PURPLE HUMPTY、アルバム『Archive』とシングル“one cup of song”をリリース
大阪北摂出身のロック・バンドPURPLE HUMPTYが6月12日(金)にアルバム『Archive』とシングル“one cup of song”を配信でリリースした。2006年に結成。2016年頃には名義をFouFouに替えて活動した時期など紆余曲折もあったが、万事快調とは言い難い日常の中でもどうにかポップに弾ける事象を見出し、歌にしていく井田健(Vo / Gt)の姿勢は一貫している。
『Archive』はその現在のスタイルが定着した2011年の1stミニアルバム『ガールフレンド』から、2015年のライブ会場限定シングル『BABY BABY / Lotus』までの自主制作作品を、年代順に収めた20曲入りの初期ベスト・アルバムだ。青春パンクやメロコアからの影響が強かった2000年代の名残を感じる“恋は突然”から、当時のドラム・萬玉あい(現D.W.ニコルズ)による気だるくて愛らしいコーラスの存在感も当時のパープルの大きな魅力だったことを思い出させる、オールディーズ・ポップス“BABY BABY”、“Lotus”まで。演奏の成熟や当初から醸していた若年寄的な落ち着きが、時系列で深まっていく彼らの足跡が詰まっている。
中でも現在までライブで欠かせない代表曲でありながら、長らく廃盤となっていた“CITY”が収録されているのは必見。シンプルなメロディと構成の中に、彼らが生活する茨木・高槻の風景が浮かび上がってくる。
そこで思い出すのは、結成当時よりホームグラウンドとしており北摂のバンドマンたちの拠り所であったライブハウス、高槻Raspberryが昨年3月に閉店したことだ。パープルは昨年リリース“Hello”のMVとしてこの場所の最後の風景を残したが、本作にも北摂の景色や空気をパックする色合いが感じられる。ジャケットに映し出されたベースとギターがかけられている場所は、本作に収録されている楽曲の録音・ミックスにも関わっている、阪急茨木市駅近くの音楽スタジオD-STUDIOに違いない。しかも2015年に起きた火事で半焼する前の内装なのだ。ここでも彼らの活動する場所をアーカイブしていこうとする気概が伝わってきた。
一方の新曲“one cup of song”はメンバーそれぞれの自宅で制作された作品。“今は離れ離れも 大切な時間だから”という今の時代に寄り添う詞と、一杯のコーヒーを飲んでいるつかの間のリラックスタイムそのもののような井田の歌が温かく優しい。変わっていく社会と北摂の街、そして歳を重ねていく自分自身。全てを受け入れながら、安らげる郷としての「ホーム」を音楽で作り続けてきたことが実感できる2作である。
Archive
アーティスト:PURPLE HUMPTY
仕様:デジタル
発売:2020年6月12日
配信リンク:https://linkco.re/XuQDh1N1
収録曲
1.あの子とドライブ
2.未熟者のブルース
3.恋は突然
4.rock music & baby summer day
5.僕はバンドマン
6.春の太陽
7.CITY
8.また会えるなら
9.rock music & baby summer day(sunny walk MIX)
10.シンガー
11.Flower
12.デイドリーム
13.一人旅、帰り道
14.きらめき
15.コスモス
16.パーティーは終わらない
17.星空のバラッド
18.輝き果てるまで
19.BABY BABY
20.Lotus
one cup of song
アーティスト:PURPLE HUMPTY
仕様:デジタル
発売:2020年6月12日
配信リンク:https://linkco.re/cRPQyvrz
収録曲
1.one cup of song
PURPLE HUMPTY
L to R
辻井啓気(Ba)
井田健(Vo / Gt)
金久真治(Gt)
大阪 北摂出身のロックバンド。中学校の同級生で結成。
あらゆる音楽を呑み込んだサウンドに心地良いメロディーを乗せ、メモ書きのように綴られた言葉はあなたにやさしく寄り添う恋人のよう。飾り気のない雰囲気で観客を暖かく包み込むライブは沢山の人の心に染み込んでいる。幾多の全国ツアーで培われたそのライブ力には定評があり、ライブで生の声を届ける事に重きを置いているロックバンドである。
Webサイト:https://www.purplehumpty.com/
Twitter:https://twitter.com/purplehumpty
WRITER
- 峯 大貴
-
1991年生まれ。大阪北摂出身、東京高円寺→世田谷線に引っ越しました。
OTHER POSTS
ANTENNAに在籍しつつミュージックマガジン、Mikikiなどにも寄稿。
過去執筆履歴はnoteにまとめております。
min.kochi@gmail.com
RECENT POST
EDITOR
- 阿部 仁知
-
はろーべいべーあべです。フェスティバルとクラブカルチャーとウイスキーで日々をやり過ごしてます。fujirockers.orgでも活動中。興味本位でふらふらしてるんでどっかで乾杯しましょ。hitoshiabe329@gmail.com
OTHER POSTS