mogsanが野呂佳代をボーカルに迎えた”さよならサマー”を配信限定でリリース
東京は杉並区永福町を拠点とする4人組ポップバンドmogsanが、タレントの野呂佳代をメインボーカルに迎えた楽曲“さよならサマー”を7月15日(月)に配信限定でリリースした。
mogsanが描き出そうとしているポップ・ミュージックのスタンスは徐々に変化を遂げている。2017年の1stアルバム『月と健康』は民謡、レゲエ、ボサノヴァなども取り入れたオーガニックなサウンドでありながら、山内健司(Vo / Gt)による“鍋”や“縄文時代”といったポップ・ソングのテーマとしては斜め上を行く日本語表現が、日常をやさしく描き出していたのが特徴的だった。特に表題曲“月と健康”の「からだにいいものたべて 元気でいてね」の歌詞は、私の疲れた心を何度穏やかにしてくれたことだろうか。続く昨年のEP『Summer Noodle』ではハワイアンやサーフ・ミュージックも抱擁し、“Natsuniwa”では大々的にブラス・セクションも導入。テーマは夏に絞りながらも、山内がボーカルを取らないインストゥルメンタルが6曲中2曲含まれていたり、坂本圭介(Dr / Per)のグルーヴにはアフロ・キューバンの要素も感じさせるような、サウンドや演奏形態が格段に拡張した作品となった。
そこから1年ぶりの新曲が野呂佳代をゲストボーカルに迎えたこのコラボレーションだ。野呂佳代がパーソナリティーをつとめる<ON8+1月曜日>(bayfm)にmogsanが数度ゲスト出演しており、オリジナル楽曲“月曜の夜は”(未リリース)を提供し、番組内でコラボ演奏するなど共演を重ねてきた。そんな中で満を持してのリリースとなった“さよならサマー”は『Summer Noodle』で描いた夏のテーマを引き継ぎながら、さらにキャッチーさに磨きをかけたラグジュアリーな仕上がり。しかし山内が描く詞に登場する、商店街、川崎ナンバー、箱根湯沢、焼きそば食べたい、といったワードは豪華絢爛のリゾートというより日常が少しだけ浮き足立つような、ある夏の日を演出している。そんな身近さ、人懐っこさが野呂佳代のタレントとしてのキャラクターともマッチしているのも魅力だ。
また演奏はmogsan4人だけではなく、8人ものゲスト・ミュージシャンを迎えている。いーはとーゔから森飛鳥(Gt / Cho)、簗島瞬(Key)。超常現象や折坂悠太(合奏)、South Penguinなど様々な演奏に参加している打楽器奏者 宮坂遼太郎(Per)や、シンガーソングライターの大石晴子(Cho)など現在東京のライヴハウスを中心に活動している顔ぶれだ。最近では先月ぎがえもかがリリースした『メイクアップ』に神永明博(Ba)が演奏、山内がプロデュースとして参加するなど、徐々に4人組ポップバンドの範疇に収まらない活動となりつつあるmogsan。まるでティン・パン・アレーのようにプロデュース・チームとして周りのファミリーを巻き込みながら、独自のポップスを追求している彼らによる渾身のサマーチューンをお楽しみください。
作品名 | さよならサマー |
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アーティスト | mogsanと野呂佳代 |
価格・配信情報 | 250円(配信限定) |
クレジット | 作詞・作曲:山内 健司
Vo:野呂佳代
Art Direction:山田和平 Recording:big turtle STUDIOS
produced by mogsan&Go-Hi.records |
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WRITER
- 峯 大貴
-
1991年生まれ。大阪北摂出身、東京高円寺→世田谷線に引っ越しました。
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ANTENNAに在籍しつつミュージックマガジン、Mikikiなどにも寄稿。
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- 乾 和代
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奈良県出身。京都在住。この街で流れる音楽のことなどを書き留めたい。
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