とかは音作りが上手くて。加藤君、吉野君が無茶な要求しても、ちゃんと要望に答えたりするんですよ。

吉野

もちろんそれまでもメンバー間で楽曲に対して、意見を出し合ったりしてたのですが、『はだかの世界』では、メンバー全員がお互いを受容するみたいな空気感が、以前よりか増したと思いますね。

──

先ほど吉野さんにガタがきたところでメンバーが「手伝いをしたい」と言ってくれたというエピソードがあったじゃないですか。メンバーに任せることができたからこそ、お互いを受容する空気ができたのかなと感じます。

いくみ

なるほど。

吉野

そうですね。それは絶対あると思います。

「何者かにならないといけない」という理想が強かったが、はだかのままの自分でもいいよねと思った。

──

本作では歌詞も面白いと思ったんです。『夜と散歩』『ノストラダムス』はバンドとしての生き様みたいなものがフューチャーされていたのですが、このアルバムは「挫折と復帰」が大きなテーマなのかなと感じていて。最初の“DREAM POP”や“嫉妬”は内省的な内容で、それを“はだかの世界”で肯定するという流れになっていると感じました。

吉野

ははは(笑)。そうですね。まさしくおっしゃる通りです。そういう意図も込めて、このトラックの並びにしています。

──

(夜と)SAMPOはバンドとしての幸せの形を模索しています。なぜ挫折を描いたのでしょうか。

吉野

そうですね。「バンドとしての幸せの形」と言いましたが、自分自身は心の幸せを作り出すのは下手で。先ほどもお話をしましたが僕1人だけではバンドがうまくいってないと感じていたし、「こうあるべき」と思っている理想像に自分がなれていないことが受け入れられなかった。何度も「もっといけるはずなのに」と思ったりしてて。その葛藤はすごくありました。その気持ちが楽曲に投影されていたと思います。

 

“DREAM POP”は「生きているのが辛い…」と言っていた知り合いの話を聞いたのがきっかけで作りました。そこで感じたのは「生きているのが辛い」というのは、人間が持っているネガティブな感情が極端までいってしまったもので、分断はされてないみたいな感覚をその時に思ったんです。それで「生きているのが辛い…とまでいかないけど、そのネガティブなエッセンスは俺にもある」と気がついて。それで作ったのがこの曲で、“嫉妬”はそのネガティブが爆発した感じですね。

──

その感じは加藤さんが作詞した“moonlight”の中にもある気がしていて。〈あの夢はとっくに醒めて 棘になって指に残った しぶとくてさ 諦めることさえ もうやめた〉とか。加藤さんも吉野さんと似た感情を抱いていたのかもしれないですね。

いくみ

今、加藤君が挫折をしているかはわからないけど、元々の心の闇というか、性質みたいなものが出たのかなと思います。吉野君と性質は似ている感じがするし、何かそういうふうになりうる心は持っているなって思います。

──

それで“はだかの世界”では〈僕は何者でもないそれでも息を吸い込んで生きるのさ 素晴らしき くだらぬ世界のために笑い話を携えて〉と自分を全肯定するじゃないですか。この心境ってどこで生まれたんですか?

吉野

これはサウナですね。

──

え、サウナ?

吉野

ある時、神戸でサウナに入ってたんですよ。そのときに本当にいろいろ悩んでいて。eo Music Tryでグランプリとって「俺、最高!」って当初は感じていたのですが、その後バンドとしての仕事が繋がらなくって。それに、仕事しながら「こんなところでライブ出来たらいいな」みたいなイメージも持っていたのですが、いろんな関係者の人から「現状、それは難しいで」と言われて。そんなことがいろいろ積み重なって「もうちょっと、うまくいったらいいのに」と落ち込んでいたんです。

 

それでサウナから出て、街の景色や夜空を見て「わ。きれいだな……。こういう状態でもいいのかな」と思って。別に悩みがちっぽけだとか思ったわけじゃなくて、それまでは「何者かにならないといけない」という理想や、「自分はこうじゃないといけない」という憧憬みたいなものがすごく強くなってたと思うんです。でも今の状況でもいいよねと、六甲山を見ながら思って。

──

サウナに入って、急にその境地に達したのはすごいですね。

吉野

日々の生活が変わったことも原因かな。前のバンドの時は仕事が終わって、金曜日の深夜から東京に行ってライブをして、その帰りに名古屋でライブをして、みたいな生活を送っていました。でもそんな自分が「めっちゃええやん」「全部好きなことやっている、俺最高やな」と思っていたんです。(夜と)SAMPOをやり始めた時も、自分の音楽センスでその形ができたらいいなと思ってたんですが、そうはなれなかった。そのことに対してストレスを抱くことはありましたが、僕も結婚して、生活して、なんか「こういうのもいいな」と思い始めたのも大きかったですね。

歌詞に込められた感情をナチュラルに出せた

──

歌についても伺いたいのですが、いくみさんはバンドとシンガーソングライターとでは歌い方を変えたりしていますか。

いくみ

歌い方を変えてはいないですね。ただ精神的な面だと、ソロの時は自分の思っていることを吐き出す日記みたいなものだと捉えています。(夜と)SAMPOは自分の感情とかではなくて、吉野君、加藤君の求めることをやるという感じ。

──

シンガーとしてのスタンスを全うする感じですか?

いくみ

完全にそうですね。楽器として参加している感じです。今回のアルバムに関しても、すごく人間臭い歌詞が多くて、“はだかの世界”とか“届かないラブレター”とか吉野君の生きざまが表現されている曲も多い。だからわざとらしくせずに、歌詞に込めた感情の部分がナチュラルな形でリスナーに伝わればいいなって思ったし、それが出せたかなと思います。

吉野

僕としてはいくみちゃんはストーリーテラーのイメージです。がっつり入り込んで憑依すると、それはいくみちゃんの感情ではないし、正しくないと思っていて。適切な距離を持って、いくみちゃんの解釈も交えながら「こういう曲なんだよ」と伝えてくれるというイメージですね。バンドを始めたころと比べたら、今は色彩の付け方がものすごく出てきた気がしています。

──

いくみさんに対して、あてがきすることはありますか?

吉野

それはないですね。なぜならそこに余分なものが混ざると僕の歌ではないから。僕の丸ごとをいくみちゃんが解釈して歌ってくれたらいいと思っていて。だからあんまり全部は説明しないです。これはメンバーに関しても同じです。ただ、この解釈だけは絶対に間違えてほしくないトンマナみたいなものはあるので。その枠内で遊んでくれたらいいなという感じで。

いくみ

なんか私が参加する役割としては、めちゃくちゃ歌が上手いとか、めちゃくちゃ声がいいとか、そういうのではないと思っていて。それこそ「これ、正解あるんで。この通りに絶対歌ってください」という場合なら、私じゃない方がいい。遊びを設けている上で私の表現を気に入ってくれていると思うので、これからも遊びの中で自分の美味しいところが出るようにしたいです。

──

バンドとして今後の目標とかありますか?

いくみ

どうだろう。私は諸行無常のようなタイプで、刹那刹那で動いているところがあるので。でも純粋に音楽に対して、自分たちがやりたい、かつ良いと思えるものを出していき、しかもバンドとしてどんどん高まっていく状態が、私は一番理想だと思います。

──

吉野さんはどうですか?

吉野

僕もそれは絶対に欠かせないところです。僕の場合は欲張りなんで、高まるだけでなく、広がりも欲しいし、続けるもほしい。その3つが今後バンドとしてやりたいことですね。例えばすごく大きな規模のライブハウスで演奏をしたい!という気持ちがないことはないのですが、「高まりたい」「続けたい」の2つを排除してまではそこに行きたくはない。全部がちゃんとうまく整った形で、これからもバンドを続けていきたいです。

はだかの世界

 

アーティスト:(夜と)SAMPO

仕様:デジタル / CD

発売:2022年2月2日

価格:¥1,980(税込)

 

収録曲

1. DREAM POP

2. 嫉妬

3. moonlight

4. 届かないラブレター

5. 師走のステップ

6. はだかの世界

7. MAKE IT EASY!

 

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