僕のEasycomeから、僕らのEasycomeへ – 無理をせず、楽しみ作った最新アルバムについて語る –
めっちゃ悲しいことがあった時の方が、いい歌が歌えるんです
Easycomeの歌詞も落合さんが書いていますが、この2年間で歌詞についてなにか変わったことはありますか?
正直わからないです。「毎回、これしか俺はかけない」と思っているので。
ちーかまは2年間で落合さんが書く歌詞は変わったと思いますか?
変わってないと思います。むしろ落合は同じようなテーマを基に作った歌詞が多いように感じます。過去を振り返ったり、あてのない旅をずっとしてたり。昔は女性的な言葉遣いや、私を宛書したと想像できるような歌詞が多かったんですが、最近は歌詞に落合自身を投影しているような気がします。
ははは(苦笑)。でも、個人的なことしか書かなくなってきていますね。
なんで個人的なことしか書かなくなったのですか?
なんでだろう……ただ最近は良いこととか、悪いこととかがあれば、日記を書き留めていて、それを元に歌詞を書くので自分が出るのだと思います。ただ歌詞を書くときにテーマを思い描いたりは全くしなくて。いま言われて「俺って何かを思い返しているんだ」とか感じました。
ちーかまは歌入れするときは何を考えていますか?
言葉の意味は置いといて、まずは「上手くメロディーに歌詞がハマっているか」だけを考えます。メロディーに言葉が上手く乗っていないと、感情が込められないので。歌詞ではなくメロディに感情を入れることもあります。同じテーマでも明るい曲調と、悲しい曲調では感情の込め方も変わってくるので。例えば“想い出にさよならも”は悲しい歌詞ではあるけど、後半にいくにつれて、光が差してくるような前向きさも感じる曲調になっているので、悲しみを乗り越えるような気持ちで歌っています。
ちーかまはこの2年間で歌に対しての向き合い方は変わりましたか?
歌い方というより、表現の仕方について意識するようになりました。今までは、上手に歌うことを心掛けていましたが、2年間の中で、歌が自分でもわかるくらいよくなったタイミングがあって、それが“悲しい気持ち”の時だったんです。
悲しい気持ち?
自分がリアルで感じていることをそのまま歌に乗せた時、歌の技術だけを気にして歌っていたころにはない歌の手応えを感じました。それからは歌い方だけではなく、その時に感じていることを大切にして、その気持ちを歌に乗せることを意識するようになりました。日常で悲しい出来事があっても、それを作品に活かせることは表現者としての特権だと思うので。
これからも無理なく楽しく活動できたらなと思います
FREE MEDIA ZINEのSPICEでのインタビューで「売れることを意識すると上手くいかなかった」と語っていましたね。アルバムがタワレコメンに選ばれて、これからますますメディアとかに取り上げられる機会とかも多くなると思います。売れるために何かしようと意識されたりしてますか?
もちろん売れたい気持ちはありますし、大きな舞台にも立ちたいです。でもこれまで自分たちだけですくすく育って来た中で、いろんな人からアドバイスを受けることがあって。「こういうジャンルはどうかな?」「こんな歌詞にしたら?」とか。その時に良いと思うものは取り入れるけど、僕らには向かないと思うことは無理にはしないです。それが今のEasycomeにつながっていると思うし、これからもその都度、自分たちで考えていくことがEasycomeに合った活動につながると思います。
本当にガツガツしていないですよね。ただそれがEasycomeの魅力なのかもしれないですね。
johnny:僕は後から入った身なので、客観的に観てることが多いのですが聴く人も増えて、Easycome自体の演奏スキルや熱量も年々上がってきている。活動も無理をしてないので、ほんまに良い調子だと思いますね。
私も無理してやっていないことが大きいです。メンバーとも仲良くやれてるし、仕事もしても活動できているし。周りから「仲いいバンドですね」と言われたり。
「スタジオ後にメンバー全員でご飯食べるんですか?」とか「車移動ではしゃいでるですか?」とめっちゃ驚かれるよね。
「わざわざ集まって飲みに行くんですか?」とか、このあいだ言われた。
それが私たちには普通ですし、自分たちは「メンバー全員で集まって何かする」がメインのバンドなんで。遠征に行っても、遊びに行くような感じですね。好きな人たちと遠くに行って遊ぶの楽しいじゃないですか。これからも無理なく楽しく活動できたらなと思います。
作品情報
アーティスト:Easycome
タイトル:Easycome
発売日:2019年07月17日
価格:¥2,200 (税抜き)
収録曲
01.旅気候
02.Caravan
03. Night Skip
04. 想い出にさよなら
05. 雨を待つ
06. パラシュート
07. 夢中にならないで
08. ルフラン
09. something
10. 春になったら
Easycome
L→R
johnny(Dr)
落合(Gt)
ちーかま(Vo / Gt)
コダマ(Ba)
2015年結成、夏ごろからライブに出始める。12月、初音源「夢中にならないで/crispy cryspy」をyoutube、soundcloudで公開。ライブ会場でも無料音源として配布。 2016年に1st mini album「風の便りを教えて」、2017年に2nd mini album 「お天気でした」発売。りんご音楽祭、FM802 MINAMI WHEEL、Morning River Summitに参加。 現在は大阪を中心に活動中。 2019年7月17日に、1st full album 「Easycome」発売、タワーレコードが話題になる前のアーティストをいち早くピックアップする企画<タワレコメン>に選出。
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関西インディーズの水先案内人。音楽ライターとして関西のインディーズバンドを中心にレビューやインタビュー、コラムを書いたりしてます。
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