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東海岸大地芸術祭(Taiwan East Coast Land Arts Festival)- 月光海コンサート『流動的靈魂』

MUSIC 2024.07.12 Written By 峯 大貴

6月21日(金)~9月20日(金)に渡って、台湾の台東県成功鎮に位置する〈東部海岸国家風景区〉で『東海岸大地芸術祭(Taiwan East Coast Land Arts Festival)』が開催中だ。台湾交通部観光局所属の東海岸風景管理所の主催で2015年に始動し、今年10周年を迎える本芸術祭。台湾の東海岸各地域に応じた持続可能性や環境への配慮などのテーマに基づいた、台湾国内の芸術家とコラボレーションして大型野外作品を展示。また『月光海コンサート』や、職人たちの作品が販売されるマーケットなども組み合わせた、文化プラットフォームが会場に展開される。

 

今年のキュレーションテーマは『流動する境界となる』。島の生態系と多様な文化の共生と流動性を表現し、東海岸を旅する中で自分自身の境界を見つけることを目指しているという。台湾旅行者に島の生態的、文化的多様性を見せ、海外の多くのアーティストを紹介する予定だ。主催側も「台湾を訪れる観光客が台湾東海岸大地芸術祭を通じて台湾の文化的多様性と芸術の美しさを経験して理解する場になることを願う」とコメントを発表している。

本芸術祭のハイライトである『月光海コンサート』は、〈ドゥリ公園(Duli Park)〉の野外舞台で6月21~22日、7月21~22日、8月20~21日、9月19~20日の計8回開催。各コンサートには異なるテーマが設けられた、音楽やダンスのパフォーマンスが行われる。

 

各回、国内外のアーティストが多数出演するが、中でも特筆すべきは7月21日(日)に開催される『流動的靈魂』。タイトルと合わせて書かれたステイトメントを翻訳すると「月の陰と陰と海は表裏一体。 月が昇り、波がうねると、誰もが魂を乱され、あらゆるエネルギーが混ざり合う。穏やかな月の出と海を感じながら、波のように押し寄せる音楽に魂と人生を浄化され、本当の自分を見つけよう」と宣言されている。

昨年の様子

出演するのは全5組。乱彈阿翔、鄭興、HUSHといった台湾の音楽界で最も注目される『金曲奨(ゴールデン・メロディー・アワード)』受賞経験を持つ実力派のシンガーから、黒田卓也やWONKとのコラボ楽曲や竹内まりや“Plastic Love”のカバーなど日本との関わりも深い、今の台湾を代表するR&B・ジャズシンガー9m88(ジョーエムバーバー)。そして日本からは般若心経をアレンジした楽曲が国内のメディアやSNSみならず、台湾や中国でも大々的に取り上げられた僧侶音楽家の薬師寺寬邦が出演する。

 

いずれをとっても日本からわざわざ足を運ぶ価値のある本コンサート。詳細やチケット購入方法などは公式Webサイトチケットページを参照してもらいたい。

昨年の様子

月光海コンサート『流動的靈魂』

日時

2024年7月21日(日)
open 16:30 / start 17:00(終演予定 21:45)

 

会場

東部海岸国家風景区、台東県成功鎮

 

出演

鄭興 / 9m88 / 乱彈阿翔 / HUSH / 藥師寺寬邦

 

料金

前売り $1,500元 / 当日 $1,650元
障がい者および同伴者割引チケット $900元(要障がい者手帳持参)

 

チケット

https://ticket.ibon.com.tw/ActivityInfo/Details/38316

鄭興

 

2014年、中国からの留学生として大学院に留学していた際に、“愛人 Ai-Lin-Ah”を制作。2017年、台湾での生活を記録した1stアルバム『忽然有一天,我離開了台北(When I Leave Taipei)』で、第29回金曲奨の優秀新人賞、優秀北京語アルバム賞、年間アルバム賞の3部門にノミネートされ、一躍注目を集めた。温かみのある歌声と繊細な歌詞で知られ、『盆地』(2023年)や『眼淚博物館(Museum of Tears)』(2020年)などのアルバムを携えて東海岸に戻ってくる。

9m88

 

台北で生まれ、大学でファッションを学んだ後、NYの名門校『The School of Jazz & Contemporary Music』でジャズを専攻。R&B、ソウル、ジャズ、ポップスなど様々なジャンルからの影響を感じさせるメロウかつオリエンタル~エキゾなR&Bミュージックを体現した、台湾のポップ・ミュージック/アート・シーンの次代を担う才能と言われている。2017年には台湾のレーベル《2manysound》から『九頭身日奈/PLASTIC LOVE』の7inchリリースが日本でも話題に。台湾ではAAAMYYY、D.A.N.、STUTS、Tempalay、TENDREといった日本国内からのメンツとの共演も多く、落日飛車Sunset Rollercoasterの作品へのコーラス参加や、台湾で最も有名なヒップホップレーベル「KAO!INC」所属のラッパーLeo王とのコラボ作も。愛称は「バーバー」。

乱彈阿翔

 

ロックバンド亂彈のリードボーカルとして1997年にデビュー。2000年に活動休止して以降はソロ活動を展開する。2012年、“把我換成你(Replace Me With You)”で金曲奨の最優秀国語男性歌手賞を受賞。金曲奨、金鐘奨、金馬奨のトリプル・ゴールド受賞者であり、 クールな歌声、感染力のある誠実なボーカル、前衛的なロック・スタイルにより独自のスタイルを作り上げている。

HUSH

 

1985年生まれのシンガーソングライター。孫燕姿(Stefanie Sun)の“克卜勒”、張惠妹(A-Mei Chang)の“血腥愛情故事”、徐佳瑩(LaLa Hsu)の“尋人啟事”などの他アーティストへの提供曲も数多く、2021年と2022年には2年連続で金曲奨の最優秀作曲家賞を受賞した。亀田誠治も編曲で2曲参加した、セクシュアリティをテーマにしている最新アルバム『娛樂自己』が、各所で高い評価を受け、2023年の金曲奨、最優秀国語男性歌手賞を受賞。

藥師寺寬邦

 

1979年生まれ。禅僧であり音楽家。愛媛県今治市にある臨済宗・海禅寺の副住職。2013年、薬師寺が修行を終え、僧侶になってからは、仏教の教えをわかりやすい日本語に置き換え、懐かしいポップスのメロディーとハーモニーで伝えていくことをコンセプトに、寺院ライブを軸として活動を展開する。 今までにアルバム5枚、シングルは15枚以上リリース。 2018年12月には、中国本土・台湾を巡る全6箇所公演のワンマンライブツアーの開催され、5,000人の動員を記録し大盛況となった。日本からアジアへ、縁を繋ぎ、仏教を音に乗せ、伝え続ける。

東海岸大地芸術祭(Taiwan East Coast Land Arts Festival)月光海コンサート 開催概要

期間: 2024年6月21日~9月20日

場所: 東部海岸国家風景区、台東県成功鎮

 

6月21日(金)『流動的山海』

出演:十鼓擊樂團 / Amis旮亙樂團 / 高蕾雅X保卜X悠巴歌謠傳唱隊 / 愛爾蘭ROGU舞團 / 漂流出口

 

6月22日(土)『流動的你我』

出演:圖騰樂團 / 葛西瓦 Kasiwa / Saya張惠春 / 黃大煒 / 滅火器 Fire EX.

 

7月21日(日)『流動的靈魂』

出演:鄭興 / 9m88 / 乱彈阿翔 / HUSH / 藥師寺寬邦

 

7月22日(月)『流動的火花』

出演:郁晴 X 米大吟唱隊 / 島嶼 / 陳永淘 / 百合花 / 黑旋風

 

8月20日(火)『流動的歡樂 東海岸大地藝術節十週年專場』(企業主催無料セッション)

出演:Suming 舒米恩 X ゲスト / 紀曉君 X ゲスト / Sangpuy 桑布伊 X ゲスト

 

8月21日(水)『流動的世界』

出演:聲動樂團 A Moving Sound / 福夢 FUMON / 南僑幫 Nan Jombang Dance / 幽法 X Neil X Shabani / 林強 LimGiong X 蔡明志 Gibson

 

9月19日(木)『流動的時間』

出演:克里夫 Cliff / 邱軍 / 那屋瓦少女隊 / Ponay的原式大樂隊 / 王宏恩

 

9月20日(金)『流動的邊界』

出演:旺福 WONFU / 泰武古謠傳唱 / 許景淳 / 巴賴Balai + gagaband x 王駝 / ABAO阿爆

 

詳細や最新情報は以下をご覧ください。

公式Webサイト:https://www.eastcoast-nsa.gov.tw/teclandart/

Facebook:https://www.facebook.com/TECLandArtsFestival

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