
「堀川通」を語れば、一冊の本になった – 烽火書房・嶋田翔伍、初のエッセイ集『住まなくても都』を刊行
「必要な時に、必要な人に必ず届くのろしのような本づくりを」と掲げる、京都の出版社〈烽火書房〉。その代表である嶋田翔伍が、初のエッセイ集『住まなくても都』を刊行した。
本書は、嶋田が自身のルーツでもある京都市内の主要幹線道路・堀川通(ほりかわどおり)を北から南まで実際に歩き、そこで目にした景色を手がかりに、生い立ちや京都のカルチャー、まちの様子などの記憶を綴った随筆集である。
通りを歩きながら、個人のサブカルチャー体験や本屋巡り、友人との日々といった記憶に加え、執筆期間中に直面した家族の死についても綴る。観光ガイドには載りにくい生活者の視点で捉えた言葉はやがて人生をたどり直す旅へと重なっていく。
手触りのある用紙やSeeeの小林誠太による描き下ろしロゴ、小さいながらも物体感のある佇まいの判型など、プロダクトとしての魅力も追求している。読むだけでなく、触れても楽しめる一冊だ。
著者のメッセージ
僕は京都で生まれ育ち、いちど大阪で就職、他市への移住を経験したあと、このまちに戻ってきました。子どもの頃何気なく暮らしたまちも、改めて戻ってみると、なぜか妙に愛おしいです。まちづくりに携わった経験や編集者としてキャリアを積むなかで、このまちで自分なりにできることをやっていきたいと思うようになりました。そのなかで、生まれ育ち現在では出版社と本屋を営む「堀川通」は自分にとって少し特別だと気づきました。言ってしまえば「レぺゼン堀川通」。僕の場合がそうなだけで、きっとそれぞれにとっての愛着のあるエリアや場所があるはずです。そんな各々の「このまちが好きだ」という気持ちを喚起することがあれば、と考えながらつくった「京都の人と、京都以外のすべての人」に向けた一冊です。
嶋田翔伍(しまだ・しょうご)
1991年3月15日生まれ。京都市生まれ、在住。〈烽火書房〉として出版活動・編集制作をおこなっているほか、京都のろじの新刊書店・〈hoka books〉を共同で運営中。京都府立大学文学部卒。大学卒業後、新卒で社史・記念誌の制作をおこなう出版社にて5年勤務。企業や組織の歴史を掘り下げるところから一冊の本をまとめる編集業務を経験。独立後、京都府下の市町村で地域おこし協力隊として活動。編集の力で地域を盛り上げることをテーマに、市内全域、町、中心市街、集落などさまざまな単位での紙媒体を発行。並行して編集・執筆・デザインなどの制作請負業務をおこなう。2019年に〈烽火書房〉を立ち上げる。
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