東海岸大地芸術祭(Taiwan East Coast Land Arts Festival)
6月21日(金)~9月20日(金)に渡って、台湾の台東県成功鎮に位置する〈東部海岸国家風景区〉で『東海岸大地芸術祭(Taiwan East Coast Land Arts Festival)』が開催中だ。台湾交通部観光局所属の東海岸風景管理所の主催により、「観光凝視、閑暇哲学、大地美学」というコアコンセプトを掲げて2015年に始動し、今年10周年を迎える本芸術祭。台湾の東海岸各地域の特性に応じた持続可能性や環境への配慮などのテーマに基づき、台湾国内の芸術家とコラボレーションして大型野外作品を展示。また『月光海コンサート』や、職人たちの作品が販売されるマーケットなども組み合わせた、文化プラットフォームが会場に展開される。
今年のキュレーションテーマは『流動する境界となる』。島の生態系と多様な文化の共生と流動性を表現し、東海岸を旅する中で自分自身の境界を見つけることを目指しているという。台湾旅行者に島の生態的、文化的多様性を見せ、海外の多くのアーティストを紹介する予定だ。主催側も「台湾を訪れる観光客が『台湾東海岸大地芸術祭』を通じて台湾の文化的多様性と芸術の美しさを経験して理解する場になることを願う」とコメントを発表している。
公式サイトでは、10年の歴史の中で制作された国内外のアーティストによる創作物のラインナップと、東海岸一帯にずらっと立ち並ぶそのロケーションを確認することができる。今年は新たに5組のアーティストの作品が追加。マレーシアの陳抒漫による『蕨處逢⽣ Vitality in Ferns』(台東県・都歴ビジターセンター)、日本の衫原信幸と中村綾花の『在海與山之間 – 漂流神』(台東県・成功ビシリアン公園)、インドネシアのアイ・マド・スカラワンの『Jukun』(台東県・成功ビシリアン公園)、そして東海岸港口部落の地主隊アーティストApo’陳昭興と王亭婷による『等待漲潮 – mataktak 大出』(花蓮県静浦・太陽広場)、屏東出身である陳依慧の『癒室』(花蓮県・花蓮ビジターセンター)が、それぞれの設置場所で公開される。
本芸術祭のハイライトである『月光海コンサート』は、〈ドゥリ公園(Duli Park)〉の野外舞台で6月21~22日、7月21~22日、8月20~21日、9月19~20日の計8回開催。各コンサートには異なるテーマが設けられ、国内外のアーティストによる音楽やダンスのパフォーマンスが行われる。本記事公開段階で残る開催は4回。最終日となる9月20日(金)の『流動的邊界』では日本でも度々ライブを行なっている旺福 WONFUや、台湾原住民でパイワン族出身のシンガー阿爆 ABAOなど人気アーティストも出演するので、最後まで見逃せない。
またマーケットでは、花蓮・台東エリアの生活や文化を反映した手作りの食器や日用品、地元の食材を活かしたグルメなどが数多く出店。ここにも文化的多様性や環境保護への意識が感じられる。
東海岸大地芸術祭(Taiwan East Coast Land Arts Festival)
会期
2024年6月21日(金)~9月20日(金)
会場
東部海岸国家風景区、台東県成功鎮
詳細や最新情報は以下をご覧ください。
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1991年生まれ。大阪北摂出身、東京高円寺→世田谷線に引っ越しました。
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