阿佐ロマとワナゴナの冬支度 京都編
Wanna-Gonnaと阿佐ヶ谷ロマンティクス。同世代であり、東京のライヴハウス・シーンを中心に切磋琢磨している2組が京都・名古屋・東京の3カ所で合同ツアーを開催する。京都公演は11月23日にバレーボウイズとギリシャラブを迎えてLive House nanoにて。この2組がnanoで一気に登場するのは、昨年のWanna-Gonnaの1stミニアルバム『In the Right Place』のリリースツアー以来の1年ぶりだ。
この1年の間に阿佐ヶ谷ロマンティクスは2ndフルアルバム『灯がともる頃には』をリリース。活動当初からのJ-POP meets 中南米のリズムやサウンドという視座は確かな血肉としてにじみ出てはいるものの、これまでの印象をふわりとけむに巻く、鮮やかなポップ・ラプソディ集であった。またリリース以降も本間玲(Ba)が正式加入し、ライヴではサポートを務めるふかいお兄さん(Gt)が楽曲を一度ぶっ壊して再構築にかかるようなファズの効いたギタープレイを炸裂させるこれまでにない光景をも見せつつある。そしてなにより有坂朋恵(Vo)の優しい歌声の成長も合わせて、まさに今成長曲線の道中。
一方Wanna-Gonnaもオルタナ・カントリーやアメリカンルーツに開眼した前作リリース以降のライヴを見る限りでは、歌を軸に置いたバンド・アンサンブルをさらに突き詰める方向を進んでいる。本ツアーからはニューシングルとなる2曲入りカセット『それから』を販売。表題曲はライヴでもすでに披露されており、“Green Green Grass”や“Three Miles”といった名曲群を引き継ぐ、雄大なミッドテンポの上で竹澤浩太郎(Vo / Gt)の純朴かつ血潮溢れる歌唱が映える美しいバラッドだ。
いつもこの2組のステージを見ていると、メンバーそれぞれのルーツから素っ頓狂なアイデアが飛び出して、笑い合いながら曲作りを行っているような光景が見えてくる。言うなれば瑞々しく今の時代を彩るフォーエバーヤングというか、微笑ましいチームビルディングのようなものを感じるのだ。Wanna-Gonnaは中学、阿佐ヶ谷ロマンティクスは大学のサークルで結成、そんな友達からバンドが形成されていったがゆえの雰囲気か。ただ、くすぶった若きモラトリアムなんて遠く夕焼けの彼方、日本のバンド・ミュージックの次なる夜明けをまもなく担うであろう音楽家集団2組と筆者は予見している。
京都はもちろん、関西全域の皆様、11月23日はnanoが音楽の鳴り響く“In the Right Place”(=正統な場所)ですよ!彼らの“それから”をしかと見届けるべし!
日時 | 2018年11月23日(金) open 17:30 / start 18:00 |
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会場 | Live House nano |
料金 | [adv] ¥2300+1ドリンク |
出演 | Wanna-Gonna / 阿佐ヶ谷ロマンティクス / バレーボウイズ / ギリシャラブ |
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WRITER
- 峯 大貴
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1991年生まれ。大阪北摂出身、東京高円寺→世田谷線に引っ越しました。
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ANTENNAに在籍しつつミュージックマガジン、Mikikiなどにも寄稿。
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